注文住宅の平均価格、相場はどれぐらい?実例を一挙公開
2024.07.17
2023.10.07
注文住宅では自分たちの希望や予算に合わせた家づくりができるのが特徴ですが、どんな間取りやどういった仕様にするかによってどれくらいの金額になるのか?ということを前もって知っておかなければ、満足のいく家づくりを実現することが難しいものでもあります。
加えて注文住宅の依頼先としても工務店やハウスメーカー、ビルダーなど業態は多様であり、各社ごとに目安価格や得意分野なども異なるので、それぞれの違いや特徴も理解しておく必要があります。
そこで今回は「注文住宅の平均価格や相場観」をテーマに、実例と直近の全国データを踏まえて住宅会社選びのポイントなどを解説します。
本記事は、累計23000組以上の家づくりをサポートさせていただいた「家づくり学校」が執筆しています。
家づくり学校では、家づくりの基本的な知識や予算設定のコツ、信頼できる住宅会社・工務店の見極め方などを公平かつ中立の立場で個別相談やセミナーを通してレクチャーしています。
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ご利用はいずれも無料ですので、注文住宅を建てることを検討されている方はぜひ一度ご相談くださいませ。
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この記事を読んでいただきたい人
- 注文住宅の予算感について知りたい人
- 家づくりを何から始めるべきか困っている人
- 自分たちに合う住宅会社が分からない人
- 住宅会社をいろいろ見過ぎてわからなくなった人
注文住宅の間取り別平均価格、総費用は?
本章では「国土交通省住宅市場動向調査(令和4年度)」のデータを参考に注文住宅の間取り別平均価格、総費用について見ていきます。
注文住宅を建てる際に必要となる費用の内訳について
土地代
当然ですが、注文住宅の建築には土地が必要です。親御さんや親族の方が所有する土地がある場合はそちらを利用して建築される方もいらっしゃいますが、そうでない場合は土地を購入する必要があります。
「国土交通省住宅市場動向調査(令和4年度)」のデータによると、土地購入資金は全国平均で1,819 万円、三大都市圏(首都圏:東京圏、近畿圏:大阪圏、中京圏:名古屋圏)の平均で2,626万円となっています。
建築費用
続いては住宅の建築費用についてです。「国土交通省住宅市場動向調査(令和4年度)」のデータによると、注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は全国平均で3,935万円、三大都市圏の平均で4,504万円となっています。
全国の土地代、平均的な坪単価は?
全国平均
「土地代データ」によると、日本全国の公示地価は平均24万2691円/㎡、坪単価では平均80万2285円/坪となっています。基準地価ですと平均15万8381円/㎡、坪単価では平均52万3573円/坪です。宅地の平均地価では10万3943円/㎡、坪単価では34万3615円/坪です。
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
公示地価 | 24万2691円/㎡ | 80万2285円/坪 |
基準地価 | 15万8381円/㎡ | 52万3573円/坪 |
宅地の平均地価 | 10万3943円/㎡ | 34万3615円/坪 |
※参考:「土地代データ[令和5年分のデータ]」より
首都エリアの土地相場
※首都エリア:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
地価 | 41万7672円/㎡ | 138万0734円/坪 |
地価公示価格 | 45万7471円/㎡ | 151万2301円/坪 |
調査地価(基準地価) | 35万4782円/㎡ | 117万2835円/坪 |
近畿エリアの土地相場
※近畿エリア:関西地方。三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
地価 | 19万6942円/㎡ | 65万1048円/坪 |
地価公示価格 | 20万6515円/㎡ | 68万2694円/坪 |
調査地価(基準地価) | 18万0865円/㎡ | 59万7901円/坪 |
中部エリアの土地相場
※中部エリア:新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
地価 | 11万2410円/㎡ | 37万1604円/坪 |
地価公示価格 | 13万0095円/㎡ | 43万0066円/坪 |
調査地価(基準地価) | 9万1031円/㎡ | 30万0930円/坪 |
中国地方の土地相場
※中国地方:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
