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住宅性能と住み心地

地震に強い家って?地震に備えた家づくりをしよう

2023.08.28

地震に強い家って?地震に備えた家づくりをしよう

近年、地震や自然災害が日本各地で起こっています。2018年、記憶に新しいものだけでも、大阪府北部地震や北海道胆振東部地震など被害規模の大きな地震がいくつも起こりました。

そんななか、免震や耐震について改めて考える人も増えたのではないでしょうか。家づくり学校にも、地震や災害の被害によってリフォームを検討される方や、これから家づくりを考える方のなかにも「地震に強い家にしたい」と相談される方が増えてきました。

そこで今回は「地震に強い家」とはどういうものなのかわかりやすく説明していきます。

地震に強いとはどういうこと?

耐震性を決めるのは、地盤・基礎・構造

住宅の耐震性を高める上で重要なのは、地盤・基礎・構造の3つ。構造強度への関心は高いですが、地盤や基礎については意外と知られていません。

しかし、いくら強い建物を建てても、それを支える地盤や基礎が弱ければ、耐震性を確保することはできないのです。大切なのは、地盤調査を行い、適切な地盤補強を施し、きちんと基礎工事が施工されているかどうかです。

そして、その丈夫な基礎の上に、土台と柱がきちんと組まれているかどうかなのです。安心の家づくりのためには、きちんと施工してあるかどうかが大切です。

 

耐震性を示す指標「耐震等級」

建物の耐震性能は、3段階の「耐震等級」で表されます。数字が大きくなるほど建物の耐震性が高いことを示しています。ちなみに、長期優良住宅(※)の基準は耐震等級2以上。

※長期優良住宅…長期にわたって優良な状態で使用するための措置が講じられている住宅を指します。

想定外の地震が多発する今、より大きな地震でも倒壊しない最高等級の耐震等級3を標準仕様とする住宅会社も近年、増えてきています。

 

土地選び、地盤調査の重要性

構造や施工について万全を期すのはもちろんですが、地盤の強い土地を選ぶこと、そして地盤に応じた建物の対策をとることこそ、まず取り組むべき対策といえるかもしれません。

そして最も大切なことは、必ず地盤調査を行い、適切な地盤補強を施すことです。地盤の状態によっては想定外の費用が必要な場合もありますので、地盤補強費用も見込んで予算を立てる必要もあるでしょう。費用はかかっても安心の家づくりのために、きちんと工事を行っておきましょう。

 

弱点のある地盤には対策を

現代では岩盤のような理想的な地盤の土地は少なく、ある程度の弱点をもった地盤でも、住宅を建てているのが実情です。

だからこそ、家を建てる場合は、敷地の地盤をよく調べ、必要に応じて地震時の被害を軽減する対策(地盤改良、杭、基礎の強化など)を講じることが大切です。

 

地形と地盤の関係性が鍵

日本の地形は大まかに、山地、丘陵地、台地、低地に分けられます。実はそれぞれに特徴があり、地形と地盤との関係性が地震に強い家づくりのポイントとなります。

古い地層である山地や丘陵地、台地は、盛土した造成地などは別として、一般には良好な地盤です。

それに対して、低地はより新しい地層をもち、雨水や地下水の集中などにより、軟弱で不安定な地盤が多いとされています。川・池の近くや坂道の下、水に関係する文字が地名に含まれる土地は、低地であることが多いのです。

 

災害対策は「土地選び」から

土地の災害リスク(地震、洪水、津波、土砂災害など)や特徴を知った上で土地を選び、リスク回避の対策を取ることも大切です。

国土交通省のハザードマップポータルサイトはじめ、各自治体でも各種災害リスクの予測範囲や避難場所を示したハザードマップを作成・公開しているので参考にしてみましょう。

国土交通省ハザードマップポータルサイト

 

地震に強い構造とは?

地盤・基礎と並んで重要な構造ですが、どちらかというと皆さんは構造のほうに関心が向いているのではないでしょうか。

構造にも様々な種類があり、それぞれにメリットやデメリットが存在するわけですが、最も分かりやすい言い方をすれば、地震に強いのはシンプルな構造です。

形や構造が複雑になるほど、地震の揺れが分散されないため、倒壊につながりやすくなります。平屋建てに関する記事でも以前紹介しましたが、2階建てよりは平屋のほうが構造もシンプルで重量も軽くなるため、地震に強いといえます。

もちろん、2階建てが一概に地震に弱いというわけではなく、バランスや構造を考えれば、2階建てでも地震に強い家を建てることは可能です。遠慮なくプロに相談して、地震に強い構造を実現しましょう。

 

地震保険への加入

ここまでは地震に強い家を作るために重要なポイントをご紹介しました。しかし、いくら地震への対策を施しても、免れられない規模の地震が起こることは充分考えられます。

そのためにぜひ、地震が起きてしまった後のことを考えて備えておきましょう。

 

どんな損害を補償してくれる?

  • 地震による火災
  • 地震による損壊
  • 噴火による埋没
  • 津波による流失

地震保険は国と民間の保険会社が共同で運営している保険のため、補償内容も保険料も各社同じ内容となっています。(一部、払込方法によって保険料が異なる場合があります。)

地震保険の対象は建物と家財です。(保険金支払いの対象となるにはさまざまな要件があります)

 

地震保険の特徴

必ず火災保険とセットで契約しなければならず、地震保険単独では契約できません。

②地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の割合で設定。ただし限度額があり、建物は5000万円、家財は1000万円まで

③最長5年まで保険料を一括で支払える。(火災保険は10年まで)

④地震保険の保険料は保険料控除の対象となります。(火災保険料部分は地震保険料控除の対象となりません)

⑤地震保険の保険料は、所在地と建物によって異なります。

⑥地震保険料は、地域と建物の構造によって保険料が決まり、さらに対象建物の免震・耐震性能に応じた割引制度があります。

 

もしもに備えて万全な対策をとろう

いかがでしたか?

地震に強い家づくりのポイントに加え、地震保険についてもご説明してきましたが、地震保険は高い、と思ってこれまで加入してこなかった方も少なくないと思います。

しかし、地震や災害に対しては、どれほど備えをしても充分とはいえないのです。自分が被害にあうかどうかは分かりませんが、もし巻き込まれてしまったときに被害を最小限に抑えるための備えをしっかりしておきましょう。

この記事で取り上げたポイントをもとに、具体的な手法などについてはプロに相談してみてください。もちろん、家づくり学校でも無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご利用くださいね。

 

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