断熱性能はどこまで必要?これから求められる『断熱等級6』について解説!
2024.09.25
2024.09.13
家づくり学校
「断熱性能の高い住まい」が“快適で健康的な暮らし”を実現できるということは、家づくりを考える多くの人に知られるようになりました。ただ、断熱性能に優れた家が良いことは理解しているものの、「どこまで断熱性能を上げれば良いのか?」という疑問を抱いている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では「断熱性能の基本的な知識」や、これからの住宅に求められる「断熱等級6」など断熱性能に関して幅広く解説します。
この記事でわかること
- 断熱性能の基準・等級の違いなどについて
- 断熱性能を高めることによるメリット
- これからの家づくりで求められる「断熱等級6」について
本記事は、累計25,000組以上の家づくりをサポートさせていただいた「家づくり学校」が執筆しています。
「家づくり学校」では、家づくりの基本知識や予算設定のコツ、信頼できる住宅会社・工務店の見極め方などを出版社ならではの公平かつ中立の立場から個別相談やセミナーを通してレクチャーしています。ご利用はいずれも無料です。ぜひ一度ご相談ください!
1.住宅における断熱性能の主な基準
断熱性能の高さを示すものには、様々な指標・数値があります。まずはそれぞれが何を示しているのかについて説明します。
UA値
「外皮平均熱貫流率(UA値)」を表している数値のこと。経済産業省が発表している資料「住宅における外皮性能」では、UA値は次のように説明がされています。
・室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標
・建物内外温度差を1度としたときに、建物内部から外界へ逃げる単位時間あたりの熱量(換気による熱損失は除く)を、外皮面積で除したもの
UA値では家の壁や天井・床・窓などの「外皮」を通して、どのくらいの熱が室内と室外の間を移動するのかを示しています。
つまり「家の中で温めた熱がどのくらい外へ逃げやすいのか?」や「外の熱がどのくらい中に伝わりやすいのか?」を示す数値となっており、このUA値が小さいほど「高断熱な家」ということになります。
ηAC値(イータエーシー値)
「冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)」を表している数値のこと。ηAC値もUA値と同様に経済産業省の資料「住宅における外皮性能」において、次のように定義されています。
・太陽日射の室内への入りやすさの指標
・単位日射強度当たりの日射により建物内部で取得する熱量を冷房期間で平均し、外皮面積で除したもの
つまり、ηAC値とは夏場に太陽の日差しをどれだけ遮ることができるかを示す数値です。
「値が小さいほど日射が入りにくく、遮蔽性能が高い」ものとなるため、ηAC値が小さければ小さいほど夏季におけるエアコンの使用量を大きく減らす(=省エネになる)ことにも繋がります。
Q値
「熱損失係数(Q値)」を表している数値のこと。意味合いとしてはQ値もUA値と同じく「熱の逃げやすさ」を示す指標となっています。
Q値がUA値と異なる点としては主に二つあります。一つ目は「建物内部から外界へ逃げる単位時間あたりの熱量」において「換気による熱損失も含まれる」ということ。そして二つ目にQ値はUA値のように「外皮面積」ではなく、「延床面積」で算出していることがあります。つまりQ値を計算する場合、建物の延床面積が大きければQ値も小さくなる(=断熱性能が高くなる)ことになります。
以前はこのQ値が指標として使われていましたが「住宅の延床面積の違いで数値にバラつき(=建物が小さいと数値が大きくなる)が出ることは、断熱性能を平等に比較する妨げになる」という理由により、2013年の省エネ基準法改正(平成25年基準:改正省エネ基準)からはQ値に変わってUA値が用いられるようになりました。
快適な住まいのためにはUA値やQ値といった断熱性能だけでなく、気密性能も高める必要があります。C値で示される気密性能については以下の記事もご覧ください。
関連記事>>『高気密高断熱の住宅とは?メリット・デメリット、後悔しないためのポイントを徹底解説!』
2.断熱等級とは?等級4・5・6・7の違いをわかりやすく解説
続いて『断熱性能のレベル(等級)』について詳しく解説していきます。
断熱等級と省エネ基準地域区分
「断熱等級」は正式名称を「断熱等性能等級」といい、建物がどのくらいの断熱性能を有するかをレベル(等級)で示したものです。国土交通省が2000年に制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において、この基準が設けられました。
