体感比べで基準を作る
2024.12.10
2023.07.21
「学ぶ」✖「体感」家づくり成功8STEPのメインテーマ「家づくりの基本を学ぶ」STEP1~STEP5の最終章、まとめとなります。
STEP1「無理のない住宅予算の立て方」では、生涯にわたりムリなく暮らしていくための適正予算の立て方を知っていただきました。
STEP2「後悔しない家づくりのポイント」では、持続可能に暮らすための家づくりの知識と国の住宅政策を押さえていただきました。
STEP3「家は見えないところが一番大切」では、安心・安全、快適で住み心地がよく、省エネで生涯にわたって持続可能に暮らし続けることができる家づくりの秘訣を学んでいただきました。
STEP4「住宅会社の見極め術」では、高い技術力をベースに数値根拠をもって住宅性能を証明できる信頼のおける住宅会社「スーパー工務店」の見極め方の知恵を付けていただきました。
家づくり学校では、上記のSTEP1~STEP4の内容や条件を踏まえた上で、お客様の要望に沿って住宅会社をご提案しております。
そして、ご提案する住宅会社は地域に根差して真面目に家づくりを手掛ける会社であり、家づくり学校のアドバイザーが自ら訪問しキーマンと直接会い、建築現場や実際に手掛けた家を見学して施工技術を確認し、さらに、醸し出される空気感や素材感を始め、快適な住み心地かどうかを体感して確かめ、目利きした上でご提案・ご紹介しています。
家づくり学校のアドバイザーが現場でリアルに感じた情報は、いかなるメディアでも探すことは出来ず、インターネットでも検索できるものではありません。なので、ご提案・ご紹介する住宅会社は自信をもってお勧めできるものと自負しています。
ただし、我々がいかにお勧めの住宅会社であると思っていても、それがお客様にとって最適な住宅会社であるとは限りません。
それは、快適と感じる基準が人それぞれ違うからです。自分たちにとって快適な住み心地かどうかを確かめる方法は一つです。実際に建てられた等身大の家をいろいろと体感比べをしてみることです。性能の違うさまざまな家を体感比べすることで、初めて「自分たちにとって快適と感じる基準」がどのレベルにあるのかが体に刻まれていきます。
最終章、STEP5「体感比べで基準を作る」では、自分たちにとってぴったりの住宅会社を見つけるために「体感」することがいかに大切であるかということを解説していきます。
1.なぜ快適で省エネとなる家を建てるべきか(おさらい)
STEP2「後悔しない家づくりのポイント」で解説しましたが、家を建てた後、何らかの後悔をしている人がとても多いのが現実です。
その後悔の中身とは「寒い・暑い・結露する」といった“住み心地”のこと。「冷暖房費用がかかる」「住宅ローンを組み過ぎた」という“お金”のことが大半を占めています。つまり、住み心地のよい家を建てること、お金のかからない家にすることが後悔しない家づくりにするためには最も大切だということです。
2.具体的にはどういう家を建てるべきか(おさらい)
では、住み心地のよい家とはどんな家なのでしょうか?
それは、「温度差が少なく、冬暖かく夏涼しい快適に暮らせる家」。一年中快適に過ごせる家を建てれば、冷暖房費用は自ずと抑えられ、省エネ、かつお金がかからない家となります。
省エネ住宅と言っても、設備や機械で快適化するのではありません。もともと寒くならない家、暑くならない家にする、つまり、断熱・気密性能の高い家にするということです。さらに、断熱性能や気密性能を高めることで結露の発生が抑えられ、結果、家の耐久性もグンと上がります。
地球温暖化をはじめ、エネルギー問題による光熱費高騰も騒がれています。ますます先行き不透明な時代になりつつある中、これから建てるべき家とは、住む人の体と財布、環境に優しい、次世代に住み継げる「持続可能な家」でなければならないと家づくり学校では考えています。
3.どこまで求める?快適と感じる基準は人により違う
断熱性能や気密性能を高めれば高めるほど快適性は上がっていきます。が、同時に性能を高めるほど建築費用も上がっていきます。
当初設定した無理のない予算で実現するためには、自分たちがどこまでの性能レベルを求めるのかを判断することが必要となります。
反面、性能レベルが高ければ高いほど自分たちが快適に感じていくかは別問題です。
ご夫婦でも暑い・寒いと感じる感覚は違いませんか? それと同じように快適と感じる基準は人それぞれ違います。場合によっては、性能レベルを追求し、超高性能な家を目指す必要はない人もいるかもしれません。なので、自分たちがどこまで求めるかの基準を作る必要があります。
4.体感比べで家づくりの基準を作る
自分たちにとっての快適基準を見つけるためには、実際に建てられた家を「体感」しなければなりません。
「体感」は一つの家だけでするのではなく、性能レベルの違う等身大の家をいろいろと「体感比べ」することが大切です。
「体感比べ」することにより、自分たちにとって快適な温熱環境として、どのレベルを求めるべきかの基準が見えてきます。
さらに「体感」を通していろいろな気付きに出会えます。
室間温度差のない快適な温熱環境はもちろんですが、デザインセンスや必要面積、家事動線の取り方、心地よい素材感や澄んだ空気感といったことから造り手の想いまで…。
「体感比べ」をすることで、性能レベルだけではなく、家づくり全体の基準について「どこまで求めるか?」が自分の体に刻まれていきます。
話は変わりますが、新車を買う際、必ず「試乗」すると思います。乗り心地はどうなのか?自分の体にフィットするのか??
