地元工務店で家を建てて後悔?メリット・デメリットや失敗しない選び方を解説!
2025.05.23

「地元の工務店で家を建てて、後悔してしまったらどうしよう…」
マイホームは人生でも大きな買い物だからこそ、住宅会社選びに不安を感じる方は少なくありません。
本記事では、地元工務店でありがちな後悔ポイントとその対策をわかりやすく解説。さらに、大手ハウスメーカーとの違いや、工務店を選ぶ際のチェックポイント、メリット・デメリットまで詳しくご紹介します。
後悔のない家づくりの第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 地元工務店で家を建てて後悔するケース
- 地元工務店のメリット・デメリット
- 地元工務店で失敗しないためのチェックポイント
この記事を監修した人

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1.地元工務店とは?
地元工務店とは、特定の地域に根ざし、その土地の気候や風土に適した家づくりを得意とする住宅会社です。地域密着型で、施主の希望にきめ細かく対応できる柔軟さが魅力とされています。
ハウスメーカーに比べて小規模な会社が多く、設計・施工・現場管理を社内で一貫して行っている場合もあります。地域の特性をよく理解しているため、住まいの提案にも地元ならではの工夫が活かされます。
また、施主と工務店が直接契約を結ぶケースが多く、距離が近いため信頼関係が築きやすく、アフターサポートにも力を入れている会社が多いのも特徴です。
地元工務店と大手ハウスメーカーとの違い
地元工務店 | 大手ハウスメーカー | |
価格 | 比較的低い | 高い |
施工エリア | 地域限定 | 全国対応 |
品質 | 会社によってバラつきがある | 安定 |
プランの自由度 | 自由度が高い | ある程度規格化されているため 自由度は低い |
アフターメンテナンス | 会社によってバラつきがある | 基本的にある |
地元工務店と大手ハウスメーカーの違い
上の図にある通り、地元工務店と大手ハウスメーカーの大きな違いは、まず価格面にあります。ハウスメーカーは広告費やモデルハウス維持費がコストに上乗せされやすく、建築費用(坪単価)が高くなりがちです。一方、地元工務店はそうした経費が少ないため、比較的リーズナブルに建てられる傾向があります。
また、ハウスメーカーは施工を下請け業者が行うことが多いのに対し、地元工務店は地元の自社大工、もしくは地元の職人の施工なので中間コストを抑えやすく、柔軟な対応が可能です。
品質や性能面では、ハウスメーカーは耐震性・断熱性などの最新技術を取り入れた安定した品質の住宅を提供し、全国にあるモデルハウスで完成イメージも掴みやすいという強みがあります。
地元工務店は提案力や技術力に差が出やすいものの、お客さまの希望にゼロから向き合う自由な家づくりが魅力。モデルハウスがない会社も多いため、施工事例などで判断する必要があります。
工務店やハウスメーカーの見極め方は以下の記事でも詳しく解説しています。
ハウスメーカーはどこも同じ?失敗しない選び方を解説
失敗しない工務店の選び方とは?良い工務店・悪い工務店の見分け方を解説
2.地元工務店で家を建てて後悔するケース6選と対策
地元工務店での家づくりには魅力がある反面、選び方を間違えると「こんなはずじゃなかった…」と後悔する事態になりかねません。
ここでは、地元工務店に依頼して家を建てた際によくある後悔のケースを6つと、対策も合わせて紹介します。
- モデルハウスがなく完成イメージがしにくかった
- 接客態度が良くなかった
- 建設中・建設後に倒産してしまった
- 完成まで時間がかかってしまった
- 見積もりが大雑把だった
- アフターサービス・保証の説明が不十分だった
以下で詳しく解説します。
モデルハウスがなく完成イメージがしにくかった
大手ハウスメーカーでは、全国にモデルハウスや住宅展示場が整備されており、実際の空間や仕上がりを直接体感できる機会が豊富にあります。