2024年現在では「等級」は1~7までの7段階があり、数字が大きいほど「断熱性が高い」ことを示します。「等級」それぞれには「到達すべき性能数値(UA値・ηAC値)」が定められており、住宅の床や壁、開口部や天井(屋根)などで使用される建材の性能数値を踏まえて、どの断熱等級に該当するか?が決まってきます。
また「住宅性能表示制度」に則って「住宅性能評価書」の交付を申請すれば、第三者の専門機関によって「この住宅は断熱等級○を満たしている」といういわゆるお墨付きを得ることもできます。
(「長期優良住宅」の認定を取得することによっても同様のお墨付きを得ることができます)
断熱等級とHEAT20の違い
家の断熱性能を示す基準としては断熱等級の他に「HEAT20」というものもあります。
断熱等級が国の定める基準であるのに対し、HEAT20は「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が設定した基準であり、「豊かなくらし」を実現するための「理想的な室内の温熱環境」を目指して考案されたものとなっています。後述する国が定めた「ZEH水準」よりも厳しい、G1・G2・G3の3段階で住宅外皮性能の水準を定めています。
断熱等級が重視するのは主にUA値であるのに対し、HEAT20ではUA値はあくまで目安に過ぎず、「その家がどのくらいの室温を保てるのか?(NEB)」や「暖房エネルギーをどれだけ削減できるか?(EB)」といったことも重視しています。
あわせて読みたい>>HEAT20とは?G1・G2・G3レベルやこれから求めるべき断熱基準を解説
断熱等級1~7の特徴を一覧で紹介
現在設けられている断熱等級1~7それぞれの大まかな特徴は以下の通りです。
断熱等級 | 内容 |
断熱等級7 | HEAT20 G3と同等レベル |
断熱等級6 | HEAT20 G2と同等レベル |
断熱等級5 | ZEH水準(2030年義務化予定) |
断熱等級4 | 平成11年 次世代省エネ基準(2025年義務化) |
断熱等級3 | 平成4年 新省エネ基準 |
断熱等級2 | 昭和55年 旧省エネ基準 |
断熱等級1 | 昭和55年基準に満たないもの(無断熱) |
先述の通り、断熱等級は住宅の外皮性能を構成する指標である「UA値」と「ηAC値」2つの数値で決定されます。また便宜上は断熱等級7をHEAT20 G3と同等レベル、断熱等級6をHEAT20 G2と同等レベルとしておりますが、断熱等級とHEAT20の基準は必ずしもイコールではありません。
さらにいうと断熱等級は日本全国を気候ごとに分けた「地域区分(エリア)」によって、達成すべき「UA値」と「ηAC値」の基準値が異なっています。
以下で断熱等級4・5・6・7について解説します。
断熱等性能等級4
断熱等級4を満たすためには、1999年に施行された「次世代省エネ基準」に則ったUA値・ηAC値に適合することが求められます。2022年に上位等級が新設されるまでは、断熱等級における最高等級となっていました。
断熱等級4は「熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令(平成28年 経済産業省令・国土交通省令第1号)に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている」建物として認められており、2025年以降はすべての新築住宅において断熱等級4への適合が義務づけられています。
断熱等性能等級5
断熱等級5は2022年4月に新設された等級水準です。断熱等級4で求められるものよりもさらに厳しい、「ZEH(ゼッチ)」の断熱水準を満たすUA値・ηAC値へ適合することが求められます。
尚、2030年以降は全ての新築住宅において断熱等級5の適合が義務づけられることが決定しています。
断熱等性能等級6
断熱等級6は2022年10月に新設された等級水準です。基準を満たすためには「HEAT20 G2」と同等レベルの断熱性能を要します。
「HEAT20 G2」の断熱性能であれば、冬の室温が「地域区分の1、2地域でおおむね15度」、「その他の地域区分でおおむね13度」を下回らないとされています。
断熱等性能等級7
断熱等級7は断熱等級6と共に2022年10月に新設された等級水準です。基準を満たすためには「HEAT20 G3」と同等レベルの断熱性能が求められます。
「HEAT20 G3」レベルの断熱性能であれば、冬の室温が「地域区分の1、2、7地域でおおむね16度」、「その他の地域区分でおおむね15度」を下回らないとされています。
断熱等級7を満たすためには、「HEAT20 G2」レベルよりもさらに断熱性を向上させる必要があります。
3.これからの断熱性能のスタンダードは「断熱等級6」以上!