それなのに、家を建てる前にはなぜ試乗(体感)しないのかと我々は思います。家は車の何倍もする人生で一番大きな買い物です。数十年のローンを組む、いわば「人生をかけた失敗できないライフイベント」でもあります。
建てた後に「こんなものか」と気付くその前に、家も必ず試乗して、体感して、比較検討すべきだと思います。
5.体感のベストシーズンは真夏と真冬
自分たちにとっての家づくりの基準を作るには、実際の家を体感比べすることが大切であることを解説してきました。
では体感するシーズンはいつが良いのでしょうか?
それは真夏と真冬です。
夏シーズンの7月・8月・9月、冬シーズンの12月・1月・2月
性能レベルの違いは夏と冬にしっかりと感じられます。
真夏の体感ポイント
夏場の高性能住宅を見極めるポイントの1つ目は「エアコンの台数」です。(室外機の数でも確認できます)
できれば家一軒で1台が理想ですが、なかなかハードルは高いと言えます。なので、2台(1階に1台、2階に1台)が理想的です。
夏場の高性能住宅を見極めるポイントの2つ目は「エアコンなしでも2階が涼しいか」です。
逆に、性能が低い家は2階に上がっていくと分かります。階段をトントンと上がっていく途中でムッと熱気を感じたら、その家には隙間がたくさんあり、熱籠りしているということなのです。
逆に高断熱・高気密の高性能な家であれば、2階は全く暑くなりません。
断熱がしっかり効いて隙間がなければ熱気は上がらず、洞窟効果で2階はひんやりしているはずです。
そして、高性能な家は屋根断熱がしっかり効いているので、天井裏を覗いても暑くなっていません。
高性能な家は夏、2階を体感することで分かります。
真冬の体感ポイント
高性能住宅の体感は冬が一番よくわかります。高性能な家は玄関に入った瞬間にホッと包み込まれる暖かさを感じます。
高断熱・高気密の高性能な家は特に冬場に強い家となります。全館が均質な快適温度帯となり、真冬、外が極寒でも室内は寒くなりません。
これからの省エネは暖房エネルギーを削減することが効果が大きいです。冬を旨とする家づくりが望ましいと言えます。
いろいろな家を体感していくうちに、季節を問わず温熱環境の違いが分かるようになります。春であろうと秋であろうと温度差のない温熱環境であるかどうか、スース―していないか(気密性能)も自分の体で感じ取れるようになります。
さまざまな家の体感比べをして、体感センサーを鍛えていきましょう。
高性能住宅は花粉症の人にも優しい
高断熱・高気密の高性能住宅に住むと花粉症も気にならなくなります。気密性を上げていくことにより室内に花粉が入りにくくなり、花粉症の方は快適に過ごしやすくなります。
近年、室外の空気はとても汚れてきています。高気密住宅にすると花粉や黄砂、PM2.5などの外気のアレルギー物質から守ってくれるという効果もあります。これからの家づくりは、命を守るシェルターにしていくという考え方も必要かもしれません。
6.家づくり学校では体感の機会を作っています
自分たちにとっての「家づくりの基準」を作るには、実際に建てられている等身大の家を体感することが大切なことを解説してきました。
家づくり学校では「学び×体感」できる場所を提供しています。家づくり学校で学んでいただいたことを実際に現場で確認していただくために、いろいろな住宅会社が建てた等身大の家を体感できる機会を提供しています。
体感していただく機会は二つあります。
●個別での見学訪問スタイル
個別相談後にご要望に応じた住宅会社をご提案して、個別に巡っていただけるよう見学訪問スケジュールを組ませていただいています。
ご家族のご都合に合わせて無理のないペースで組ませていただいております。家づくり学校に来られたほとんどのお客様がこのスタイルでお家の見学・体感に出かけています。
●体感バスツアーの開催
月に一度のペースで希望者を募り、皆さんで訪問する体感バスツアーを行っています。毎月さまざまなテーマで見学するお家を決めています。
