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ハウスメーカー・工務店選び

住宅会社の見極め術

2023.11.24

家づくり学校

家づくり学校

住宅会社の見極め術

家づくりは自分たちだけではできません。自分たちの夢をかなえてくれる信頼のおける住宅会社を見つけなければなりません。

信頼のおける住宅会社を見つけるためには「家づくりの基準」がなければなりません。

「家づくりの基準」とは、「予算」と「要望」です。

STEP1では無理のない住宅予算の考え方を解説しました。

STEP2では後悔しない家づくりのポイントを解説しました。

STEP3では家づくりの見えない部分の大切さを学んでいただきました。

ここまで学んでいただき「家づくりの基準」となる「予算」と「要望」は見えてきたのではないかと思います。

では、自分たちの予算内で思い描く要望を叶えてくれる住宅会社をどうやって探していけばよいのでしょうか?

住宅会社は本当にたくさんあり、その中から信頼のおける会社を見極めるのはとても難しいことです。

STEP4では会社別の目安価格を始め、特徴や違いを解説し、自分たちにあった住宅会社を選ぶためのコツや見極め術を身につけていただければと思います。

1.住宅会社別の特徴と目安価格を知る

家づくりを考え始めた人の多くが「とりあえず住宅展示場に行ってみるか!」となりがちですが、家づくりの知識がないままいくら見学しても、結局何を見ればいいのか、何を質問したらいいのかもわからないまま疲れ果ててしまった、という声もよく聞きます。

訪問する前に、まずは住宅会社ごとの特徴や違いを勉強することが大切です。

住宅会社の種類

一口に住宅会社と言っても、さまざまな種類があります。

住宅会社の業態

住宅会社は大きく「ハウスメーカー」「ローコストビルダー」「工務店」の3つに分類することができます。

以下がそれぞれの特徴です。

ハウスメーカー

ハウスメーカーのイメージ

大手の会社なので、知名度や社会的信用度が高いというのが特徴です。全国規模で営業展開しており、対応エリアが広く、各地域に営業拠点があります。モデルハウスも完備しているので、完成後のイメージはしやすいといえます。

ローコストビルダー

ローコストビルダーのイメージ

低価格でたくさん棟数を建てる会社です。原材料の一括仕入れや、プランやデザインを限定した「規格型」住宅にするなど、家づくりにおける様々な工程で効率化を行い、コストダウンを実現しているのが特徴です。

工務店

工務店のイメージ

地域に根付いた地元の住宅会社で、一棟一棟コツコツと丁寧に仕上げる「モノづくり会社」です。職人やスタッフと細部まで打ち合わせしながら進めることができます。ただし、会社の規模や得意分野などは工務店ごとに大きく異なるので、依頼時には見極めが大切です。

住宅会社別の目安価格

ここでは住宅会社別の目安坪単価を見ていきます。

「坪単価」とは、家を建てるときの1坪(約3.3平米)当たりの建築費のことです。

ここで示す坪単価とは、建物本体にかかる費用だけでなく、上下水道への接続をはじめ、電気・ガス・照明・カーテン・エアコンといった付帯工事まで含めた(住めるまでの建築総額)最終価格から導いています。

ハウスメーカー・ローコストビルダー・工務店、それぞれの目安坪単価は以下の通りです。

【目安坪単価】

・ローコストビルダー:55~60万円

・工務店:60~80万円

・ハウスメーカー:80万~

住宅会社訪問前にはこの目安坪単価を掴んでおくことがとても大切です。

同じ家でもこのような金額の差があるのでしょうか?それは「利益率」の差です。

住宅価格の差は利益率の差

ハウスメーカーは広告宣伝費や営業スタッフをはじめとする人件費、住宅展示場などの大型モデルハウスなどの出店経費、安心と信頼を生むための経費がかかってしまうので、それを賄う利益が必要になってしまいます。

一般的な仕様であれば、ローコストビルダーとハウスメーカーが使っている建材や設備(構造材や管柱、外壁材や屋根材、断熱材やサッシ、キッチンやお風呂などの設備)はそこまでの違いはありません。

