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住宅性能と住み心地

高気密・高断熱で体にやさしい家づくりを

2023.08.28

高気密・高断熱で体にやさしい家づくりを

寒い時期になるとニュースなどで目にすることが増える「ヒートショック」という言葉。急激な温度変化により体が悪影響を受けることをいい、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こすこともあります。

そんなヒートショックを防ぐため、今注目されているのが高気密・高断熱の家づくりです。ヒートショックを防ぐなど体に負担がかからない以外にもメリットがたくさん。そんな高気密・高断熱についてわかりやすくご説明します!

ヒートショックとは?

「ヒートショック」とは、家の中の急激な温度差によって起こる身体への悪影響のこと。

特に冬になり気温が下がると、家の中の急激な温度変化で起こりやすくなります。なかでも冬の入浴時にはヒートショックが起こりやすいので注意が必要です。

なぜなら、暖房しているリビングから寒い浴室へ移動する際、体は熱を奪われないようにと血管が縮み、血圧が上がります。そして、寒い脱衣所で裸になり、熱いお湯に入ると今度は血管が広がり、急激に血圧が下がります。

暖かいリビング→寒い脱衣所→熱いお湯、という急激な温度変化で血圧が変動することで、体に大きな負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすこともあるのです。

入浴時だけでなく、あたたかい布団を出て寒いトイレに行ったりした場合にも、同じような温度差が起き、ヒートショックを引き起こすことがありますので注意が必要です。

厚生労働省の調べによると、入浴中の急死者は1.4万人にものぼると推計され、そのうち5割が12~2月の冬季に発生しているんだとか。ヒートショックが私たちにとっていかに身近で危険なものか、よく分かる数字ですね。

ヒートショックを防ぐためには、何よりも「原因となる急激な温度差をなくすこと!」これに尽きます。

入浴時なら温度差が発生しないように脱衣所や浴室内、トイレなどをあらかじめ暖めておいて入浴するなどして予防する方法もありますが、根本的に家の中の温度差を解消するには、「家づくり」から考えないといけないのです。

 

ヒートショックを起こしにくい家

ヒートショックと家づくりにどんな関係性があるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、冒頭でご説明した通り、ヒートショックは「家の中の急激な温度差」によって起こるもの。そもそも家の中が一定の室温に保たれていれば、ヒートショックは起きないのです。

そこでキーワードになるのが「高気密・高断熱」。聞き覚えはあるけれど、具体的にどういうことかはよく分かってない…という方も多いのではないでしょうか。詳しく見てみましょう!

 

高気密・高断熱とは

まず断熱とは、字の通り「熱を遮断する」ということ。具体的には、外壁や窓など、外気に触れる部分から寒さや暑さの影響を受けないように、断熱材や断熱・遮熱性能の高い窓を使用するなどします。

気密とは、密閉した場所から気体が出入りする隙間をなくす、ということ。高気密(気密性が高い)=隙間が少ない、ということになります。

気密性を高めれば、隙間から外気が入ったり室内の空気が流出したりするのを防ぐことができ、高い断熱性により外気温に左右されずに室内の温度を快適に保つことができるようになります。

 

高気密・高断熱の家ってどんな家?

高気密・高断熱の家は、外気温に大きな影響を受けず、室内の温度を一定に保ってくれます。

そのため、冷暖房を過度に使用する必要がなく、省エネな一面も持っているんですよ。他にもメリットがたくさんありますので、見てみましょう。

 

高気密・高断熱のメリット

1.部屋ごとの温度差を解消できる

ヒートショックと一番関連性が高いのがこの部分です。

通常、冬は室内の暖かい熱が外に逃げ、夏は外から熱が入ってきます。この熱の出入りを絶つのが「断熱」です。

断熱材を壁や天井などにいれますが、ただ入れればよいというわけではなく、隙間なく入れる(気密性を高める)ことが不可欠。隙間があるとそこから外気が入り込んで室内の空気が逃げるため、断熱していても部屋ごとの温度差は解消できません。

