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土地探し・不動産

賢い土地の探し方

2023.08.28

賢い土地の探し方

家づくり計画において「どんな土地に建てるのか」ということは、とても重要なポイントの一つです。だからこそ「とにかく土地を見つけないと家づくりが始まらない」と思って動いていらっしゃる方も多く見受けます。

ただし、土地探しを優先しすぎるあまり、思わぬ落とし穴にはまって家づくりが失敗するというケースもあります。

そうならないためにも、本記事では土地取得の基本知識から、失敗しない賢い土地探し方を解説します。

1.土地予算の考え方

注文住宅を建てる場合、土地を所有しているケースを除き、土地と建物の両方を購入する必要があります。

本章では無理のない適正な土地予算の考え方について解説します。

土地と住宅の適正な予算配分を考える

適正な土地予算を考えるためには、土地だけ先に決めるのではなく、土地費用と住宅の建築費用を合わせた無理のない総予算を考える必要があります。

総予算が決まっていないと、土地と住宅の適正配分が分からないからです。

無理のない適正な予算の立て方・考え方については、「無理のない住宅予算の立て方」で解説しています。

そして、一般的な土地と建物の予算の配分は、土地3割、住宅7割程度が適当とされています。

【例】総予算が4000万の場合、土地費用は約1200万円、住宅の建築費用が約2800万円が適当。

このように、土地を決めた後「建築費の予算が足りない…」ということにならないためにも、総予算の何割程度を土地の予算に充てるかをあらかじめ決めておくことが大切です。

土地ではなく住宅にお金をかける

総予算のうち、土地費用に多くかけてしまうと住宅にかけられる予算が少なくなり、理想とする注文住宅が建てられないなどの懸念が発生します。

そうなると、冬寒く夏熱い、光熱費のかかる住宅を建てることになる可能性もあります。

「後悔しない家づくりのポイント」では国の住宅政策を踏まえ、これから建てるべき持続可能な家づくりを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

優先したいポイントは人それぞれで異なりますが、基本的には住宅にお金をかけることで、無理のない良い家づくり計画になります。

土地予算は「総予算-建築費用」で考える

土地予算は「総予算-建築費用」で考えるのが正攻法です。つまり、無理のない適正な予算立てを行った後は、建てたい家がいくらになるのか目星を付ける必要があります。

住宅の具体的な金額が分かることで、住めるエリアと購入できる広さが見えてきます。

とはいえ、「多少費用がかかっても周辺環境や利便性を重視したい」というケースもあると思います。その場合、土地費用と建築費用は別で考える必要があります。

ただし、土地の条件を上げすぎると、大きく予算オーバーになりかねません。バランスを考えて検討することが大切です。

2.土地探しの進め方

本章では土地探しの進め方について解説します。

基本的な流れとしては、以下の通りです。

①住みたいエリアを決める。

②エリアの土地情報を収集する。

③収集した情報の中から絞り込んだ上で土地を見に行く。

検討している土地を吟味する様子

土地はやみくもに見すぎると予算と条件が上がるばかりで、決められなくなります。土地情報の段階で「これ!」と思う候補を絞り込んでから見に行きましょう。

希望の7割を満たしていたら購入

土地を見つけられない方に多いパターンが「こだわりが強く妥協できない」というものです。もちろん、自分たちの予算内で条件を満たす土地が購入できるのが最も良いのですが、そのような土地はなかなかありません。

100%の条件を満たす土地はないと理解して「希望の7割を満たせば購入!」ぐらいの気持ちで見に行くことが必要です。

良い土地は人気なので、多くの買い手がいます。希望する土地を見つけてもウカウカしていると購入することができません。土地購入はスピード勝負で、見つけたら即決することが大切です。

3.住宅会社と土地、どちらを先に決めるべき?

土地を購入して新築する人の多くが「まずは土地探し」と考えがちですが、これは違います。

失敗しない家づくりのためには住宅会社選びを先に行いましょう。

以下で、なぜ住宅会社から先に選ばなければならないのかを解説します。

住宅ローンは土地だけでは組めない

土地を見つけたら即断即決をすることが鉄則ですが、この判断をするためには住宅会社選びを済ませておく必要があります。

その理由の一つが住宅ローンの問題です。

土地を見つけ買付申込書を出すと、すぐに住宅ローンの事前審査に移ります。これは金融機関が「融資のできる人」かどうかを早い段階で見極め、契約までスムーズに運ぶために行うものです。

住宅ローンは「住宅を建てることに対しての融資」なので、土地だけでは組むことができません。事前審査の際には金融機関に建物プランや見積もりを見せる必要があります。当然ながら土地はあっても、住宅会社が決まっていないと、建物プランや見積もりは出てきません。

そして、土地の買付申込を提出してから売買契約までは、早ければ2週間とスピーディーに進行していきます。

ここでよくあるのが「急いで住宅会社を決めてしまう」というパターンです。

住宅会社の即断即決はNG

これから一生住むかもしれない家を建ててくれる住宅会社を数週間といった短期間で決めてしまって本当にいいのでしょうか?