要するにローコストビルダーであろうとハウスメーカーであろうと原価コストはあまり変わりません。建てる家の金額の差は利益率の違いであると言えます。

他の業界で例えると、ハウスメーカーはブランド品を売るデパート、ローコストビルダーは安く量販するスーパー、真ん中の工務店は家づくりの専門店といえます。なので工務店はその数が圧倒的に多いわけです。

2.ライフサイクルコストで比較する

家を建てるまでが家づくりではありません。建てた後、実際に暮らしていくことが目的です。入居後の生涯コストを想定して住宅会社選びをしていくことも大切です。

住宅の建築費は氷山の一角です。実は、建てた後の光熱費や修繕費といった住宅の維持費(ランニングコスト)の方が、はるかにお金がかかります。

住宅建築後の見えないコスト

建築後の見えないコストを下げることもできる

一般的な家を建てると光熱費を始め、修繕費や保全費がたくさんかかってしまいますが、高性能な家を建てると光熱費をグンと削減できます。

入居後の維持費

上の図を見てみましょう。

一般の住宅だと建設費の約3倍のランニングコストがかかりますが、高性能の家を建てると、建てた後のランニングコストが削減できるので、ライフサイクルコスト(生涯費用)を抑えることができます。

イニシャルコスト(建築費)を比較してみます。

一般住宅と高性能住宅の価格差

約300万円ほど高性能住宅の方が高くなります。

結果、住宅ローンの返済額は高性能住宅の方が月額10,000円ほど負担が増えます。

次に新居に住み始めてかかるランニングコスト(光熱費)を比較してみます。

一般の住宅 光熱費:月平均35,000円

高性能住宅 光熱費:月平均10,000円

結果、光熱費は高性能住宅の方が月平均25,000円ほど負担が減ります。

一般の住宅 住宅ローン 67,000円+光熱費 35,000円=住居費 102,000円/月

高性能住宅 住宅ローン 77,000円+光熱費 10,000円=住居費   87,000円/月

住居費という固定費でみれば、月額15,000円の差になり、年間では180,000円もの差になります。

建てるお家によって光熱費の年間差額が大きくなる

高性能住宅の建築費が当初300万円高くても、約16年8か月で元が取れることになります。そして、それ以降は一般の家に対し毎月の家計収支は15,000円のプラスとなっていきます。

長く住むほどに光熱費を抑えられるメリットは大きくなりますから、ライフサイクルコスト(生涯費用)で考えれば、高性能住宅(高断熱・高気密住宅)の方がお得になります。

光熱費高騰のイメージ

昨今のエネルギー問題と円安の影響により、この先電気代やガス代といった光熱費は上がり続けることが予測されています。

将来にかけて持続可能に暮らしていくためには、目先の住宅価格にとらわれるのではなく、住宅ローンと合わせて、入居後の光熱費がいくらかかる家になるのか?を事前に調べて住宅会社を検討することが必要です。

