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注文住宅の基本知識

後悔しない家づくりのポイント

2023.11.24

家づくり学校

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後悔しない家づくりのポイント

家づくりは人生で一番大きな買い物ですが、建てた後、何かしらの後悔や失敗をしている方がとても多いようです。その後悔の原因とは、すべて「知らずして選択したこと」にあります。

後悔しない家づくりを行うためには、家づくりの基本知識を学び、賢く選択していけるよう「家づくりの基準」を身につけることが大切です。

STEP:1では無理のない住宅予算の立て方について解説しました。

この記事では、後悔しない家づくりのポイントを解説していきます。これから家づくりを行う方は必見の内容です。

 

1.デザインと性能のバランスを考える

家づくりを考え始めたらまず目が行くのがデザインだと思います。例えば、大きな窓を使った家や吹き抜けがある家はセンスがよく、開放感があって憧れるという方も多いと思います。

大きな窓がたくさんあって開放的な住宅

天井高の吹き抜けで開放的なリビング

一見、明るく開放的でとても良い家に見えますが・・・・・・開放感にこだわるあまり、開口部を大きく取りすぎると、室内の温熱環境に影響が出る場合があります。

廊下の温度も低くて非常に寒い住宅 厳寒のリビングで厚着をして寒さを凌ぐ

下の図は、熱がどのような割合で逃げて、入ってくるかを表したものですが、家の中で熱の出入りが一番大きいのは、実は「窓」なのです。

熱の出入りは開口部・窓が大部分を占める

※上記数値はYKK AP株式会社算出 いずれもアルミ窓(複層ガラス)の場合

夏…8月5日 14時~15時(日平均外気温最大日)、東京

冬…2月14日5時~6時(日平均外気音最低日)、東京

 

冬は約50%熱が窓から外に逃げ、夏は約74%の熱が窓から家の中に入ってきます。

何も対策を取らずに開放感を求めるあまり大きな窓を計画すると、冬寒く夏暑い家になってしまいます。

吹き抜けについても開放感はグンと上がりますが、冬は足元が寒い家になりがちです。そうならないためにも住宅性能を上げる必要があります。

他にも奇抜な設計にすると、住み心地が損なわれてしまうこともあります。これから長く住む住空間なので、デザインだけではなく「性能」を高めることも意識しましょう。

 

2.持続可能に暮らせる家を建てるための5つの条件

安心・安全、快適で住み心地が良く、省エネで生涯にわたって持続可能に住み続けることができる家にするためにはどのような点に気を付ければいいでしょうか?

ここでは5つのポイントを解説します。

 

①地震に強い家にする

1つ目のポイントは地震に強い家にすることです。

地震に対する建物の強度を示す指標として「耐震等級」というものがあります。耐震等級によってランクが3段階に分かれており、数字が大きいほど建物の耐震性能が高いことを表しています。

【耐震等級1】

「耐震等級1」は、建築基準法で定められた、備わっているべき最低限の耐震性能を満たしていることを示すものです。震度6強から7に相当する大地震に耐えうる強度を持つように計算されています。

注意点としては、震度6強から7の大地震に耐えられたとしても、躯体の変形などが起こってしまうので、住み続けるのは困難になるということです。

また、ここで定められた「震度」というのは、実際に生じた地震の性質によって変わってくるため、あくまでひとつの目安として考えるべきです。

【耐震等級2】

「耐震等級2」は、耐震等級1の1.25倍の耐震強度があることを示しています。

災害時の避難場所として指定される学校や病院・警察などの公共施設は、必ず耐震等級2以上の強度を持つことが定められています。

【耐震等級3】

「耐震等級3」は、耐震等級1の1.5倍の耐震強度があることを示しています。

住宅性能表示制度で定められた耐震性の中でも最も高いレベルであり、災害時の救護活動などで拠点となる消防署・警察署などは、その多くが耐震等級3で建設されています。

また、「長期優良住宅」として認定されるには、耐震等級3である必要があります。

 

耐震等級3は必須

日本は「地震大国」です。

1995年には阪神淡路大震災、2011年には東日本大震災、2016年には熊本地震など、数多くの地震が起こっています。

また、数十年後には西日本を中心に甚大な被害が予想される「南海トラフ巨大地震」や「首都直下地震」も起こるといわれており、地震への備えは必要不可欠となっています。

上記でも述べたように、耐震等級3だと、耐震等級1の1.5倍の強度になり、たとえ震度6~7の地震が起こっても命を守ることができ、家自体も軽微な補修で住み続けることができる強度とされています。