この短い期間で良い住宅会社に巡りあえる可能性もありますが、残念ながら建てた後の後悔に繋がってしまうケースが非常に多いです。

土地を見つけたら即断即決するべきですが、住宅会社の即断即決はNGです。

住宅会社の契約は、見学会やモデルハウスに何度も訪問し、その会社がどんな家づくりをしているのか、保証やアフターケアなどをしっかりと確かめた上で決定するというのが鉄則です。

住宅会社を先に決めるメリット

住宅会社を先に決めることで大きく2つのメリットがあります。

  • 土地を建築のプロにチェックしてもらうことができる。
  • 土地情報が手に入る可能性がある。

以下でそれぞれのメリットについて解説します。

土地を建築のプロにチェックしてもらうことができる

価格や条件が希望通りでも、その土地に思い通りの建てたい家が建つとは限りません。なぜなら、建築基準法をはじめとするさまざまな法規制によって制限がかかっているからです。

また、法規制以外にも、道路や風向き・日当たり、隣地との境界線や高低差、ライフラインなども要チェックする必要があります。

頻発する地震や水害など自然災害のリスクや地盤強度も事前に確認しておかないと、その対策に想定外の費用がかかり、予算オーバーにもなりかねません。

住宅会社が決まっていると、このようなポイントを事前にチェックしてもらうことができます。候補地が見つかったら、検討している住宅会社に建築のプロの目線で土地を見てもらいアドバイスを受けましょう。

土地情報が手に入る可能性がある

住宅会社を先に検討することで、効率的に土地情報の収集ができるというメリットもあります。水面下の土地情報や一般には公開されていない情報が不動産会社や売主から直接、住宅会社に入るケースも多く、自分たちだけで探すよりも多くの情報から検討できます。

住宅会社選びと土地探しを同時に進める

住宅会社を1社に絞り込んだ後、土地探しをするというのは理想の流れですが、実際には1社に絞り込むのはなかなか難しいものです。

そこで「住宅会社選びと土地探しを同時に進める」ことで効率的に家づくりを行うことができます。

以下、進め方を解説します。

①住宅会社を2社程度に絞る。

②住宅会社や自分たちで探した土地情報の中から候補地を検討する。

③その土地を2社の建築のプロにチェックしてもらう。

④2社からプラン提案を受け、最終的に納得のいく住宅会社に決める。

効率が良い土地探しと住宅会社選びの進め方

 

土地が決まらないと建物プランや見積もりを出すことができません。

1社に絞れないのは最終的な金額やプランが曖昧だからです。同じ土地で2社からそれぞれ建物プラン・見積もりを出してもらうことで同条件で比較することができるので、納得のいく決断をすることができます。

住宅会社選びは先、もしくは土地探しと同時に進めて行きましょう。

4.土地情報の集め方

土地情報は次の4つの方法で集めることができます。

  • インターネットで探す
  • 現地に足を運ぶ
  • 不動産会社に依頼する
  • 住宅会社に依頼する
  • バイヤーズエージェントに依頼する

それぞれ方法について解説します。

インターネットで探す

不動産情報サイトなどを見て探す方法です。

インターネットであげられている情報量は非常に多く、手軽に調べることができるため、多くの方が最初に使う方法です。

ただし、インターネットにある情報がすべて最新のものとは限りません。基本的には水面下で動いている最新の土地情報はインターネットには掲載されていないことが多いです。

また、掲載しているサイトによっては、情報の更新が行われていない場合もあります。そのため、見つけて問い合わせをした際には、申し込みが入っていたり、すでに契約済みの場合もあるため注意が必要です。