一方で地元工務店の多くは、常設の展示場(モデルハウス)を持たないケースも多く、資料や図面、パース画像などの「二次情報」だけで判断しなければならないことも少なくありません。結果として、完成後に「思っていたのと違った…」というイメージのギャップに悩まされる可能性もあります。
対策:施工事例や完成見学会・OB宅訪問で具体的なイメージを掴む
モデルハウスがない工務店でも、完成後のイメージを具体的につかむ方法はいくつかあります。
まずは施工事例集を活用し、間取りやデザインの傾向、自分たちの好みに合うスタイルかどうかをチェックしましょう。さらに、完成見学会に参加すれば、図面ではわかりにくい空間の広さや素材の質感、明るさなどを体感できます。
また、実際にその工務店で建てた施主の住まいを訪れる「OB宅訪問」に参加できれば、住み心地やアフター対応への満足度など、リアルな声を聞くことができます。こうした機会を積極的に活用することで、完成後のギャップを防ぎ、安心して家づくりを進められます。
接客態度が良くなかった
「地元工務店にお願いしたけれど、担当者の態度に不満が残った」「打ち合わせのたびにストレスだった」という声も少なくありません。
特に地域密着型の工務店は、現場経験の豊富な「職人気質」の方が打ち合わせを担当することもあり、良くも悪くも独自のスタンスで接してくるケースがあります。家づくりに対する熱意やプライドの強さが、時には施主の希望に対して否定的な物言いになってしまうこともあり、それが「感じが悪かった」「話しにくかった」という印象につながるのです。
もちろん、接客態度の良し悪しや相性の問題は工務店に限らずハウスメーカーでも起こり得ることですが、注文住宅は長い時間をかけて一緒に家づくりを進めていくプロセスです。信頼できない相手とのやり取りでは、細かい要望も言い出しにくくなり、結果的に満足度の低い家になってしまうリスクもあります。
対策:初回対応で相性や対応力をしっかり見極める
接客態度や相性のミスマッチを防ぐには、初回対応の段階でその工務店の「人となり」をしっかり見極めることが大切です。問い合わせへの返信スピードや言葉づかい、ヒアリング時の姿勢や質問への答え方など、最初のやり取りにこそ人柄や対応力が表れます。
また、こちらの要望に対してどのように受け止めてくれるか、きちんと話を聞いたうえで提案してくれるかも重要なポイントです。違和感やストレスを感じたら、その直感を無視せず、他の会社も検討する余地を残しておきましょう。
建設中・建設後に倒産してしまった
地元工務店の中には、大手ハウスメーカーと比べて資本力が小さく、経営基盤が脆弱な会社も存在します。そのため、極端な例ではありますが、建設途中で会社が倒産し、家が完成しないまま工事がストップしてしまったというトラブルも実際に起こっています。たとえ完成して引き渡されたとしても、その後に会社がなくなってしまえば、保証やアフターサービスを受けられない可能性もあり、不安に感じる方は少なくありません。
特に、注文住宅は完成までに長い期間を要し、施工中にも資金の分割払いが発生します。そのため、施工会社が最後まで責任を持って完了・維持してくれる体制があるかどうかは、依頼先選びで非常に重要なポイントになります。
対策:保証制度の有無や経営実績を事前にチェックする
こうした倒産リスクへの備えとしてまず確認したいのが、「住宅完成保証制度」への加入有無です。これは万が一、工務店が建築途中に倒産などで工事を継続できなくなった場合に、他の事業者による工事の引き継ぎや、追加費用の一部補填などを通じて、住宅の完成を支援してくれる制度です。
必ず加入しているわけではないため、契約前に制度の利用可否をしっかり確認しておきましょう。
また、会社の創業年数や施工実績、過去のトラブル履歴なども調べておくと、経営の安定性を判断する材料になります。決算情報や財務内容まで把握するのが理想ですが、難しければ「地域で長く続いているか」「紹介や口コミが安定しているか」を一つの目安にするとよいでしょう。
完成まで時間がかかってしまった
地元工務店で家を建てる場合、間取りや仕様をゼロから自由に決められるぶん、打ち合わせの回数が多く、決定事項も多岐にわたるため、想定以上に時間がかかってしまうケースがあります。また、小規模な工務店では一人の担当者が複数案件を兼任していることも多く、プラン作成や着工準備に時間を要し、全体のスケジュールが遅れがちになることもあります。