 

建築時に耐震等級を確認する

住宅会社ごとに定められた耐震等級を必ず確認しましょう。いまだに「等級1で十分です」という会社がありますので要注意です。下回る基準の場合は耐震等級3にしてもらえるよう求めてみてください。

 

許容応力度計算で耐震等級3を証明

構造計算(許応力度計算)

耐震等級3にもさまざまな計測方法があります。壁量の簡易計算による耐震等級3もあれば、柱一本一本の強度に基づいた構造計算を行い、耐震等級3を証明する「許容応力度計算」までしてくれる会社もあります。

 

ウォールスタッドでシミュレーション

ウォールスタッドのシミュレーション図

さらに、許容応力度計算された構造体を過去に起こった地震の波動をPC内にて再現して、実際に倒壊するかをシミュレーションできるソフト(ウォールスタッド)で確認している会社もあります。構造計算を行い、地震ソフトで倒壊シミュレーションまでしてくれる会社はとても信頼性が高いと言えます。

安心・安全な家を建てるためにも、耐震等級3にすることをお勧めします。

 

②耐久性の高い家にする

2つ目のポイントは、なるべく長持ちする耐久性の高い家にすることです。

「耐久性が高い家」とは腐食に強い家のこと。腐食は建物の外部からくるものと内部からくるものがあります。内部からくる腐食の原因は結露ですが、これについてはSTEP3でお伝えします。

ここでは、外部からの腐食を防ぐにはどういう部材を使うべきかを解説します。

建物外部の耐久性を上げるには、外壁や屋根材を「メンテナンスフリーな素材」にすることが理想です。

 

屋根材の耐久性は瓦が最も高い

屋根の種類を例に考えてみましょう。

屋根材にはガルバリウム鋼板やスレート、瓦などさまざまな種類があります。軽量で地震に強いということでよくつかわれるガルバリウム鋼板

軽量かつ安価でカラーバリエーションも豊富なスレート屋根

釉薬を塗って焼き上げることで高耐久を実現する陶器製の瓦

デザイン性や重さ、また太陽光パネルの乗せやすさなど、それぞれの屋根材でメリットとデメリットがありますが、耐久性という観点においては瓦が最も優れています。

初期費用を少しでも抑えるために耐久性のない素材を選んでしまうと、後からリフォームによるお金がかかります。特に屋根の葺き替えは高額になります。初期費用が少し高くても、後々の費用負担が大きくならないようなメンテナンスフリーの素材の選択をするのも一つの考え方です。

 

③体に悪いものを使わない

3つ目のポイントは、体に悪い素材は極力使わないことです。そのための一つの方法が床材や内装材を自然素材・自然由来なもので仕上げるということです。

例えば、新築を建てる際に使われる新建材には、安全基準を満たしているとはいえ「ホルムアルデヒド」や「アセトアルデヒド」といった有害物質が含まれています。

これらの物質はシックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康被害の原因にもなりかねませんので、できるだけ利用を避けるようにしましょう。

せっかく建てた家で体調不良を起こしてしまっては元も子もありません。なるべく自然素材や自然由来なものを選ぶようにしましょう。

肌触りも心地よい自然由来の無垢材・床材

④断熱・気密性能を高める

3つ目のポイントは、断熱・気密性能を高めることです。

快適で省エネな家にするには断熱性能と気密性能が必要不可欠です。

断熱・気密性能について詳しくはSTEP3で解説しています。

気密性能は省エネ基準やZEH要件にも具体的な数値は示されていませんが、いくら断熱性能を高めても、家の中に隙間が多ければ快適で省エネな家にはなりません。

 

⑤丁寧に施工する会社を選ぶ

5つめのポイントは「丁寧に施工する会社を選ぶ」ことです。これは①~⑤の中で、最も大事なポイントと言えます。

どんなに良い工法や素材を使おうと、丁寧に施工がされなければ効果は出ないからです。

例えば、断熱材が丁寧に施工されていなければどうなるでしょうか?