ここまで断熱等級の違いを説明してきました。それでは、断熱性能はどこまで求めるべきでしょうか?
結論として、快適で健康的な次世代の家づくりという観点から考えれば「断熱等級6」もしくは「断熱等級7」、HEAT20基準ならG2~G3を目指すべきです。
理由を以下で解説します。
2025年に「断熱等性能等級4」が適合義務化に
先にも述べましたが、建築物省エネ法の改正によって2025年4月以降は全ての新築住宅に対して「断熱等級4」の適合が義務付けられています。今までは「断熱等級1~3」の住宅も建築することができましたが、それも出来なくなります。
すなわち、2025年以降は断熱等級4が新築住宅のスタンダードになるのです。
2030年までには最低ラインがZEH水準に
しかし、2030年には断熱等級の水準がより引き上げられて「断熱等級5」が最低水準となることが予定されています。つまり、今現在で「断熱等級4」の家を建ててしまった場合は、数年後には早くもそれが「時代遅れの家」になってしまう可能性があるのです。
さらに国が目指す住宅性能レベルの最終目標は「LCCM住宅(ライフ・サイクル・カーボンマイナス住宅)」です。これは「建設時から廃棄時までの住宅の一生涯において排出されるCO2収支をマイナスにする住宅」のことであり、ZEH基準の水準を満たす家づくりよりも、さらに先を見据えています。
関連記事>>『カーボンニュートラルを実現させるための住宅とは?家づくりのポイントを解説』
だからこそ今から家づくりをするのであれば、最初からある程度のコストをかけて「断熱等級6以上」の家を建てた方が得策です。健康で快適、さらに省エネでエコに暮らせることに加え、我が家の資産価値を高めることもできるからです。
断熱等級・住宅の省エネ政策これまでとこれから
断熱に関する国の住宅施策の歴史をご紹介します。
年度 | 断熱等級・省エネ政策 |
1980年度 | S55年基準の制定(断熱等級2相当) |
1992年度 | H4年基準の制定(断熱等級3相当) |
1999年度 | H11年基準の制定(断熱等級4相当) |
2013年度 | H25年基準の制定(一次エネルギー消費量基準追加) |
2016年度 | H28年基準の制定(冷房機の日射熱取得率基準変更) |
2021年度 | 省エネ基準の説明義務化(本来2020年度には断熱等級4適合が義務化だったものが要件緩和) |
2022年度 | 断熱等級5・6・7の新設。長期優良住宅においては断熱等級5適合が要件化 |
2023年度 | フラット35において省エネ基準適合を要件化 |
2024年度 | 新築住宅の販売・賃貸で省エネ性能表示が努力義務化 |
2025年度 | 新築において断熱等級4が適合義務化 |
2030年度 | 新築において断熱等級5が適合義務化予定 |
先述の通り、認定住宅の断熱要件が「等級5」に引上げられ、住宅市場全体が「等級6」を中心とする高水準へシフトすると予想されます。
4.断熱等級を高くすることによる3つのメリット
これからの家づくりにおいては「断熱等級6以上」がベストであると述べました。断熱性能を高めた家づくりをすることによるメリットとしては、主に次の3つが挙げられます。
①快適な室温になる
断熱等級が高い家であれば熱の出入りが少なくなり、外気の影響を受けづらくなります。いわば家全体が「魔法瓶」のようになるため、冬の寒さや冷気、夏の暑さや熱気の影響を受けにくくなるのです。
快適で健康的に過ごすことができる室温を常にキープしやすくなるのは、大きなメリットだといえます。
②光熱費の負担が少なくなる
断熱等級が高い家だと先にも述べたように外気の影響を受けにくくなります。加えて夏場であれば室内の涼しい空気、冬場であれば室内の暖めた空気を屋外に逃がしにくくなるため、冷房の温度を低くしたり暖房の温度を高くしたりせずとも、部屋の温度を快適に保ちやすくなります。
つまり、冷暖房に使用するエネルギーを大幅に抑えることができます。使用するエネルギーを抑えられるということは、光熱費を節約することにも繋がります。断熱性能の高さは快適に暮らせようになるということはもちろん、経済的に暮らすことにも貢献してくれるのです。