さらに、工期そのものが長引くこともあり、「もう少し早く完成すると思っていたのに…」と後から後悔する声も少なくありません。とくに入居のタイミングが引越しや子どもの進学などに関わる場合、遅延の影響は大きくなります。
対策:工期の目安とスケジュール管理の体制を確認する
工期の遅延を防ぐためには、スケジュール管理の体制がしっかりしているかを事前に確認することが不可欠です。まず、打ち合わせの段階で「着工はいつ頃になりそうか」「完成はいつ頃か」など、ざっくりとした目安ではなく、具体的なスケジュールを提示してもらいましょう。工務店によっては工程表を用意してくれる場合もあるので、それを元に打ち合わせの進行具合と照らし合わせて、遅延の兆しがないか確認できます。
また、工期に関する約束事は、契約書に明記しておくことが重要です。「◯月末までに引き渡し」といった具体的な納期が明文化されていれば、万が一トラブルが起きた際にも対処しやすくなります。打ち合わせが長引きそうな場合には、優先順位の高い仕様から順に決定するなど、自分たちの判断スピードも意識しながら、計画的に進めることも完成までの近道になります。
見積もりが大雑把だった
地元工務店でよく聞かれる後悔のひとつが、「見積もりがざっくりしすぎていて、後から追加費用が発生してしまった」というケースです。大手ハウスメーカーの場合、社内で見積もり作業がシステム化・分業化されており、細かな項目まで記載された見積書を提示してくれることが一般的です。
しかし、地元工務店では設計・施工・見積もりを1人の担当者が兼任していることも多く、見積もり内容が曖昧だったり、抜け漏れがあったりするケースも見られます。
その結果、工事が進んでから「これは別料金になります」と言われ、予算オーバーに…というトラブルが発生することがあるかもしれません。
対策:概算見積もりだけでなく詳細な見積もりをもらう
このようなトラブルを防ぐには、「概算見積もり」と「詳細見積もり」の違いを理解し、段階に応じて求めることが大切です。
初期段階ではざっくりした金額提示でも問題ありませんが、契約に進む前には必ず内訳が明記された詳細見積もりを出してもらいましょう。
その際、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」「オプション」「外構工事」などがすべて網羅されているかをチェックし、「どこまでが見積もりに含まれていて、どこからが追加になるのか」を明確に確認しておくことがポイントです。
また、気になる項目は遠慮せず質問し、「○○の仕様は標準?追加費用は?」といった具体的な確認も重要です。見積もりは会社の誠実さを見極める試金石でもあります。「説明が不十分」「はぐらかされる」と感じたら、その時点で再考すべきかもしれません。
納得できるまで確認し、不安な点は書面に残すことで、予算のブレや思わぬ追加費用のリスクを最小限に抑えられます。
アフターサービス・保証の説明が不十分だった
地元工務店の中には、アフターサービスや保証体制をしっかり整えている会社もありますが、中には対応内容が曖昧で体系化されていないところも存在します。そうした会社を選んでしまうと、実際に住み始めてから不具合が発生しても、「それは保証対象外です」と断られてしまったり、修理対応が遅れるなどのトラブルにつながる恐れもあります。
「地元で長くやっているから」「知人の紹介だから」と安心してしまいがちですが、評判の良さとアフター体制の実態は必ずしもイコールではありません。
家は完成してからが本当のお付き合いがスタートすると言っても過言ではありません。住んだ後に困らないためにも、アフター対応の中身を見極めることは非常に重要です。
対策:契約前に保証内容と対応範囲を文書で確認する
アフターサービスに関する後悔を防ぐには、保証内容とその対応範囲を、契約前に必ず書面で確認・保存しておくことが何より大切です。例えば「定期点検の有無とその回数」「不具合発生時の連絡手段と対応スピード」「構造躯体や設備機器の保証期間」「地盤や防水に対する保証内容」など、各項目ごとの対応ルールを具体的に聞き出しましょう。
