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住宅性能と住み心地

「高気密住宅は息苦しい、暑い」って本当?―高気密住宅に関する疑問を解説

2023.09.15

「高気密住宅は息苦しい、暑い」って本当?―高気密住宅に関する疑問を解説

住宅の省エネ化や快適性向上に向け、注目されているのが高性能住宅。住宅の性能を上げれば、冷暖房費などの光熱費を抑えられるだけでなく、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境にも繋がります。

高性能住宅は高い「断熱性能」と「気密性能」によって実現されます。断熱と気密はセットで考える必要があり、どちらが不足しても高性能住宅にはなりません。

さて、お客様から「高気密だと息苦しいのでは?」「冬は良いけど、夏は暑そう…」などのご質問をいただくことがあります。この記事では、お客様の疑問の声を元に、高気密住宅に関する疑問を解説していきます。

高気密住宅は息苦しい?

「高気密」=「隙間がなく密閉されている」ということなので、「息苦しい」といったことが連想されるのではないかと思います。たしかに、密閉されていたら、空気はどこから入ってくるんだろう?となりますよね。ここで、断熱・気密と必ずセットになっているものが「換気」です。

現在、すべての住宅に「24時間換気システム」を導入することが義務付けられています。これは窓を開けなくても吸気口から外の空気が入ってきて、排気口から出ていく仕組みのことです。空気が絶えず循環しているので、息苦しさを感じることはありません。反対に気密性が低い家だと、換気装置を動かしても、家のすき間から勝手に空気が出入りしているため、計画通りに家の中の空気をコントロールすることができません。

▲穴の開いたストローでは空気が入ってきて、水が飲めないことと同じです。隙間がないからこそ空気がしっかりと循環されます。

24時間換気システムは、家中の空気が2時間ですべて入れ替わることを基準にしています。1時間に半分以上の空気を入れ替える必要あるわけですが、そのためにはC値(気密性能の指標)0.6以下ぐらいは必要です。適切な換気は、家の気密性が高いからこそ行えます。隙間から勝手に空気が出入りすることを減らし、適切な換気をすることが快適な空間づくりのポイントです!

高気密住宅がシックハウス症候群の原因に?

24時間換気システムが義務化された背景には「シックハウス症候群」があります。現在の家づくりでは高気密・高断熱化が進んだことで、建材などに含まれる化学物質が室内にとどまりやすくなりました。この室内にとどまった化学物質がシックハウス症候群の原因であり、住んでいる人の体調を悪化させてしまう恐れがあります。

そもそも高気密で高断熱な住宅は住宅先進地域であるヨーロッパでうまれました。ドイツなどの先進国では、寒さ暑さを防ぐだけでなく、換気のこともしっかりと考えられ、総合的に良い住宅が建てられています。しかし、日本は数十年前に高断熱高気密な家づくりが導入された際、表面的な部分だけをまねた家をつくっていました。シックハウス症候群はこういった家づくりが原因で、高気密・高断熱の住宅でも健康的に過ごせるように、常に換気ができるように対策が必要と判断され、2003年に24時間換気システムが義務化されることになりました。

冒頭でも述べましたように、高気密な家は換気もセットで考えないと、病気の原因になってしまいますね!

高気密住宅は夏暑い?

こちらも時々ある疑問です。高気密・高断熱な住宅は熱を室内の中に通しにくい一方で、逃がしにくい性質があります。夏の暑さは防げますが、窓などから日射が入ってしまうと、熱がとどまってしまうということですね。

ですので、夏は日射を窓から室内に入れないことがカギです。夏の日射がどの角度で入ってくるか計算して窓を取り付けたり、軒や庇を設け日射を遮ったり、熱を室内に入れないよう窓の外にブラインドを付けたりすることで夏も涼しく快適になります。

▲軒や庇がしっかりと設けられている家。窓の位置も夏は日射を遮り、冬は取り込められるように計算して設計されています。

▲庭木も立派な日よけ装置です。冬に落葉する広葉樹を植えれば、夏は日射を遮り、冬は取り込めます。このように高気密・高断熱な家をベースに窓の位置や日射の角度などを計算して設計する方法を「パッシブデザイン」と言います。これからの家づくりに不可欠な設計手法です。

まとめ

「高気密は息苦しい?夏は暑い?」というのは、イメージからくる誤解の部分もありますね!ここまで高気密住宅についての疑問について解説していきましたが、実際に家を体感してることをおススメします。高気密住宅は空気の圧など、人によって感じ方は様々で、あまり多くはないですが、中には少しだけ不快に感じられる方もいます。

また、冬と夏とで感じ方も異なります。冬は体感の絶好の機会で、どれだけ寒さを防げているか、暖房の温度は何度設定か、しっかり日射は取り込めているか、確かめることができるチャンスです。体感することで納得の家づくりになりますよ!

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