スイッチボックスを避けて設置されている施工不良の断熱材

上の画像はスイッチボックスの周りに断熱材が施工されている様子です。スイッチボックスの周りに大きな隙間があります。このような隙間があると熱が出入りし、冬寒く夏暑い家になってしまいます。

丁寧な施工をされていないと断熱・気密性能を高めることができないのです。

また、隙間が空いている家は結露が発生し、この結露が原因で家の耐久性が損なわれ、健康被害も出てきます。

結露の被害についてはSTEP3で解説しています。

コンセントボックス周りの正しい断熱施工例

正しい施工方法は、気密シートをコンセントボックスの形に合わせてカットして、断熱材はコンセントボックスの裏側に格納し、気密テープで隙間を塞ぐことです。

特に断熱材はただ入れれば良いのではなく、隙間なくきちんと丁寧に入れることが肝心です。一カ所でも施工不良があるとスース―する家になり、気密性が保たれなくなります。必ず正しく施工する会社を選びましょう。

 

3.国の住宅政策を知る

現在、国では光熱費の値上がりやエネルギー不足など、住宅に関するさまざまな問題に対応するため、あらゆる政策を進めています。

こういった国の住宅政策を知ったうえで、家づくりをすることも後悔をなくすことができるポイントです。

本章では最新の住宅政策について解説します。

 

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは「長寿命で資産価値の高い家」と国から認められた住宅のことです。

日本の住宅は25年経つと価値がなくなると言われています。長期優良住宅認定制度が始まった背景としては、「国の資源不足」や「地球環境保全」といったことが挙げられます。従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会では限界があり、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会へ転換を目的として始まりました。

長期優良住宅の認定基準は以下の通りです。

【長期優良住宅の認定基準】

長期優良住宅の認定基準となる8つの要件

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅の認定を受けることで以下のようなメリットがあります。

【住宅の資産価値が上がる】

維持保全計画に基づき点検・修繕を行い、その記録を作成・保存する必要がありますが、修繕を記録・保管しておけば売却時の評価にもつながります。売却価格は長期優良住宅を取得しない住宅と比べて25~30%ほど高くなる想定になっています。

【金銭的な優遇を受けられる】

住宅ローン減税の限度額の引き上げや、登録免許税や不動産取得税、固定資産税の特例措置、国の住宅支援事業の補助金対象となるなどのメリットがあります。

 

長期優良住宅は取得するべき?判断基準は?

長期優良住宅は取得義務はありませんが、国の住宅政策の柱ですので、できれば取得しておくことをお勧めします。上記にある通り、長期優良住宅の認定を取得することで、金融機関の評価は高くなり売却価格が上がります。

将来的に家を売ったり貸したりと、ご自宅を運用する可能性があるご世帯は取得しておくことをお勧めします。

 

省エネ基準とは?

日本では2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、国を挙げた住宅省エネ化の取り組みが急速に進んでいます。

住宅の省エネルギー化は「省エネ基準」という指標を元に推進されています。「省エネ基準」とは一定の断熱性能の基準「UA値(外皮平均熱還流率)」と「ηAC値(冷房期平均日射熱取得率)」をクリアした上で、設備機器も含めた住宅全体の省エネ性を評価するものです。

これは長期優良住宅の認定基準の一つにもなっています。

断熱等性能等級

これからの家づくりで目指すべき断熱等級について

断熱性能の指標は、上の図のように全国を8つの地域に分け、UA値とηAC値、一次エネルギー消費量の基準で定めています。

現在、住宅性能表示制度による断熱等性能等級と「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が示しているHEAT20 G1・G2・G3があります。

現在の省エネ基準は等級4と決まっており、2025年4月(予定)から原則全ての新築住宅に省エネ基準の適合が義務化されます。

住宅建築の最終目標はLCCM住宅

さらに、2030年度には省エネ基準を等級4から等級5に引き上げる予定で、長期優良住宅、低炭素住宅の認定基準はすでに先行して等級5に引き上げられました。

現在の省エネ基準(等級4)はクリアすべき最低レベルとなり、これからはZEH基準を上回る等級6,7といった高い断熱性能がスタンダードとなります。

 

ZEHとは?