最近では入居後の年間光熱費シミュレーションを提示してくれる会社も出てきています。

3.断熱性と気密性の高い高性能住宅を建てる会社を選ぶ

STEP3で見えない所を丁寧に施工する会社を選びましょう!とお伝えしました。家づくりにおいて壁の中の施工はとても大切です。

粗悪工事の事例

上の画像のように、断熱材の施工不良があると、夏暑く冬寒い家になってしまいます。

粗悪工事の住宅は暖房が効かない

壁の中に断熱材の隙間があると、上の写真のように暖房すればするほど冷気が吸い上げられて冬は寒く、夏は暑い、住み心地の悪い家になってしまいます。

冷暖房費用も当然たくさんかかるので、とても持続可能に暮らしていける家にはなりません。

丁寧な断熱材の施工

なので、断熱材を隅々まで隙間なく丁寧に施工することが大切です。そして、隙間風の入るポイントを全て塞ぎます。これを専門用語で「気流止め」と言います。

表面温度差が無い空間

断熱材を隙間なく丁寧に施工し、気流止めをしっかり行うことで、上のサーモ画像のように温度差の少ない住環境が実現できます。

上の画像では室内が21~22℃の快適温度帯に収まっています。

この時の相当隙間面積 C値は1c㎡/㎡以下が求められます。

ロックウールの丁寧な施工

吹付断熱の丁寧な施工

断熱材は何を使ってもいいのですが、最も大切なのは施工精度。

正確に丁寧に施工すれば、冬暖かく夏涼しい家になり、冷暖房費用は下がり、結露はなくなり、家が長持ちするようになります。

反対に粗悪な工事にしてしまうと、冬寒く夏暑い家になり、冷暖房費用は上がり、結露が発生し、家が腐食していきます。

丁寧な施工が住宅の耐久性も向上させる

断熱材をはじめとした見えない所をいかに丁寧に施工するかが何より大切ということです。

丁寧な施工が大切

つまり、必ず高断熱・高気密な高性能住宅を建てる住宅会社を選ばなくてはなりません。

4.全棟気密測定を実施している会社を選ぶ

断熱材を丁寧に施工する住宅会社を選ぶべきとお伝えしました。では、断熱材を丁寧に施工している会社かどうかをどう見極めていけばいいのでしょうか?

気密測定の様子

それはズバリ!「全棟で気密測定」をしている会社かどうかを見極めることです。

気密性能を示すC値(相当隙間面積)は、断熱性能のように計算で求められるものではなく、一棟ごとに「気密測定」を実施しないと求めることができません。

高気密住宅と低気密住宅の違い

気密測定ができる住宅会社は全体の3割程度ですが、こういった測定を実施している会社は壁の中を丁寧に施工している会社と言えます。

さらに、全棟で気密測定を実施している会社は全体の1割程度と推測されます。

丁寧さの基準はC値1c㎡/㎡以下

C値(相当すき間面積)が丁寧な施工の目安

気密性能は「C値(相当隙間面積)」という指標で示されます。

床面積1㎡当たり何c㎡の隙間があるかを表していて、例えば「C値:5.0」なら床面積1㎡当たり5c㎡の穴が空いている状態です。

C値は家全体の隙間の合計を建物の延床面積で割って算出します。数値が小さいほど気密性能が高く、高断熱・高気密住宅の目安は「C値1.0」以下と言われますが、推奨レベルは「C値0.5」以下、暮らしが変わるレベルは「C値0.3」以下と言われます。

ちなみにドイツでは「C値は0.3」以下でなければ家は建てられないという建築規制があります。日本の家づくりは欧米に比べて遅れていると認識するべきです。

断熱性能は国の基準も上がってきていることもあり、どの住宅会社も高まってきていますが、気密測定を実施している会社はまだまだ少ないというのが現状です。

高性能住宅を建てている住宅会社かどうかの見極め術は「全棟気密測定」を実施している会社かどうかです。 

 

5.「スーパー工務店」という選択

高性能住宅を高いレベルで実現することができる工務店を「スーパー工務店」と言います。家づくり学校では家はスーパー工務店で建てることを推奨しています。

※「スーパー工務店」に定義があるわけではありません。スーパー工務店の名称由来は東京大学の前教授の命名と言われています。家づくり学校が提唱する「スーパー工務店」の条件を以下に列記します。

①「耐震等級3」耐震性能の高い家を建てること

耐力面材で耐震性を向上させる

「耐震等級3」は、耐震等級1の1.5倍の耐震強度があることを示しています。

住宅性能表示制度で定められた耐震性の中でも最も高いレベルであり、災害時の救護活動などで拠点となる消防署・警察署などは、その多くが耐震等級3で建設されています。

耐震等級3であれば、たとえ震度6~7の地震が起こっても、命を守ることができ、家自体も軽微な補修で住み続けることができる強度とされています。

日本は地震大国です。「耐震等級3」の家を建てることは必須と考えます。

 