③体への負担が少なくなり、病気やヒートショックを防ぐことができる
上記の図は断熱性能の低い住宅をサーモグラフィで撮影した図です。断熱性能の低い家だと冬に室内でも寒さを感じるような家だと、健康被害のリスクも高くなってしまいます。その中でも特に「ヒートショック」は命に関わる危険な症状です。
「ヒートショック」は寒暖差が激しい環境で発生しやすいとされています。例えば暖房で暖かいリビングからひんやりとした廊下に出た時や、脱衣所で衣服を脱いで寒い浴室に移動した時などは「ヒートショック」が発生する確率が高くなっており、特に血管が硬くなっている高齢者の方は注意が必要です。
断熱等級の高い家であれば、家の隅々に至るまで一定の温度を保つことができるようになります。部屋間ごとでの温度差も生じにくくなるため、ヒートショックのリスクを大幅に減らすことが可能です。
5.断熱等級が高い家を建てる時の注意点とポイント
断熱等級の高い家を実際に建てる際の注意点とポイントについても知っておきましょう。
気密性能も高めて高気密高断熱住宅にする
住宅の断熱性能を上げるためには、すき間を少なくして空気の出入りを遮断する気密性能も重要です。
家の中には窓やドアといった開口部の他にもコンセントボックスの周辺などにすき間があり、何もしなければそこから空気が出入りしてしまいます。気密性能を高めることによってこういったすき間が少なくなれば、空気が出入りしにくくなるため、室内をいつでも一定の快適な温度に保つことができるようになります。
建物にどれくらいのすき間があるのか?を示す目安となるものとしては「C値(相当隙間面積)」があります。
数値が小さいほど、すき間の少ない高気密な家であるといえます。高気密住宅といわれる家のC値は、一般的に1.0以下であるとされています。「C値=1.0」は「床面積1平方メートルあたりに1センチ平方メートルのすき間があること」を示します。
高断熱・高気密な家づくりをする際には「C値=1.0以下」がひとつの目安になります。
あわせて読みたい>>家は見えない所が一番大切
換気・通風を計画する
断熱等級の高い住宅においては適切な換気に加えて、通風も大切な要素になってきます。
断熱性能と気密性能を高めた「高気密高断熱住宅」であれば、室内がいわゆる「魔法瓶」状態になります。室温は冷暖房による涼しさ・暖かさを維持しやすくなりますが、その一方で換気がキチンとできていなければ、空気の流入も行われなくなります。そうなると屋内外での空気循環も起こりにくくなるため、屋内に汚れた空気や湿気を閉じ込めることにもなってしまいます。それが原因でカビやダニの発生、さらには結露まで起こる可能性があります。
この問題を防ぐためには、まずは計画換気が大切です。現在の新築においては24時間の換気システム導入は必須となっていますが、住宅の面積や間取り、気密性能に応じて第三種換気や第一種換気から最適なものを使用する計画を立てます。
第三種換気・第一種換気のいずれでも計画換気は可能となっていますが、熱交換型の換気システム(第一種換気)を採用すれば、冷暖房のエネルギー効率を維持しながら屋内に新鮮で綺麗な空気を保つこともできます。
その上で通風もしっかり検討しましょう。通風計画とは「自然の風の動きを計算すること」です。季節ごとに変化する風の動きを考慮して部屋の位置を決めたり、窓の大きさや位置、開閉方法を考えるといった工夫が求められます。特に暑い季節は「風が身体に当たることで涼しさを感じる」効果もありますが、それ以外に「室内に溜まった熱を排出させる」目的もあります。軒天や基礎パッキンから入る風も考慮すれば、小屋裏や床下の換気効率を高めることにも繋がります。
適切な換気・通風計画は、快適で健康的な居住空間を維持するためにも重要です。断熱等級を上げる際には換気・通風計画もしっかり検討するようにしましょう。
6.断熱等級の高い住まいを実現したお客さまの声
ここからは「家づくり学校」を利用して、注文住宅で後悔しないためのポイントを事前に学んで「断熱等級の高い住まい」を建てられた方の成功事例をご紹介します。
ランニングコストを抑えたQOLの上がる家
兵庫県姫路市 Tさんファミリー
家づくり学校を利用してみてのご感想・口コミ