また、保証内容が明記された資料を受け取り、それが契約書に反映されているかを確認することもポイントです。小さな不具合でもスムーズに対応してくれるかどうかは、家づくりの満足度を左右する大きな要素。見積もりや間取りの比較と同様に、アフターサービスの体制もしっかりチェックしておくことで、住んでからの安心感と信頼感が大きく変わってきます。
以上が、地元工務店に注文住宅の建築を依頼した際の後悔例とその対策です。
こういった後悔や失敗を防ぐためにも、ぜひ「家づくり学校」をご利用ください。
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さらに、お伝えする住宅会社の情報は、各アドバイザーが実際に現地で見て、話を聞いて、体感してきた“生の情報”をもとにしているのが特徴です。
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3.地元工務店で家を建てるデメリット
ここでは、後悔を防ぐために知っておきたい地元工務店ならではのデメリットについてご紹介します。
- ハウスメーカーよりも倒産のリスクが高い
- 知識や技術がアップデートしていない場合がある
- 経営基盤や技術力にばらつきがある
- 情報が少ない・比較しづらい
以下で詳しく解説します。
ハウスメーカーよりも倒産のリスクが高い
地元工務店は小規模な企業が多く、ハウスメーカーに比べて経営基盤が脆弱な傾向があります。景気の影響や自然災害、後継者不足などで突然事業継続が困難になるケースもあり、建築途中で倒産してしまうリスクもゼロではありません。
また、完成後の長期保証やアフターサービスも「会社が存続していればこそ」成り立つものであり、将来的な安心感に不安を感じる方もいるでしょう。
とはいえ、すべての工務店が不安定なわけではありません。中には、住宅完成保証制度に加入し、万が一の倒産時も工事を引き継げる体制を整えている工務店もあります。契約前には必ず、保証制度の有無や創業年数、施工実績などから経営の安定性をチェックするようにしましょう。
知識や技術がアップデートしていない場合がある
住宅業界では日々、耐震・断熱性能や省エネ設備などが進化していますが、工務店の中には「昔ながらのやり方」にこだわり、新しい情報を取り入れていない会社もあります。地元の評判だけで受注が続いているような場合、設計提案や性能面で期待できない可能性もあるため注意が必要です。
見極めるポイントとしては、最近の施工事例や提案内容にどれだけ新しい技術や制度が反映されているかということ。建築基準の変化に柔軟に対応し、施主の希望に沿った提案をしてくれる会社かどうか、すなわち「勉強を続けている会社か」を見極める目が求められます。
経営基盤や技術力にばらつきがある
ハウスメーカーは工場での規格生産により品質が安定していますが、工務店の場合は施工する職人の腕前に左右される部分が大きく、仕上がりに差が出やすいのが実情です。とくに構造・断熱・気密といった住宅性能に関しては、施工精度によって実際の数値に差が生じることもあります。
ただし、全体の品質向上に取り組んでいる工務店も多く、フランチャイズや建築技術団体に加盟している会社では研修制度や品質基準の導入に力を入れている例もあります。
工務店を選ぶ際には、「誰が施工するのか」や「どんな品質管理体制があるのか」まで含めて確認しておくことが重要です。
情報が少ない・比較しづらい
地元工務店は数が多く、ネット上での情報が限られていることもあるため、比較検討がしづらいという声もよく聞かれます。特に初めての家づくりでは、どこを見ればよいのか、何を基準に選べばよいのかがわからず、時間と手間がかかるのが現実です。
このような場合は、「家づくり学校」のような中立的な立場で地域の優良工務店を紹介してくれる無料相談サービスを活用するのがおすすめです。予算や希望スタイルに合った会社を第三者の視点で提案・紹介することができるので、ミスマッチや情報不足のリスクを減らすことができます。
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4.地元工務店で家を建てるメリット