許容応力度計算で耐震等級3を証明

構造計算(許応力度計算)

耐震等級3にも色々あります。壁量の簡易計算による等級3もあれば、柱一本一本の強度に基づいた構造計算を行い耐震等級3を証明する許容応力度計算まで対応してくれる工務店が望ましいです。

ウォールスタッドでシミュレーション

ウォールスタッドでシミュレーション

更に許容応力度計算された構造体を過去に起こった地震の波動をPC内にて再現して、実際に倒れるか?をシミュレーションできるソフト(ウォールスタッド)で確認している工務店もあります。

②結露しない家を建てること

結露するアルミサッシ

結露とは、空気中に含まれる水蒸気が、外気との温度差のある窓などで冷やされることで水滴に変わる現象のことです。夏の暑い日には冷たい飲み物を注いだグラスの表面などにも、結露は発生します。

結露ができる理由を解説します。

空気の含むことができる水蒸気量のことを「飽和水蒸気量」と言いますが、飽和水蒸気量は温度によって異なり、暖かい空気ほど多くの水蒸気を含むことができます。

室内の暖かい空気が外気で冷えた窓ガラスに触れると、空気の温度が下がります。すると、温度が下がった分だけ、空気が含むことができる水蒸気量は減ります。この水蒸気は、水に変わり「結露」として窓ガラスにとどまります。

これが結露が発生するメカニズムです。

壁内結露で腐朽した住宅

この結露は家にとって大敵です。特に壁の中に起こる壁体内結露はとても怖いもので放っておくと「家」と「身体」を内部から蝕んでいきます。

室内の水蒸気が壁内で結露する

壁体内結露が発生するメカニズムは窓やグラスと同じです。室内の水蒸気を含んだ温かい空気が隙間から壁の中に侵入し、外気で冷やされた外壁や構造用合板の内側で水蒸気を含み切れなくなり、壁の中に水滴として発生します。この時の温度を露点温度と呼びます。

「結露計算」することにより壁体内結露は防げます。

壁はクロスなどの仕上げ材・石膏ボード・断熱材・防湿シートなどの部材で作られています。使用する部材の断熱性能・厚み・湿気の通過しやすさを考慮し計算して露点温度にならないように構成していきます。

「結露計算」をしている工務店であることが望ましいです。

 

高断熱の施工をしていること

ロックウールの丁寧な施工

吹付断熱の丁寧な施工

断熱材は何を使っても良いのですが、正しく施工をしている工務店であることが大切です。

「スーパー工務店」が実現できる断熱性能とは?

Q値(熱損失係数)に関する説明

「Q値」とは、断熱性能を示した数値のことで、建物全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示しています。 Q値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能の高い住宅ということになります。

 「UA値」との違いは換気による熱の損失を含む点と、建物の延べ床面積のみで算出する点です。

Q値は1.6以下にできることが理想。

UA値(外皮熱貫流率)に関する説明

「UA値」もQ値と同様に、建物の断熱性能を示した数値のことで、建物全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示しています。

UA値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能の高い住宅ということになります。

Q値と違う点は換気による熱の損失を含まないということと、床・壁・天井・窓などの外皮面積を元に算出する点です。全国8つの地域区分ごとに基準値が定められています。

UA値は0.46以下にできることが理想。

④全棟気密測定を実施していること

気密測定の様子

高断熱だけでは不十分で、隙間のない丁寧な施工を行いその施工精度を気密測定で証明している工務店であることが重要です。

表面温度差が無い空間を実現

高断熱・高気密の施工ができて初めて、冬温かく、夏涼しい温度の少ない快適な温熱環境となり、必要最低限の冷暖房で過ごせるようになり省エネで持続可能な暮らしとなります。

C値0.5以下は高気密の証

相当隙間面積C値は0.5c㎡/㎡以下をクリアしている工務店であることがポイントです。

断熱性能と気密性能のレベル表

断熱性能と気密性能の求めるべき数値はこちらの表で確認いただけます。

UA値は0.46以下、Q値は1.6以下、断熱等性能等級6「HEAT20 G2グレード」の基準を満たすことができ、その時のC値は0.5以下を実現できる会社がスーパー工務店といえます。