自分たちでもいろいろと調べていたのですが、もっと知識を得た上で進めていこうと思い、「家づくり学校」を訪問しました。提案してくれた住宅会社はどこも性能面に優れていましたし、会社選びに迷っていた際にもアドバイスしてくださり、とても心強かったです。
マイホームを実現された喜びを一言
一軒家になって広くなったのに賃貸の時と比べて光熱費が大きく上がっていなくて、日々省エネを実感しています。
耐震と気密で大きな安心を紡ぐ平屋
埼玉県坂戸市 Tさんファミリー
家づくり学校を利用してみてのご感想・口コミ
チラシで「家づくり学校」が無料相談をしていると知り、伺いました。初心者が勉強できる場所だと思いました。間取りや設備にはこだわりがありましたが、性能の重要性をレクチャーで学び、最優先課題に。アドバイザーさんが予算や性能面を踏まえて会社を提案してくれたので、効率的に検討できました。
マイホームを実現された喜びを一言
引っ越し前ですが、外がすごく暑い日でも室内は涼しくて、エアコンをつけたら即冷えるのにも感動!賃貸とは大違いです。賃貸では電気ガス合わせて年間平均15000円くらいはかかっているので、これからどんなふうになるのか楽しみです。
7.断熱等級の高い住宅を手掛けるハウスメーカーの一例
ここからは、断熱等級の高い家づくりを手がけるハウスメーカー・工務店の特徴についてご紹介していきます。
会社名 | 特徴 |
セキスイハイム | 断熱等級6を標準化。断熱材には、繊維の密度が高い高性能グラスウールを採用しており、工場で充填することでズレがなく確実に断熱性能を発揮する。また、標準仕様の窓はアルミ樹脂複合サッシのペアガラスだが、オプションで樹脂サッシのトリプルガラスに変更が可能。 |
一条工務店 | 「家は、性能。」をキャッチコピーに、住宅の断熱・気密性能に特化。外内ダブル断熱構法は断熱等級7まで対応。さらに、住宅の断熱性能に大きく影響する窓は「樹脂サッシトリプルガラス」を標準仕様としている。 |
ダイワハウス | 鉄骨と木造の両方の商品を扱っており、鉄骨・木造いずれも付加断熱を採用し、断熱性能を高めている。鉄骨・木造で選べる断熱性能が異なり、木造住宅の方が性能が高い。木造住宅「xevo GranWood」は、断熱性能の最高等級である7まで対応している。 |
積水ハウス | 天井・壁・床それぞれに適した断熱材を使用し、家全体のバランスを考えた設計をすることで熱を逃さない「夏涼しく冬暖かい家」を実現している。また予算や希望に合わせて断熱仕様を変えられる仕組みがあるほか、ガラスメーカーのAGCとのコラボ商品である「SAJサッシ」を標準採用とするなど、断熱性能の高い家づくりに力を入れている。 |
タマホーム | 多彩な商品ラインナップの中ではG3水準UA値0.23W/(㎡・K)を実現した、高耐候・高耐久・高断熱・高気密・省エネ仕様の住まい「えがおの家」を展開。「外壁ダブル断熱」「基礎ダブル断熱」「樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラス」を採用。断熱・気密性能を向上させることで熱損失を防ぎ、室内の温度むらを小さくして、夏も冬も快適に暮らすことができる。 |
断熱等級6以上!断熱性能にこだわりがある工務店の一例
「工務店で断熱等級6以上の高断熱住宅を建てたい」と思っていても、工務店の数は非常に多く、どんな家づくりをしているか表面的な情報では見分けるのが難しいものです。
そこで本章では「家づくり学校」が断熱性・気密性などを詳細にヒアリングし、直接現場を体感して確かめた、技術力の高い工務店をご紹介します。ぜひ、これからの家づくりの参考にしてみてください。
工務店の掲載情報は、「家づくり学校」(株式会社KG情報)が発行する住宅情報誌『家づくりの本(家づくりの教科書)』からピックアップしています。家づくりの進め方や住宅予算の考え方、最新の住宅トレンド、間取りの実例・ポイント、施工事例集など、家づくりを始める前に知っておくべきノウハウや知識をわかりやすく解説した一冊です。こちらの情報誌はこれから家づくりを始める方、家づくりについて勉強したい方へ向けて無料でお届けしています。
ぜひ受け取ってこれからの家づくりにお役立てください!