現地に足を運ぶ

自分で現地に足を運んで土地を探すのも一つの手です。

実はこの方法はかなり有効的で、野立看板や区画整理・造成現場、空き地など調べることで、表には出ていない良い土地情報を入手できる場合もあります。

気になる土地が見つかれば、不動産会社に依頼をして、情報を教えてもらったり調べてもらったりすることができます。

必ずしも良い土地が見つかるわけではありませんが、建てたいエリアの下見も兼ねて現地を見てみることをおすすめします。

不動産会社に依頼する

土地や家といった不動産売買の専門家と言えば、不動産会社です。プロに任せることで良い土地情報が手に入る可能性があります。

ただし、不動産会社に土地探しを依頼する場合は、どの不動産会社に頼むかが重要なポイントになります。

不動産会社によっては、希望するエリアの情報を十分に持っていないところもあります。

また、そもそも土地の売買を得意としていない会社もあるので、不動産会社に土地探しを依頼する際には、何を得意としている不動産会社なのかを見極めたうえで依頼しましょう。

住宅会社に依頼する

住宅会社を先に決めるメリットでも解説したように、ハウスメーカーや工務店が土地情報を提供してくれるケースもあります。

建築を依頼する住宅会社の候補がある場合は、土地探しも一緒に依頼しておくことをおすすめします。

また、住宅会社によっては、決められた期間内にその住宅会社で家を建てるといった条件が付けられた「建築条件付土地」を所有していることもあります。

ただし、土地探しを住宅会社に頼ってばかりいるとなかなか見つからないので、自分たちでも情報収集することが大切です。

バイヤーズエージェントに依頼する

バイヤーズエージェントとは、買主の意向に沿った形で不動産取引を成立させる専門のエージェントです。

土地探しをしてくれるだけでなく、購入のサポートやアドバイスなどもして抱くことができます。こういった専属エージェントを活用して土地情報を収集するのも一つの手です。

バイヤーズエージェントを入れた場合の不動産取引についてはこちらから。

5.土地購入の流れ

土地購入の流れにはさまざまな段階があります。法令などの複雑なこともあるので注意しながら進めていくことが大切です。

土地購入の大まかな流れとしては以下の通りです。

①買付証明書を提出

②住宅ローンの事前審査

③土地の売買契約の締結

④住宅ローンの本審査

⑤引き渡し・残金支払い

本章では、それぞれのポイントや注意点について解説します。

①買付証明書を提出

気に入った土地が見つかったら、まずは買付証明書を提出します。

これは物件の購入希望者が売主に対して「物件を○○円で購入したいです」という意思表示を行う書類です。あくまでも「購入申し込み」という意味の書類なので金銭のやり取りは発生しません。

値下げ交渉時の注意点

金額の値下げ交渉ができるのは買付証明書を提出する時だけです。

希望の購入価格がある場合は、書類に記載することで交渉することができます。

基本的に買付証明書を提出した順番に売買の交渉が進みますが、値下げ交渉をした場合は、売主が検討している間に、後から来た人に定価で買付証明書が提出されると、優先順位が入れ替わるケースもあります。

値下げ額が定価とあまり離れているとリスクがあるので、不動産会社などとよく相談することが大切です。

②住宅ローンの事前審査

買付証明書の提出が終わると、すぐに住宅ローンの事前審査を受けます。

事前審査とは、正式な住宅ローンの本審査の前にあらかじめ金融機関がいくらまでお金を貸してくれるか確かめることです。

自己資金で購入する場合は、すぐに土地の売買契約に移りますが、住宅ローンを利用する場合、事前審査が必要になります。

住宅ローンは基本的に土地のみの購入では使うことができません。建物のプランや概算見積もりが必要になることが多いので、住宅会社の候補を絞っておくことが大切になります。

また、買付証明書を提出してから契約までは通常2週間ほどしかないことが多く、買付証明書提出後に住宅ローンの事前審査をすると間に合わないことも考えられるので、あらかじめ行っておくことを推奨します。

③土地の売買契約の締結

まず宅建士から「重要事項説明書」の説明を受け、その後、売買契約を結びます。重要事項の説明では一般の方には難しい用語なども多く出てきますが、不明点の内容にしっかり質問しましょう。