皆さんでバスに乗って行きますので、気兼ねなく参加できる入門編と言えます。個別での見学訪問、月に一度の体感バスツアー、どちらからでもお気軽にご利用ください。
7.「家づくりの基準」をつくれば、自分たちで会社を見つけられるようになる
家づくり学校がご提案する住宅会社は、地域に根差して真面目に家づくりを手掛ける会社であり、家づくり学校のアドバイザーが自ら訪問しキーマンと直接会い、建築現場や実際に手掛けた家を見学して施工技術を確認し、更に醸し出される空気感や素材感を始め、快適な住み心地かどうかを体感して確かめ、目利きした上でご提案・ご紹介しています。
ご提案・ご紹介する住宅会社は自信をもってお勧めできるものと自負しております。
ただし、家づくり学校がご提案する住宅会社が全てではありません。
また、ご提案する住宅会社で決めていただきたいとも思っておりません。
家づくり学校の目的は、住宅会社をご紹介することではありません。
家づくり学校が目指しているのは、これから家を建てたいと思われている方に、家づくりの正しい知識を身につけていただき、高性能な家を建てる住宅会社が実際に建てた等身大の家を体感していただくことで、お客様に「家づくりの基準」を作っていただくことです。
「学び×体感」で自分たちにとっての家づくりの基準ができれば、自分たちで判断できる力がついてきます。
展示場やモデルハウス、見学会を訪問して、どんな家を見ようが、どんな住宅会社に行こうが、自分たちに合う会社かどうかを自分たちで見極めることができるようになります。
家づくり学校では最終的に、ご自身で住宅会社を選べる力をつけてもらうことを目的としています。
そして、建ててよかったと思える家づくりを実践していただきたいと思っております。
家づくりに失敗しない、賢い消費者になっていただきたいのです。
家づくりの後悔とは、すべて「知らずして選択したこと」にあります。知った上、納得の上であれば、そこに後悔や失敗はありません。
「家づくり学校」は後悔しない家づくりの応援をしています!!
8.【後述①】光熱費高騰に負けない家を建てましょう
2022年からエネルギー危機により電気代・ガス代が急騰しています。これを受けて2023年度の初めに政府は電気料金対策として総額2.5兆円をつぎ込んでいますが、これは一次的な対策でいつまでも続くものではありません。
昨年末に襲ってきた光熱費高騰は必ずやってきます。
次世代に住み継げる持続可能な家にするためには、まず災害に負けない耐震性やメンテナンスフリー部材を使い耐久性を上げていくことはもちろんですが、建てた後のランニングコストを落すためには省エネ住宅にすることは必須となりました。
これからは高断熱・高気密かつ太陽熱や風など自然の力を活用して冬暖かく夏涼しい室内環境を実現することが絶対条件になりつつあります。そうすれば、必要最低限の冷暖房機器で暮らせるようになります。
その上で省エネ設備を導入し、創エネ設備を装備して、エネルギーゼロ住宅を実現するだけではなく、光熱費ゼロ住宅を目指します。
光熱費の高騰に一喜一憂することのない、真に持続可能な家づくりを実現しましょう。
9.【後述②】性能を上げるとデザイン性も上がる
ここまでの章「学ぶ」✖「体感」家づくり成功8STEPにおけるメインテーマ「家づくりの基本を学ぶ」STEP1~5では、家づくりで一番大切な「見えない所」の大切さについて解説してきました。
ただし、本来、家づくりでもっとも楽しいのは「見える所」デザインやインテリアです。ドキドキ・ワクワクする家づくりであってこそ家づくりは楽しくなります。
家づくり学校は決してこの部分を置き去りにしていません。
ここでお伝えしたいのは、住宅の基本性能を上げるとデザイン性も上がるということです。
上の画像をご覧ください。こちらの家はいずれも高性能な家ばかりです。
右端:性能が高いからこれだけ吹き抜けが取れます。実際こちらの家は夏は二階の6帖用エアコン一台、冬は一階の8帖用エアコン一台で全館の冷暖房が賄えています。
中上:性能が高いと、和モダンで素敵な空間でも薪ストーブが効くようになります。