デメリットもある地元工務店ですが、大手ハウスメーカーにはない魅力や利点も多くあります。
- 建築コストを抑えられる
- 自由な設計ができる
- 地域に合った家づくりができる
- トラブルへの対応が柔軟
ここでは、地元工務店を選ぶことで得られる代表的な5つのメリットをご紹介します。
さらに工務店の中には「スーパー工務店」という高い技術力を持った工務店も存在します。こちらもあわせて紹介します。
建築コストを抑えて高い品質の住宅を提供できる
地元工務店の最大の強みのひとつが、コストパフォーマンスの良さです。大手ハウスメーカーのように広告宣伝費やモデルハウスの維持費、営業スタッフの人件費などが価格に上乗せされにくいため、同じ予算でもより広い延床面積や、グレードの高い設備を実現できる可能性があります。
また、工務店は中間マージンが少ない構造であることが多く、自社もしくは地元の職人と直接契約して施工を進めるため、適正価格での家づくりが期待できます。予算に限りがあるご家庭でも、柔軟な提案で理想の住まいを叶えてくれるケースも多いのが特長です。
自由な設計ができる
ハウスメーカーはある程度「規格化された商品住宅」がベースですが、地元工務店では完全オーダーメイドに近い家づくりが可能です。間取りはもちろん、設備や内装、素材選びに至るまで細かく要望を反映しやすく、「世界に一つだけのマイホーム」を実現したいという方にはぴったりです。
さらに、途中での仕様変更や追加希望にも柔軟に対応してくれる工務店が多く、「現場を見てからやっぱりここは変えたい」といった相談もしやすいのが大きな魅力です。こだわり派の方にとって、制限の少ない家づくりができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
地域に合った家づくりができる
その地域で長年にわたり施工を行ってきた工務店であれば、地元の気候や地盤、風の通り方など土地固有の条件に精通しています。たとえば雪が多い地域では雪対策を施した屋根や構造、夏冬の寒暖差が大きいエリアでは断熱性や通風を工夫したプランニングなど、地元ならではの気候対応力が生きた設計を提案してくれます。
また、「パッシブデザイン」という自然の力を最大限に活用した設計が得意な工務店も多いです。
こうした地域密着型の家づくりは、大手では得にくい細やかさや実用性を兼ね備えており、結果的に長く快適に暮らせる住まいにつながります。
トラブルへの対応が柔軟
地元工務店では、営業・設計・現場監督・アフター担当が同じ人物ということも珍しくなく、施主との距離が非常に近いのが特徴です。そのため、「扉の閉まりが気になる」「設備の調子を見てほしい」といったちょっとしたトラブルでも、すぐに相談しやすく、対応もスピーディーです。
また、担当者が長期間一貫して関わってくれることも多く、家を建てた後も気軽に相談できる関係が続く点は、大手にない安心感と言えるでしょう。「建てて終わり」ではなく「建てたあとも続く関係」を重視したい方にとっては、心強い存在になってくれるはずです。
「工務店=小規模で技術が劣る」というイメージを持たれることも多いですが、大手ハウスメーカーの住宅性能や設計力を凌駕する「スーパー工務店」という会社も存在します。
こうした工務店は、高気密・高断熱、パッシブデザイン、耐震性能などにおいて、最新の住宅性能を標準仕様で提供していることもあります。
「家づくり学校」では、こうしたスーパー工務店を含む、高品質な家づくりを行う地域の優良工務店の紹介・提案も行っています。技術と信頼性を両立した依頼先を探している方は、ぜひ活用してみてください。
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5.後悔しないための地元工務店のチェックポイント5選
地元工務店で理想のマイホームを実現するためには、契約前の見極めが非常に重要です。大手とは違い、情報量が限られていたり、会社ごとに特徴や実力にバラつきがあるからこそ、慎重に選ぶ姿勢が後悔を防ぎます。
ここでは、信頼できる工務店を見つけるためにチェックしておきたい5つのポイントを紹介します。