そして、売買契約は「手付金」を支払うことで完了します。

手付金の目安は「物件価格の10%」です。

例えば1000万円の土地を購入する場合、100万円を手付金として支払うことになります。

④住宅ローンの本審査

売買契約後に住宅ローンの本審査を行います。

本審査の期間は1~2週間ですが、ネット銀行などは1カ月程度かかることもあります。

運転免許証や保険証、源泉徴収票や所得証明書、実印や印鑑証明書など必要な準備物が多いため事前にしっかりと確認する必要があります。

⑤引き渡し・残金支払い

融資を実行する金融機関で土地の残代金を支払います。支払いがすべて完了していることを確認すれば、売主から不動産の引き渡しが行われます。

また、当日に所有権移転登記を行い、土地の名義を買主のものに変更します。基本的に登記関連の手続きは司法書士に依頼することになります。

6.土地取引の事情

不動産を「買いたい人」と「売りたい人」の間に入り、様々な調整を行い「仲介役」となってくれるのが不動産会社です。

不動産会社は売買契約が成立すれば仲介手数料という報酬を得られます。

現在の不動産取引では売主と買主の両方から「3%+6万円」の仲介手数料をもらう「両手仲介」を行う会社が数多くあります。

不動産の仲介手数料(両手状態)

【例】1000万円の物件の売買契約が成立すると、不動産会社は売主から36万、買主から36万円の合計72万円の仲介手数料を受け取ることになります。

当然ながら、買主は「安く買いたい」という立場で、売主は「高く売りたい」という立場です。

しかし、ほとんどの不動産会社は売主側についているケースが多いです。不動産が高く売れるとその分仲介手数料が多く得られるからです。

バイヤーズエージェントを入れてフェアに交渉する

土地を見つけ、不動産取引をする際には「バイヤーズエージェント」を入れることを推奨します。

バイヤーズエージェントとは、買主の立場になって、価格交渉やアドバイスを行い、不動産取引を成立させる専門のエージェントのことです。

上記で述べた通り、不動産会社は基本的には売主側についています。つまり、買主側が有利になるような価格交渉やアドバイスをしてくれないという問題があります。

バイヤーズエージェントは買主側の立場になってフェアに交渉を進めてもらえるので、同じ仲介手数料を払うにしても「生きたお金」になります。

7.失敗しない土地選びのポイント

本章では実際の事例も交えた土地選びのポイントを解説します。

一般的に不動産価値が高く人気な土地でも、実は思わぬ落とし穴があったり、反対に一見条件が悪そうな土地でも、良い家づくりにつながるケースもあります。

南道路の土地を選んで失敗

土地区画の中で最も人気があるのが南道路(南側道路)。南道路とは、その名の通り、土地の南側に道路が面している土地のことです。

南道路が人気の理由は、何と言っても日当たりです。敷地の南側が道路のため、家に差し込む光をさえぎる建物がありません。

分譲地での良い土地の見極め方

上記の図は一般的な土地区画の不動産価値を示したものです。

やはり南側にある土地は、人気のため価格が他の区画より高くなっています。

ちなみに東道路なら夏場の西日を遮ることができるので、最も人気なのが東南角地です。

しかし、「南道路の土地を選んで後悔した」というケースも実はよくあります。南道路のデメリットや北道路のメリットを踏まえて注意点を解説します。

南道路のデメリット

①価格が高い

南道路は一般的に不動産価値が高く、北道路よりも価格が高くなっています。

②間取りが組みづらい

LDKすべてを南面に配置する間取りは人気ですが、南道路の場合は、基本的に玄関を南側に配置することが多いので、LDK全部を南向きにできなかったというケースも多いです。

必ず玄関を南側にしなければならないわけではないですが、駐車場との距離などを考えると、南側に配置するのが妥当です。 

③道路を通行する人の視線が気になる

家は日光が差し込む南側に、リビングや庭を設けるのが一般的ですが、目の前が道路になるため、通行人の目線が気になることがあります。日当たりが良好なリビングであっても、人目が気になってカーテンを一度も開けていないといった事例も少なくありません。

北道路は日当たりが悪い?

太陽の方角から考えて、一般的に北側の土地は日当たりが悪いと思われがちですが、必ずしもそうであるとは限りません。

土地の南側に高さのある建物が建っていれば、たしかに日当たりが悪くなります。

しかし、南側の土地が低い場合などは、北道路であっても日当たりを確保することができます。

土地の形状も重要です。南北に長い土地であれば、北道路であっても南側のスペースを十分に確保できるため、隣地の影響を受けにくく、十分な採光を得ることもできると言えるのです。