⑤パッシブデザインの技術があること

パッシブデザインの概念

「パッシブデザイン」とは高断熱・高気密をベースに、自然エネルギー(光・風・熱)を最大限に活用し、より快適で省エネに過ごせる建築設計の考え方と設計手法のことです。

建物の外皮計算で算出される外皮平均熱還流率UA値、冷房期の平均日射取得率ηAC(イータ・エーシー)値、暖房期の平均日射取得率ηAH(イータ・エーエイチ)値といった「建物全体で熱がどれだけ逃げたり、入ったりするか?」といった数値を根拠に自然エネルギーを活用します。

パッシブデザインの大きな特徴として軒の長さを調整して、日射の取得をコントロールすることが挙げられます。

軒のある家

「軒」とは、上の写真で示してあるような「外壁より外側の屋根部分」のことを指します。

※窓やバルコニー、玄関上などに付けられる「庇」と混同されることも多いですが、「庇」は開口部を雨や日射しから守るのに対し、「軒」は外壁全体を守る役割があると言えます。

夏は軒の長さを調節し、日射を遮りったり、冬は大きな窓からしっかり日射を取り込むように設計します。

自然エネルギーを活用することで冷暖房負荷を軽減させて、省エネに暮らせるようになります。

これから先の家づくりは持続可能にしていかなければなりませんが、欠かせない技術になっていくでしょう。

パッシブデザインの技術を持つのがスーパー工務店といえます。

 

⑥パッシブZEHの技術があること

ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。

断熱性能を向上させ冬暖かく・夏涼しい室内環境にして、更に高効率な設備機器により省エネ化を図ります。その上で太陽光発電システムなど再生可能エネルギー等を組み合わせて創エネし、年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロ以下にする住宅のことです。

ZEH住宅の概念

ZEHについての詳細はSTEP:2「後悔しない家づくりのポイント」をご確認ください。

ZEHには2種類あります。通称「パッシブZEH」と「メカZEH」です。

ZEHの定義を見てみると「断熱性能を向上させ、省エネ性の高い設備機器や太陽光発電システムなど再生可能エネルギー等を組み合わせて、年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロ以下にする住宅」とあります。

いわゆる家で使うエネルギー分を設備で作り出し正味ゼロにするということです。

ZEH住宅の実現方法の違い

断熱性や気密性が低い低性能の家は冬寒く・夏暑い家となり、床暖房を始め各部屋に冷暖房機器が必要となり冷暖房エネルギーをたくさん使うようになります。

たくさん使うエネルギーを賄うために、屋根一杯に太陽光発電を設置したり、ガス発電も併用するダブル発電で賄ったりします。

設備や機械をたくさん設置してゼロエネにするのが「メカZEH」と言います。

これに対し「パッシブZEH」は高断熱・高気密の高性能をベースとすることで冬温かく・夏涼しい家にして、更にパッシブデザインを施し自然エネルギーを活用することで省エネ住宅にします。消費エネルギーを極力抑えることができるようになるので必要最小限の設備や機械で賄うことができるようになります。

「ZEH=高性能住宅」というわけではありません。

 

設備や機械は必ず交換が必要

どちらのZEHが環境と家計に優しい本当の意味でのゼロエネルギー住宅なのでしょうか?