きちんと断熱材が隙間なく施工されることで、部屋ごとの温度差もなくなり、ヒートショックなどの温度差による健康被害も減らすことができます。

2.結露を抑制できる

結露は、室内の空気に含まれる水蒸気が冷えた窓ガラスなどと接触することで起こります。

断熱・気密性能が低いと、室内の表面温度が下がり、結露しやすくなってしまいます。

窓ガラスなど目に見える部分の結露はまだ対策が取れますが、怖いのは壁の中の結露「壁内結露」です。断熱材が水分を含むと性能が低下するだけでなく、周辺の木材を腐らせる原因やシロアリやダニ、カビの発生にもつながるため、家の寿命を縮めることになってしまうのです。

つまり、断熱・気密性能を高めて結露の発生を抑えることは、家そのものの健康のためにも、住む人のアレルギーなどの健康リスクを減らすためにも大切な要素なんです。

3.きちんと換気ができる

今の新築住宅には24時間換気システムが導入されており、室内の空気を常に入れ替えてきれいな空気環境を保っていますが、気密性能が低いと隙間から空気が漏れるため、きちんと換気ができません。

換気がうまくできていないということは、アレルギーや気管支喘息の原因となるダニやカビの胞子、花粉やほこりなどのハウスダストが家の中に漂い続けているということ。健康に悪影響を及ぼしかねません。

断熱・気密性能を高めることで、しっかり換気ができ、室内の空気環境を清浄に保てるのはもちろん、アレルギーなどの健康リスクからも家族を守ることができます。

4.省エネになる

断熱・気密性能を高めて熱の出入りを遮断することで、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるのはもちろん、家全体を効率よく冷暖房することができるので、消費エネルギーの削減につながり、省エネ面でもとてもメリットが大きいのです。

 

高気密・高断熱のデメリット

1.一般住宅に比べてややコストが上がる

冷暖房などのランニングコストが下がるので、長い目で見るとお得ですが、初期投資としての建築費はどうしても一般の住宅よりはアップします。

しかし、補助金が出るケースもあるのでご安心を。例えば、断熱性能を向上させたり、ZEHにしたりすると国から補助金が支給される制度があります。詳しくはこちらの記事でご確認ください。

2.夏は日光を遮る必要あり

高気密・高断熱の住宅は、その性能ゆえ熱を逃がしにくくなっています。だからこそ冬は室内が温かく保たれるのですが、逆に夏は室内に熱を取り込まないようにする「日射遮蔽」への配慮が必要です。

たとえば日射の角度を計算して軒や庇の長さや角度を設計し、直射日光が室内に入らないようにしたり、窓の前に広葉樹を植えて日射の侵入を防いだり(冬には落葉するので日射を取り込むことができます)、グリーンカーテンを作ったり…と色々対策はできるので、知っておけば恐れることはありません。

 

高気密・高断熱住宅で快適に暮らそう

いかがでしたか?

高気密・高断熱にすると、たくさんのメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

ヒートショックに限らず、室内と室外の温度差、部屋ごとの温度差は少なからず身体に負担がかかるもの。エアコンの効きすぎで体調を崩した、という経験がある方も多いと思いますが、人間は体温調節に多くのエネルギーを使っており、温度差は体に大きな負担となるのです。

長い時間を過ごす家だからこそ、いつまでも安心して健康で過ごせる、という点にはこだわりたいですよね。

高気密・高断熱についてもっと詳しく聞きたいという方は、ぜひお近くの家づくり学校までお越しください。個別相談を実施しております。

また、高気密・高断熱について学べるセミナーや、実際の住まいでその違いを体感していただける建物見学ツアーも開催中です。セミナーページよりご覧ください。

今まで家づくり学校を利用して高気密・高断熱の家を建てられた方の実例もこちらからご覧いただけます。→高気密・高断熱の実例紹介

 

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