また、北道路だとLDKをきっちり南側に配置することができたり、価格が安いというメリットもあります。

南道路が絶対に良いとは言えない

以上のように、南道路のデメリットと、北道路の意外なメリットを挙げましたが、土地の大きさや形状、どんな建物が建っているのかなどによって言い分は変わってきます。

「南道路が絶対に良い」とは一概には言えないのです。

建築士の腕次第でデメリットがメリットに変わったりもすることも多くあります。

土地と設計は深く絡み合っています。だからこそ、土地を決める前に、建築のプロに一度相談することを推奨します。

「売れ残った土地」を選んで成功した事例

売れ残った土地というのは基本的には、住宅を建築する上で条件のよくない土地とされていますが、場合によってはそうとも言い切れません。思わぬ掘り出し物に巡り合うこともあるのです。

ここでは実際の売れ残った土地を購入した方の成功事例を取り上げてご紹介します。

周辺環境は設計でカバーが可能

接道が少ない土地の活用例

実際に購入されたのは、上の図のオレンジ色の部分です。東側には大きな豪邸があり、南側にも2階建てのコーポ、西側にも北側にも建物があります。

一見、条件としては最悪ですが、土地環境は設計でカバーすることが可能です。

格子による目隠しが機能的な住宅

上の図は家の北側から撮った写真です。

北側の家からの目線をカット

東側の大きな豪邸の目線を切って、庭の奥に中庭を設けています。

中庭からの採光もバッチリなリビング

中庭があることでしっかりと光を取り入れることができます。

南側には2階建てのコーポがありますが、大きな窓は設けず小さな窓と吹き抜けを設けることで、プライバシーを確保するだけでなく、空間を広く見せることができています。

良い建築士からすると土地の環境問題は設計でカバーするだけなのです。むしろ、建物に囲まれている土地というのは、今後新たな建物が建つ心配がないため、安心して設計できるとも言えます。

最後の数区画は値下げ交渉のチャンス

本事例で取り上げた土地は、同じ区画内では坪単価が31万円だったのですが、値下げ交渉の結果、坪単価25万円まで引き下げることができました。60坪の土地だったので、合計で360万円下げることができました。

値下げ交渉ができたのは、この土地が分譲地内で最後の物件だったからです。

360万円も下がるというのは極めて稀なケースですが、売れ残っている土地は値下げ交渉ができる可能性が高いのです。

土地の仕入と売却

例えば、10区画の分譲地を1区画1500万円で売り出している土地があったとします。

その場合、大まかな仕入れにかかっている費用は、土地購入に8000万円、区画の整備などの造成工事で2000万円、合計で1億円程度かかります。

つまり不動産会社は10区画全て売れると、1億5千万が入るわけですが、売れ残ると赤字になります。

会社からすると、売れ残っている土地があるとリスクになるので、価格を下げてでも売った方がよいということです。

残り物には福がある

売れ残っている土地が必ずしも悪いことではありません。最後に残っている物件は値下げ交渉ができる可能性もあり、設計で土地環境の問題点は避けることもできます。

「残り物には福がある」とはよく言われる話です。

「売れ残っているから悪い土地に違いない」と決めつける前に、しっかり物件資料を読み、建築士に相談した上で判断しましょう。

不動産会社が見る土地の価値だけで判断しない

一般的に不動産のプロが見る良い土地というのは、以下のようなものが挙げられます。

  • 南道路(角地ならより良い)
  • 地型が良い
  • 駅や公園、銀行、病院、買い物施設などが近い

ただし、これらの条件を満たした土地が、「安心安全に住みやすいかどうか」とはまた別問題です。

建築のプロは「日当たりや風通しの良い家が建てられるか?」「間取りは組みやすいか」「プライバシーがあるか?」といった目でも見ています。

不動産的価値の高い土地が、自分たちにとって良い土地とは限りません。建築の目線でも土地を見ることで、選択肢も大きく広がります。

そういった意味でも住宅会社を先に決めておけば、気になった土地を建築のプロにチェックしてもらうことができます。

8.ハザードマップで必ず確認する

水害に備えて、ハザードマップを確認することもとても重要です。

ハザードマップとは、自然災害が起こった場合、その被害がどの程度まで及ぶ可能性があるのか、地形や構造などを分析して想定区域として地図上に示したものです。

2018年の豪雨、2019年の台風15号・19号など、この数年だけでも、大きな災害が頻発しています。このような災害も背景にあり、2020年8月から不動産取引時の重要事項説明の際に水害ハザードマップ情報の説明が義務化されました。