家づくり学校では持続可能型な暮らしをしていくためには「パッシブZEH」にするべきと考えています。

部材ごとの耐久性の違い

上の図のように家の構造体や断熱材はキチンと施工しておけば60年以上持つとされています。

これに対し給湯器やパワコンと言った設備や機械はもって10年~20年です。

設備や機械は必ず交換がきます。「メカZEH」の家は設備の初期投資に数百万円かかっていますが、その設備交換がまたやってくるということです。

「パッシブZEH」の技術があるのがスーパー工務店といえます。将来にわたる負担の少ないゼロエネルギー住宅を建てましょう。

 

⑦光熱費ゼロを目指す家づくりをしていること

高断熱・高気密にしてパッシブデザインを施しパッシブZEHを目指しましょうとお伝えしましたが、ゼロエネルギー住宅だけでは不十分です。

最終的には光熱費ゼロ住宅を目指すべきです。

光熱費ゼロ住宅

建物の外皮計算を行った後に、住宅内で使う各設備の年間一次エネルギー消費量(MJ/年)を計算します。住宅内で使う設備とは、IHコンロ、家電、給湯、照明、換気、冷房、暖房が該当します。

次に、各設備の一次エネルギー消費量を費用(円/年)に換算し、年間基本料金を加算すると年間での光熱費が算出できます。

年間の光熱費に対し太陽光発電等の総発電量から売電分と自家消費分を差し引いた実質光熱費ゼロを目指します。

一次エネルギー消費量のイメージ

実質光熱費ゼロのイメージ

上記参考グラフから導かれる年間光熱費シミュミレーションの計算式は以下となります。

 消費用  + 基本料金 - 自家消費分 - 売電分  = 実質光熱費

(138,939円  +  19,800円 )-     52,022円    -   104,276円 =      2,441円

建築する前に光熱費シミュレーションまでできるのがスーパー工務店といえます。

エネルギー問題による光熱費高騰が危惧されています。光熱費負担が少なく家計に優しい光熱費ゼロ住宅を目指しましょう。

スーパー工務店

家づくり学校が定義する「スーパー工務店」の条件①~⑦を解説しました。

安心・安全、快適で住み心地がよく、省エネで生涯にわたって持続可能に暮らし続けることができる家づくりを実現する為には、高い技術力を持つ「スーパー工務店」での家づくりを推奨します。

家づくり学校では各エリアにて「スーパー工務店」の情報をしっかり取り揃えていますので、ぜひご活用ください!

6.住宅会社の信頼性とは

家づくり成功は住宅会社選びにかかっています。一生をかけた大切な資金を預けるわけですから信頼できる会社を必ず選ばなければなりません。

では、住宅会社の信頼性とはなんでしょう。

年間着工棟数が右肩上がりの住宅会社

担当件数が多くてんてこ舞いの営業マン

住宅会社の信頼性とは、その会社の規模や知名度でしょうか?知名度があり、たくさん家を建てているような会社は、なんとなく「人気で良い家を建てているんだな」と思いますよね。

確かに建築棟数の多い会社や知名度のある会社は信用度といった点では高いと言えますが、そういった会社が高性能な家を建てるかというと必ずしもそうではありません。

マンツーマンでしっかり対応

そもそも、家はすべてが手造り品です。家は「大量生産品」ではなく、お施主様の要望に基づき一棟一棟造るものです。

特に高性能な家を建てるためには、いかに手間暇かけて丁寧に建てることができるか? にかかっていると言えます。そういう家を建てる会社こそ信頼度が高いと言えます。なので、建築棟数が多いとか会社の規模が大きいという基準は信頼度に比例するとは言い切れません。

STEP3「家は見えない所が一番大切」や、前述の「スーパー工務店」についても解説してきましたが、高い技術力をベースに見えない所を丁寧に造り上げ、数値根拠をもって住宅性能を証明できる住宅会社こそ、後々建てて良かったと思える住宅を実現してくれる信頼のおける会社と言えます。

7.家づくりのプロフェッショナルを選ぶ

手間暇かけて丁寧に家づくりをする住宅会社はたくさんの棟数を建てられません。

目利き腕利き職人が一棟一棟丁寧に建てられる棟数は一社当たり月に1~2棟が適当と考えます。年間棟数にすると10~20棟、家づくり学校が考える理想の建築棟数です。

建築のプロとは

そもそも、丁寧にモノづくりする会社は大きくなれないという特徴があります。なので、年間棟数10~20棟の会社が山のようにあるということです。

世の中にはいろいろな家づくりがあれど

年間棟数10~20棟の山のようにある小規模な住宅会社は、大手ハウスメーカーのような知名度はありません。聞いたことがない会社がほとんどなので会社の名前で選ぶことができません。

ではどうすれば良いのでしょうか?