ZEH住宅を実現するための3要件「断熱」「省エネ」「創エネ」

ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。

断熱性能を向上させ冬暖かく夏涼しい室内環境にして、さらに高効率な設備機器により省エネ化を図ります。その上で太陽光発電システムなど再生可能エネルギー等を組み合わせて創エネし、年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロ以下にする住宅のことです。

住宅建築において国が掲げるロードマップ

国は2030年までに全ての新築住宅の平均でZEHを実現することを目指しています。

ZEHの要件①:断熱性能の向上

断熱材をきちんと施工することで断熱性能を向上させ、エネルギーロスを最小限に抑えて冬暖かく夏涼しい住まいにします。断熱性能とともに欠かせない気密性能については具体的な数値は示されていませんが、いくら厚い断熱材を使用して基準をクリアしていたとしても、隙間がある状態では断熱材は本来の力を発揮できません。

ZEHの種類についてはSTEP4で解説しています

気密性能もしっかり高めることで、少ない消費エネルギーを少ない創エネでまかなうことができます。

ZEHの要件②:省エネ設備の導入

高効率エアコンや給湯・換気設備、照明を取り入れ、消費エネルギーを削減します。

省エネ基準の標準的な住宅と比べて、創エネ分を除いた一次エネルギー消費量の削減率が20%以上となることがZEH基準となります。

ZEHの要件③:創エネ設備の導入

太陽光発電システムを搭載し、この発電量と省エネ設備による削減分をあわせた状態で、省エネ基準の標準的な住宅に比べて一次エネルギー消費量の削減率が100%以上となることが求められます。

BELS(ベルス)とは?

BELS制度の表示ラベル

「BELS」とは「建築物省エネルギー性能表示制度」とも呼ばれ省エネルギー性能を星5つで表示するものです。星の数が多いほど省エネルギーな住宅であることを表しています。補助金の条件にもなりましたので併せて取りたい内容です。

「省エネ性能ラベル」の表示義務化とは?

「省エネ性能ラベル」の見本

2024年度より賃貸住宅、建売住宅、中古住宅については省エネ性能ラベルの表示が義務化になります。
断熱性能と年間光熱費目安を表示する時代に。住宅に対する省エネ性と光熱費への意識が一気に高まることが予想されています。

ゼロエネ化を実現するために削減するエネルギーとは

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)にするためには、家の中で使うエネルギーを省エネ化して、創エネしていきます。では、まずはどのエネルギーを削減するべきでしょうか?

年間の一次エネルギー消費量削減がZEH住宅実現の条件
上の図を見ていただければ分かりますが、省エネ効果が高いのは給湯と暖房です。給湯は高効率給湯器を使い省エネしますが、最も削減すべきは暖房エネルギーです。

言い換えると、冬、寒い家を建てると省エネ化はできないということです。

冬に寒い家を建てると省エネを実現することは難しい
過度な床暖房やホットカーペット、ファンヒーターやこたつを使わないと暖かく過ごせない家では、省エネな暮らしは実現できません。

理想は夏と同じように、冬でもエアコン一台で暖かい家にすることです。

昨今は電気料金の値上がりが続いています。これからは「光熱費のかからない家」にすることも必須条件になってきます。

 

4.家を建てた後に後悔するポイント

家を建てた後に何かしらの後悔をしている人はとても多いと聞きます。その数ですが、一説には約7割にも及ぶといいます。

では、実際にどのようなことで後悔しているのでしょうか?本章では具体的な後悔の事例を挙げていきます。

家を建てて後悔するポイントとは?(国土交通省平成25年資料参考)

上記のグラフは国土交通省の「住まいへの不満」を引用したものです。建材メーカーや民間団体による築後の住まいアンケートも色々ありますが、共通して上位に上がってくるのが、①住み心地のこと、②お金のこと、が見受けられます。

後悔は「住み心地」と「お金」

住み心地が悪くてお金がかかる家を建てると後悔がずっと続く

ズバリ後悔の原因の多くは、「暑い」「寒い」「結露する」といった住み心地に関することと、「光熱費がかかる」「住宅ローンを組みすぎた」というお金に関することです。

実は「北欧デザインや和モダンにしておけばよかった…」「もう少しスタイリッシュに仕上げればよかった…」というようなデザイン(見た目)に関する後悔はあまりないのです。

デザインは良くも悪くも生活していく中で慣れていきますが、住み心地やお金に関することは住み続ける以上、避けては通れない問題であり、歳を取れば取るほど大きな負担となり決して慣れることはないのです。

後悔しないためには住み心地がよくお金の掛からない家を建てること

ですので、「住み心地が良く、光熱費・修繕費のかからない家」を「無理のない予算で建てる」ことが後悔のない家づくりの根本原則と言えます。

一生に一度の家づくりでデザインにもしっかりとこだわることは大事な要素。ただし、住み心地やお金のことも考えて選択しましょう。

 

5.住宅内で引き起こされる事故「ヒートショック」とは?