サンエム建設【埼玉県】
- 住所:埼玉県ふじみ野市大井中央2-11-2
- 電話番号:049-264-3170
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
断熱・気密性能を高め、健康住宅の取り組みを行っているサンエム建設。断熱等級7、C値0.2㎠/㎡を実現。パッシブデザインも取り入れ、快適性・省エネ性をとことん追求した家を提案しています。お部屋の臭いを吸着してくれる漆喰を使用するなど、自然素材にもこだわっています。
松尾建設【神奈川県】
- 住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸南3-1-15
- 電話番号:0467-85-7118
- 営業時間:10:00~19:00
会社の特徴
松尾建設は、全棟で気密測定を実施し、高気密高断熱の省エネで夏涼しく冬暖かい快適な家づくりを実現しています。また、自然素材や造作家具など、デザインにもこだわった家づくりを得意としています。家本体や外構の他、土地造成なども全て自社で一貫して行うのも強みです。
望月建業【山梨県】
- 住所:山梨県笛吹市石和町上平井844-3
- 電話番号:055-263-1234
- 営業時間:8:00~19:00
会社の特徴
望月建業は専属大工10名以上と卓越した職人集団を抱える地域工務店です。構造材には全て天然木材を採用し、自由設計から規格住宅まで、木の特性を生かして部材を選定します。自ら木を刻む職人が手掛ける住宅で、木の息吹に包まれた住まい手にとって価値のある木の家を実現してくれます。
ビオラホーム【兵庫県】
- 住所:兵庫県姫路市日出町3丁目18-2
- 電話番号:079-239-2020
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
ビオラホームは「性能」「デザイン」「コスト」はどれも家づくりに大切な要素であると考え、建築家との家づくりをコストを抑えて実現しています。気密測定は全棟実施し、C値0.4㎠/㎡、断熱等級6の高気密高断熱住宅です。
まきび住建【岡山県】
- 住所:岡山県岡山市南区浦安本町89-9
- 電話番号:086-264-3133
- 営業時間:8:00~17:00(水曜定休)
会社の特徴
まきび住建はコストを抑えて性能面・機能面を重視した家づくりを手がける地域密着型の工務店です。緻密な計算を行い、適材適所の部材配置を行う設計手法で、コストを抑えながらもパッシブデザイン住宅を実現します。また、地域密着の強みを活かした不動産部隊もあり、土地の相談にも乗ってもらえます。
きよかわ【広島県】
- 住所:広島県広島市安佐北区可部2-13-31
- 電話番号:082-815-6080
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
きよかわは断熱性能は断熱等級6を標準とし、気密性能は全棟気密測定を行い、C値0.5㎠/㎡以下を保証します。パッシブデザインを取り入れ、冬は窓の位置を計算して日射取得、夏はきよかわオリジナルのRの軒を大きくとるなどして日射遮蔽をしています。
田中工務店【香川県】
- 住所:香川県高松市上天神町686-1
- 電話番号:087-869-7703
- 営業時間:10:00~17:00
会社の特徴
田中工務店は性能重視の家づくりにこだわり、断熱等級6の高性能な家づくりに取り組んでいます。気密測定も全棟で実施しており、事務所兼モデルハウスでその住み心地を体感できます。スタッフは現場を知り尽くした現場監理のプロで、高品質な住まいをかなえてくれます。
ミヤホーム【愛媛県】
- 住所:愛媛県松山市土居町1000-4
- 電話番号:089-905-1579
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
ミヤホームは高気密高断熱は必須条件と考え、全棟断熱等級6以上、C値0.3㎠/㎡を平均に家づくりを行います。また漆喰や無垢材なども積極的に取り入れ、調湿性の高い家を実現してくれます。耐震等級3+制震筋交いダンパーで安心・安全な家にしてくれるのも魅力的です。
上記で取り上げた工務店はあくまでも一例です。家づくり学校ではご家族それぞれにあった住宅会社をご提案・ご紹介しております。
個別相談ではご家族ごとの無理のない予算を一緒に考え、アドバイス。要望や予算に合わせて住宅会社をご提案し、見学訪問の手配まで行っております。ご利用は全て無料。お気軽にお問合せください!