これは、不動産の取引において水害リスクの情報が、契約をするかどうかの重要な要素にあたるためです。

国土交通省ハザードマップポータルサイトから、ご希望とする地域・エリアのハザードマップを確認してみてください。

近年、水害による被害は増加傾向にあります。「水害に備える家づくり」については、こちらからご確認ください

9.まずは家づくりについて学ぶことが大切

ここまで、家づくりを始めたら土地を探すより、まずは住宅会社を選ぶことが大切ということをお伝えしました。

自分たちに合った住宅会社を選ぶためには、家づくりの基本知識を押さえておく必要があります。

どんな住宅会社があるのかを知る

住宅会社と言ってもハウスメーカーから工務店、ローコストビルダーとその業態はさまざまです。

住宅会社の業態について

家づくりを考え始めた人の多くが「とりあえず住宅展示場に行ってみるか」となりがちですが、家づくりの知識がないままいくら見学しても、結局何を見ればいいのか、何を質問したらいいのかわからないまま疲れてしまうケースもよくあります。

まずは住宅会社ごとの違いを知り、見極め方を学びましょう。家づくり成功のカギは「住宅会社選び」にかかっていると言っても過言ではありません。

「住宅会社の見極め術」では会社ごとの違いや目安価格、どんな会社を選んでいけばよいかなど解説しています。会社選びで迷われている方はぜひ参考にしてください。

持続可能な家を建てる

家はとても高い買い物です。不安に感じるのは「お金」の問題ではないでしょうか?

月々の返済額のことを考えると、なるべく安く家を建てたい…と思うのは当然ですが、ここに落とし穴があります。

住宅建築後の見えないコスト

上の図のように、家を建てた後は、光熱費や修繕費、保全費といったランニングコストが多くかかります。近年、特に光熱費はとても上がっています。

建築費が安く、月々の住宅ローンを抑えられたとしても、光熱費が多くかかってしまう家というのは結果的に「価格の高い家」と言うことができます。

また、光熱費のかかる家というのは、言い換えると断熱性能が低い家。つまり夏暑く冬寒い家です。

冬にリビングが寒々しい住宅

上の図は日本の一般的な住宅の温度をサーモグラフィで表したものです。国の住宅政策が進んでいる現代でも、まだまだこういった家が建てられているというのが現状です。

これからの家づくりは住み心地が良く、光熱費のかからない、安心で安全な家を建てるべきです。

現在進んでいる国の住宅政策や安心・安全・快適な家を建てるポイントについては「後悔しない家づくりのポイント」で解説しています。

家づくりは中身が大事

家づくりを考え始めたらまず目が行くのがデザインだと思います。ただし、最も大事なのは「家の中」。家の中が丁寧に施工されていないと、住宅内でさまざまな被害が引き起こされます

施工不良の事例

上の図は壁の中の断熱材が施工されている様子です。

隙間やムラがある家だと、断熱効果は発揮されません。こういった家ではやがて結露が発生し、家を腐食させるだけでなく、実は人体への悪影響も及ぼします。

詳しくは「家は見えない所が一番大切」で解説しています。

10.まとめ

いかがでしたか。

本記事では土地予算の考え方から、土地取得の基本知識、購入のポイントや注意点を解説しました。

  • 適正な土地予算を考えるためには、土地費用と住宅の建築費用を合わせた無理のない総予算を考える必要があります。土地予算は「総予算-建築費用」で考えるとバランスがよくなります。
  • 100%の条件を満たす土地はありません。「希望の7割を満たせば購入」という気持ちで見に行くことが必要です。
  • 土地探しを先に進めていると家づくりが失敗してしまいます。住宅会社選びは先に行いましょう。もしくは土地探しと同時に進めて行くことが大切です。
  • 土地は不動産会社や住宅会社、自分で現地を訪問するなどあらゆる手段を使って探しましょう。
  • 土地購入は複雑なこともあるので注意しながら進めていくことが大切です。土地の値下げ交渉ができるのは買付証明書を提出する時だけです。
  • 不動産取引では、「バイヤーズエージェント」を入れることでフェアに交渉できます。
  • 南道路が必ずしも良いというわけではありません。また売れ残った土地も設計次第ではとても住みやすい家になります。「不動産的価値」で判断するのではなく、建築のプロに見てもらって判断しましょう。
  • 水害に備えてハザードマップの確認も徹底しましょう。
  • まずは家づくりについて学ぶことが何よりも大切です。基本知識をしっかりつけて賢い選択をしましょう。

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