- 施工事例や実績
- 建築コストの相場感
- 住宅性能のレベル・各測定の有無
- 注文住宅とリフォームの対応割合
- 住宅完成保証制度を利用できるか
以下で詳しく解説します。
施工事例や実績
まず注目したいのがその工務店が「どんな家を建ててきたのか」という点です。公式サイトやパンフレットで施工事例を確認するのはもちろん、完成見学会に参加して実際の建物を見学できると理想的です。施工事例から、デザインの傾向や得意分野も見えてきます。
さらに、ネットの口コミやOB施主の評価も参考になります。とくに「施工後の対応」「アフターサービスの丁寧さ」といった長く付き合ううえでの信頼性についても確認しておくと安心です。地域で長く営業している工務店ほど、信頼を積み重ねてきた実績があるといえるでしょう。
建築コストの相場感
当たり前ですが、その会社の建築コストの相場観を押さえておきましょう。
相場観を抑えるためには、見積もりを1社だけに依頼して決めてしまうのは危険です。できれば2〜3社は相見積もりを取り、価格・提案・対応の違いを比較するようにしましょう。見積書の内訳やオプションの有無まで丁寧に見比べることで、適正価格がわかるだけでなく、「この工務店はどこに力を入れているか」「説明が丁寧かどうか」といった姿勢の違いも見えてきます。
焦って決めるのではなく、じっくり比較しながら自分たちの感覚に合う工務店を見つけていくことが、納得のいく家づくりにつながります。
住宅性能のレベル・各測定の有無
高気密・高断熱や耐震・制振、さらにはパッシブデザインなど、住宅性能にこだわりたいなら、性能数値の「裏付け」があるかどうかを必ず確認しましょう。例えば、気密性能(C値)の測定を全棟実施しているか、耐震等級や断熱性能の根拠が明確か…といった点です。
「UA値やC値を提示してくれますか?」「測定はどの段階で、誰がやっていますか?」など、数値を提示する根拠や測定方法を具体的に尋ねることがポイントです。性能を数値で語れない会社は、見た目だけの提案に終始してしまう可能性もあるので注意しましょう。
注文住宅とリフォームの対応割合
その工務店が新築中心なのか、リフォーム中心なのかという事業バランスもチェックすべきポイントです。地域密着の工務店の中には、受注の多くがリフォームという会社もあり、新築住宅においては経験が浅い場合もあります。
「家づくり学校」が発行している情報誌などでは、地域ごとに各工務店の新築・リフォーム比率が掲載されています。注文住宅をメインにしているか、どのくらいの棟数をこなしているかも含めて確認すると、安心して任せられるかどうかの判断材料になります。
住宅完成保証制度を利用できるか
契約前に必ずチェックしたいのが、保証内容とアフター体制です。構造躯体の10年保証は法律で定められていますが、それ以上の延長保証や定期点検制度があるかどうかは会社ごとに異なります。
特に注目したいのが、「住宅完成保証制度」に加入しているかどうかです。これは、工事中に万が一、工務店が建築途中に倒産などで工事を継続できなくなった場合に、他の事業者による工事の引き継ぎや、追加費用の一部補填などを通じて、住宅の完成を支援してくれる制度です。
引き渡し後の連絡窓口や対応スピードについても、契約前に具体的に確認しておくと安心です。「家が完成したあとも、しっかり面倒を見てくれるか?」という視点で選ぶことが大切です。
\迷ったら、聞いてみよう!/
6.【体験談】家づくりの先輩たち聞いた!地元工務店を選んだ理由
家づくりは、一生に何度もない大きな決断。だからこそ、「どの住宅会社を選ぶか」に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。ハウスメーカー、設計事務所、そして地元の工務店。
選択肢が多い中で、実際に家を建てた先輩たちは、どのようにして「地元工務店」を選ぶ決断に至ったのでしょうか。
この章では、リアルな体験談をもとに、地元工務店を選んだ理由や、その決断がどのような満足や安心につながったのかをご紹介します。
内容とコストのバランスがよかった
Mさんファミリー 【岡山県倉敷市】 2023年完成
この工務店を選んだ理由は?