住宅内は決して安全な場所ではありません。冬の寒い日には「ヒートショック」という仮定内事故が頻発しています。

「ヒートショック」とは、家の中での急激な温度差によって血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことを言います。

ヒートショックはお風呂場で発生することが多い

冬の寒いお風呂場など温度差があるところで高齢者や、疾患を持っている方に多く発症しています。

交通事故死亡者の約5倍、ヒートショックが原因で亡くなっている

その死亡者数は年間約17000人以上で、交通事故では年間3000人弱の方が亡くなっていますが、ヒートショックはその5倍以上が亡くなっているということになります。

全国のヒートショックの割合から見る断熱の意識

日本は北と南で大きく気温が違います。それに伴ってヒートショックの件数も変わってきます。

ヒートショックに関する47都道府県のワーストグラフ

上の図は47都道府県でどのぐらいの割合でヒートショックが起こったのかを示した図です。北海道や東北などの寒冷な地域ではあまり発生していませんね。

この理由は、北海道や東北などの寒冷な地域では断熱対策をしないと住めないため、断熱の意識が高いから、と言えるでしょう。

一方で、最も件数が多いのは香川県で、次いで兵庫県、滋賀県、東京都、和歌山県、愛媛県といった比較的温暖な6地域が上位。これは温暖な地域であるがゆえに、断熱対策が十分に取られておらず、家庭内事故が多発しているということが考えられます。

断熱不良によってリビング床面が非常に低い温度帯に

厳寒のリビングでは厚着をして寒さを凌ぐ必要がある

上の図は日本における比較的温暖である6地域における一般的な住宅の温度をサーモグラフィで表した図です。温暖な地域でも断熱対策は必須です。

しかし、日本のほとんどの地域では断熱対策が十分であるとは言えず、ヒートショックが頻発してしまっている現状があります。

 

ヒートショックの防止方法

 ヒートショックは部屋の中の温度差があること原因で発生します。

20度以上の室温低下がヒートショックの原因に

ヒートショックは20℃以上の温度差がトリガーとなるので、冷暖房している室内から冷暖房していない廊下やトイレなどに移動する時には注意が必要です。

特に、お風呂はもっとも危険な場所であり、冷え込みやすい脱衣所や浴室内は暖房器具で暖めることが効果的です。

ただし、根本的な原因は断熱性能の低さによる温度差ですから、これをなくすことが最善の防止方法。

断熱性能については次章、STEP3「家は見えないところが一番大切」で解説していきます。

断熱性能を高め、ヒートショックの起こらないような家づくりをしましょう。

 

6.まとめ

いかがでしたか。

本章、STEP2「後悔しない家づくりのポイント」では、後悔しない為の家づくり知識をさまざまな観点から解説しました。

  • デザインと性能のバランスを考えることが大切です。大きな窓や吹き抜けを設け、開放感を上げすぎると住み心地が損なわれてしまう可能性がありますので、デザインや解放感にこだわりたい場合は、必ず性能を上げることをお忘れなく。
  • 良い家を建てるための5つの条件を押さえて家づくりをしましょう。その中でも「丁寧に施工できる会社を選ぶこと」は最も重要です。
  • 国の住宅政策を知って、これから当たり前になる家づくりの基準を満たすような家にしましょう。
  • 家づくり後悔の原因は「住み心地」と「お金」です。住み心地の良い、お金のかからない家にしましょう。
  • 住宅内で起こる怖い事故「ヒートショック」。防ぐためには温度差の少ない家にしましょう。

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家づくり学校では、この他にも後悔しないための家づくりのポイントを詳しく解説しています。これから家づくりをお考えの方はぜひ、最初の一歩として家づくり学校をご利用ください。

また、いろいろ訪問してみたけど迷ってしまった方も上手に家づくり学校をご活用ください。後悔しない家づくりを実践している施工技術の高い住宅会社情報をしっかり取り揃えてお待ちしております。

引き続きですが、後悔しない家づくりをするためにはキチンとした家の造り方を知っておく必要があります。「大切なことは目に見えない」ということわざがありますが、これは家づくりのためにあるような言葉です。

次章、STEP3「家は見えないところが一番大切」でしっかり紐解いていきます。

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