中下:性能が高いと、大開口の窓をとっても土間は冷たくなりません。
左上:性能が高いと、間仕切りしなくて良いので回遊性が上がり家事楽動線になります。
左下:性能が良いと、荷物が少なくなります。この家には厚手の布団や毛布はなく、薄い羽根布団一枚で一年中過ごせています。
住宅の基本性能を上げると家のデザインと暮らしはセンスアップされるのです。
家づくり学校は住宅情報誌を発行する出版社が運営しています。
地域に根差して活動をしています。なのでお客様が思い描くデザインや空間イメージをどこの会社のプロが実現できるかといった情報を持っています。
自分たちにとって無理のない予算で実現すること。見えない所の施工精度が高い会社であることは大前提。
その上で、最後はお客様の要望にそったデザインテイストが実現できるセンスの良い住宅会社をご提案しています。
これからは高性能で省エネ住宅は当たり前になります。
そして、自分たちが思い描く素敵な家づくりを実現してほしいと思っております。
高性能✖デザイン。家づくり学校でお手伝いできることです。
10.まとめ
いかがでしたか。
本記事では「体感」することの重要性やポイントなどを解説しました。
家づくりの後悔の中身とは「寒い・暑い・結露する」といった“住み心地”のこと。「冷暖房費用がかかる」「住宅ローンを組み過ぎた」という“お金”のことが大半を占めています。後悔しない家づくりにするためには、住み心地のよい家を建てること、お金のかからない家にすることが最も大切だということです。
- 住み心地のよい家とは温度差が少なく、冬暖かく夏涼しい快適に暮らせる家のこと。一年中快適に過ごせる家を建てれば、冷暖房費用は自ずと抑えられ、省エネかつお金がかからない家となり、次世代に住み継げる「持続可能な家」となります。
- 断熱性能や気密性能を高めれば高めるほど快適性は上がっていきます。但し、性能レベルが高ければ高いほど自分たちが快適に感じていくかは別問題です。なぜなら、快適と感じる基準は人それぞれ違うからです。なので自分たちがどこまでの性能レベルを求めるかの基準を作る必要があります。
- 自分たちが快適と感じる性能レベル(基準)を見つけるためには、実際に建てられた家の「体感比べ」することが大切です。「体感比べ」することにより、自分たちにとって快適な温熱環境はどのレベルを求めるべきかの基準は見えてきます。
- 「体感比べ」のベストシーズンは真夏と真冬。夏シーズンの7月・8月・9月、冬シーズンの12月・1月・2月、性能レベルの違いは夏と冬にしっかりと感じられます。
- 家づくり学校では学んでいただいたことを実際に体感してもらっています。体感の機会は個別で行く見学訪問と、希望者で行く体感バスツアーを用意しています。
- 家づくり学校の目的は住宅会社をご紹介することではありません。家づくり学校が目指しているのは「学び×体感」で、自分たちにとっての「家づくりの基準」を作って頂き、自分たちで住宅会社を見極める力をつけていただくことです。
- 光熱費が高騰しています。エネルギーゼロ住宅だけではなく、光熱費ゼロ住宅を目指しましょう。光熱費高騰に一喜一憂することなく、真に持続可能な家づくりを実現しましょう。
- 家づくり学校は住宅情報誌を発行する出版社が運営しています。住宅の基本性能を上げるとデザイン性も上がります。「高性能✖デザイン」これからは高性能で省エネ住宅は当たり前。その上でデザイン性の高い家づくりをお手伝いしています。
「学び×体感」で自分たちにとっての「家づくりの基準」ができれば、自分たちで判断できる力がついていきます。展示場やモデルハウス、見学会に訪問して、どんな家を見ようが、どんな住宅会社に行こうが、自分たちに合う会社かどうかを自分たちで見極めることができるようになります。
ご自身で住宅会社を選べる力をつけていってください。
建ててよかったと思える家づくりを実践してください。
家づくりに失敗しない、賢い消費者になってください。
「家づくり学校」は皆様の後悔しない家づくりの応援をしています。