8.断熱等級を高めることで受けられる補助金
現在、国はZEH住宅の普及に力を入れていることもあって、さまざまな補助金制度が用意されています。ここからは断熱等級を高めた家づくりを行うことで活用できる補助金制度について説明します。
ZEH基準を満たした場合の補助金
ZEH住宅として認定されることで適用される補助金制度としては、以下のようなものがあります。
事業名称 | 補助額(限度額) |
子育てエコホーム支援事業 |
長期優良住宅:1住戸につき100万円。ZEH水準住宅:1住戸につき80万円。 |
地域型住宅グリーン化事業 |
140万円/戸。 |
ZEH支援事業 |
ZEH住宅:55万円/戸。ZEH+住宅:100万円/戸。 |
LCCM住宅整備推進事業 |
140万円/戸。 |
断熱リフォームを行った時の補助金
新築に限らず、リフォームでも補助金制度を活用することができます。ここでは国が提供する補助金制度を中心に代表的なものをご紹介します。
事業名称 | 補助額(限度額) |
子育てエコホーム支援事業 |
子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円/戸。※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は上限60万円/戸 |
既存住宅の断熱リフォーム支援事業 |
戸建住宅:120万円/戸。 |
先進的窓リノベ2024事業 |
1戸あたり200万円。 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
評価基準型:1住戸につき80万円。認定長期優良住宅型:1住戸につき160万円。 ※三世代同居対応改修工事を実施する場合/若者・子育て世帯が改修工事を実施する場合/既存住宅を購入し改修工事を実施する場合のいずれかだと50万円を上限に加算 |
令和6年度 次世代省エネ建材の実証支援事業 |
外張り断熱(外断):最大400万円/戸。内張り断熱(内断):最大200万円/戸。窓断熱(窓):最大150万円/戸。 |
※上表の補助金制度はいずれも2024年9月現在のもの
年度ごとに予算・制度内容は見直されており、毎年一定の時期に申請も締め切られています。締め切り前でも予算額に到達する見込みになった時点で、申請受付を終了する可能性もあります。
また、補助金制度それぞれでも併用ができるもの・できないものがあります。加えて補助金制度の適用を受けるためには、断熱等級以外にもさまざまな要件があります。詳しくは各補助金制度のwebサイトも参照ください。
9.まとめ
本記事では健康で快適に暮らせる家を建てる上で、どこまで断熱性能を高めるべきか?について詳しく解説してきました。
これまでにご説明した通り、2022年に「住宅性能表示制度」が改正されたこともあって日本の家づくりは今、大きな転換期を迎えているといっても過言ではありません。「高断熱住宅」を建てることは、快適な環境の中で健康的に生きていくための絶対的に必要な「手段」であるともいえます。
断熱性能が上がれば冷暖房費を下げられることはもちろん、その分だけ地球にも優しい家となります。さらにいえば近年の電気料金の高騰を鑑みても、断熱性能を高めた家づくりは経済的にも重要性が高いといえるでしょう。
なのでコストがある程度かかったとしても、断熱性能の高い家づくりをするべきです。具体的な目安としては「断熱等級6」以上、できれば「断熱等級7」の家づくりを目指すことが、先を見据えた家づくりにおいても最善策であるといえるのではないでしょうか?
もちろん、家づくりは千差万別です。人によって住宅に求めるものや理想の住まいのカタチは全く異なりますし、絶対的な正解というものもありません。ただそれでも『後悔しない家づくり』を実現するためには、普遍的に押さえておくべきポイントというものはあります。ネットや書籍などでそういった情報を収集することも大切ですが、情報過多の現在では「結局、どうすればよいの…?」と迷ってしまわれる方も少なくありません。
家づくりに迷われたら、ぜひお近くの家づくり学校へご相談ください。家づくり学校のアドバイザーがお客さまと共に「家づくりの基準」を作るお手伝いをさせていただきます。
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