家づくりのプロフェッショナル

会社の名前ではなく、その会社の中のプロフェッショナルを探し当てることです。

家づくり成功のカギは住宅会社選びではなく、家づくりのプロのパートナー選びであると言えます。

繰り返しますが、家づくりは手造り品です。自分たちの思い描く家づくりは住宅会社が建ててくれるわけではなく、その中の人が建ててくれるのです。

そして、長く快適に暮らすには定期的なメンテナンスも必要であり、住宅会社とは長い付き合いになります。

建てるまでではなく、建ててからがお付き合いの始まり。いざという時に頼れる家づくりのプロフェッショナルを見つけることが大切です。

では、家づくりのプロフェッショナルをどう見極めればよいでしょう。

「自分たちの思いに真摯に耳を傾けて言葉にできない思いを引き出し、予想を上回る提案をしてくれるか?」「建築のプロとしてとことん説明し、メリット・デメリットも隠さず教えてくれるか?」「熱い思いをもって手間を惜しまず丁寧な仕事をしてくれるか?」「何でも気軽に相談できるか?」などなど、、

話をする中で「自分たちの思いを託して家づくりを任せられ、これから先も信頼して付き合っていけるかどうか」を見極めましょう。

家づくり学校では、各エリアにおける家づくりのプロフェッショナルの情報をしっかり持ち合わせています。

8.まとめ

いかがでしたか。

本記事では住宅会社の見極め方について解説しました。

  • 住宅会社にもさまざまな種類があります。いきなり住宅展示場などに訪問する前に、会社ごとの違いや特徴を知ることが大切です。
  • 初期費用(イニシャルコスト)を抑える家づくりではなく、建てた後のランニングコストを抑える家づくりを行う住宅会社を選びましょう。
  • 断熱性と気密性の高い、高性能住宅を建てる会社を選びましょう。
  • 高性能住宅を建てている住宅会社かどうかの見極め術は気密測定を行っているかどうかです。「全棟気密測定」を実施している住宅会社を選びましょう。 
  • 高性能住宅を適正価格で実現できる住宅会社を「スーパー工務店」と言います。全棟気密測定を実施し、パッシブデザインによる家づくりを行うなど、家づくり学校が定義する①~⑦の条件を満たす住宅会社です。安心・安全、快適で住み心地がよく、省エネで生涯にわたって持続可能に暮らし続けることができる家づくりを実現する為には高い技術力を持つ「スーパー工務店」を選びましょう。
  • 住宅会社の信頼度とは、その知名度や規模の大きさではありません。高い技術力をベースに見えない所を丁寧に造り上げ、数値根拠をもって住宅性能を証明できることにあります。
  • そもそも家はすべてが手造り品です。家は「大量生産品」ではなく、お施主様の要望に基づき一棟一棟手間暇かけて丁寧に建てるもの。家づくり成功のカギは住宅会社選びではなく、家づくりのプロフェッショナル、信頼のおけるパートナー選びであると言えます。

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ただし、自信を持ってご紹介させて頂いた会社が、お客様のお目に叶う会社かどうかはお客様自身が判断されることだと思っております。

自分たちにぴったりの探し求めていた住宅会社かどうかは、お客様自身が実際に体感してみることで見えてきます。

どのような点に気を付けて、体感をすればよいか、次章、STEP5「体感比べで基準を作る」でしっかり紐解いていきます。

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「家づくり学校」は埼玉、神奈川、山梨、兵庫、岡山、広島、山口、香川、愛媛県で住宅情報誌を発行する(株)KG情報が運営する、家づくりの無料相談&優良住宅会社提案サービス。個別相談や各種セミナーでの学びと住宅会社への見学訪問を通してあなただけの「家づくりの基準」をつくるお手伝いをさせていただいています。

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