提案してくれた間取りが一番しっくりきたのと、内容とコストのバランスがよかったことが決め手です。常に私たちと一緒にどうすればいいかを考えてくださったのも頼もしかったです。
マイホームを実現された喜びを一言
住み心地がとてもよいです。1年過ごしてみて、冬は窓際でも全然寒くないし、結露もありません。アパートの時は隙間風がストレスでしたが、今は全くありません。夏は家に帰ってからエアコンをつけて涼しくなるまでのスピードが早いことにも感動。夏も冬も日中はエアコン1台で快適ですし、設定温度も控えめで十分。太陽光発電のおかげもあり、電気代もアパートの時より抑えられています。
木のぬくもりを感じる家にしたかった
Tさんファミリー 【埼玉県狭山市】 2024年完成
この工務店を選んだ理由は?
木のぬくもりを感じる家にしたかったので、植林から製材、施工まで一貫して行い、西川材や自然素材にこだわっているところに魅力を感じました。最終的には担当者の人柄と、予算内で要望を実現できる点で決めました。
大手ハウスメーカーで家を建てようと決めかけていたのですが、間取り図や内装のイメージパースを見て、当時の賃貸と大きく変わらないと物足りなさを感じていました。その選択をやめて再度、会社を学び直すことで、私たちは結果的にとてもよい選択ができたと思っています。皆さんも、ぜひ後悔のない選択を!
マイホームを実現された喜びを一言
夏でも家に入ると空気や床がサラっとしていて快適です。また、壁や天井の仕上げ材に木を使っているので視覚的にも癒やされています。
家づくりに対する熱意が感じられたから
Yさんファミリー 【岡山県井原市】 2024年完成
ズバリ、この住宅会社に決めた理由は?
重視していた性能レベルも申し分なく、デザインも私たち好みでバランスがよかったこと、そして、スタッフの皆さんの家づくりに対する熱意が感じられたからです。
マイホームを実現された喜びを一言
外が寒くても、家の中は何もつけなくてもあたたかいです。お気に入りのリビングで夫婦で毎晩夜更かししています(笑)。
後悔のないように自分たちに合った工務店を見つけることが大切です。そして、意見や要望はしっかりと伝えた方がいいですね。100%後悔のない家づくりは難しいかもしれませんが、全力で取り組めば、必ず愛着の湧く「自分たちだけの家」が完成すると思います。
7.まとめ
地元工務店には、大手ハウスメーカーにはないコストの魅力や自由な設計力、地域性への対応力など、たくさんのメリットがあります。一方で、倒産リスクや技術力のばらつき、情報の少なさといった注意点もあるため、事前のチェックや比較検討がとても大切です。
今回の記事で解説してきたように、工務店の特性を正しく理解し、冷静に見極めていけば、きっと自分たちにぴったりの住まいを実現できるはずです。
とはいえ、「どこから情報を集めればいいの?」「比較のポイントがわからない…」と不安を感じる方も多いでしょう。
そんなときは、「家づくり学校」の無料個別相談をご活用ください。
経験豊富なアドバイザーが第三者の視点で丁寧にアドバイスし、ご希望やご予算に合った信頼できる地元工務店や住宅会社をご提案・紹介します。
無理な押しつけは一切ありませんので、安心してご相談いただけます。
「情報収集をスムーズに進めたい」「後悔のない選択をしたい」という方は、ぜひお気軽に『家づくり学校』へ。プロのサポートを受けながら、納得と安心の家づくりをスタートしましょう。
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