地価 | 7万2542円/㎡ | 23万9811円/坪 |
地価公示価格 | 9万2235円/㎡ | 30万4912円/坪 |
調査地価(基準地価) | 5万2603円/㎡ | 17万3894円/坪 |
四国地方の土地相場
※四国地方:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
地価 | 5万1608円/㎡ | 17万0605円/坪 |
地価公示価格 | 6万3847円/㎡ | 21万1066円/坪 |
調査地価(基準地価) | 4万2704円/㎡ | 14万1172円/坪 |
九州地方の土地相場
※九州地方:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
項目(平均) | 平米単位 | 坪単価 |
地価 | 9万5797円/㎡ | 31万6686円/坪 |
地価公示価格 | 12万2292円/㎡ | 40万4274円/坪 |
調査地価(基準地価) | 7万5114円/㎡ | 24万8313円/坪 |
予算別の設備、間取り事例
注文住宅は予算に合わせて検討できるのが魅力の一つです。設備仕様や間取り(延床面積※)によっては、建築費用が1000万円台からで実現できる家づくりもあります。ここからは、予算別(1,000万円台、2,000万円台、3,000万円台、4,000万円台)の設備や間取りの事例を見ていきます。
※なお、「国土交通省住宅市場動向調査(令和4年度)」のデータによると、注文住宅(新築)における平均延床面積は123.5㎡(約37坪)となっています。建物面積(延床面積)が大きくなればなるほど建築費用は高くなり、小さくなればなるほど建築費用も安くなります。
1,000万円台:無駄を省いたシンプルなデザイン
例)コンパクトな規格住宅(平屋) ※画像はイメージ
2LDKの平屋。広めのLDK(20畳)でのびのびと暮らすことが可能。
2,000万円台:一部こだわったデザインの実装も可能に
例)吹き抜けがある注文住宅(2F建て) ※画像はイメージ
4LDK+S。動線設計と採光計画、外からの視線にまでこだわった設計デザイン。
3,000万円台:細部までこだわった希望通りの家が建てられる価格相場
例)将来は1Fで過ごせる&収納たっぷりな注文住宅(2F建て) ※画像はイメージ
4LDK+2S。収納は2FにWICが2つで、大容量かつ使い勝手も良い。
4,000万円台:オプションや設備グレードアップなども考慮した家づくりが実現できる
例)2世帯でも大丈夫!7LDKの注文住宅(2F建て+小屋裏収納) ※画像はイメージ
6人以上の大家族や2世帯同居でもゆったり過ごせる7LDK。設備・収納も充実。
あなたに最適な建築予算とは?決め方と返済計画の例をご紹介
家づくりの最初の一歩は、自分たちにとって無理のない予算を把握すること。そのためにも住宅会社を訪問する前に、自分たちにとっての適正予算を考えていくことが大切です。
最適な予算の考え方⇒借入額はできるだけ抑えて無理のない返済計画とすることが、住宅取得後の生活のためにはとても大切になってきます。
年収別の土地代+注文住宅の予算相場
以下、参考までに世帯年収400~800万円の予算目安を一覧形式でまとめました。
世帯年収 | 土地代+注文住宅の予算相場 | ||
6倍 | 7倍 | 8倍 | |
400万 | 2400万 | 2800万 | 3200万 |
500万 | 3000万 | 3500万 | 4000万 |
600万 | 3600万 | 4200万 | 4800万 |
700万 | 4200万 | 4900万 | 5600万 |
800万 | 4800万 | 5600万 | 6400万 |
自分たちの世帯年収や上記で挙げた各地域ごとの土地代+注文住宅の平均価格を照らし合わせた上で、年収の何倍の住宅ローンを借りなければならないかをチェックしましょう。
一般的に6倍が安心な倍率、借りるとしても7倍程度に抑えておくのが、無理のないラインとなっています。
希望する土地、住宅に対して予算が大幅にオーバーする場合は、地価の低いエリアに土地を変更することや、住宅の大きさを小さくするなども検討していくべきです。
ここで大切なのは住宅ローンの支払いだけを見るのではなく、「月々の光熱費の支払い」や「メンテナンス費」など、『建てた後のランニングコスト』も考慮した家づくりを進めるということです。
建てた後、住み始めてからの費用も決して侮ることはできません。「ライフサイクルコスト(生涯でかかるお金)」も考慮して家づくりを進めていきましょう。
※ライフサイクルコストの概念はこちらでも解説しています。
「自分にあった住宅会社がわからない」という方は「家づくり学校」で家づくりの基本知識を付けて住宅会社の見極め方を学ぶことがおすすめです。
全国選りすぐりの住宅会社の中から、ぴったりの住宅会社をご紹介・提案いたします。知識をつけた上で選ぶので納得の家づくりになります。
金額だけで決めるのは危険?失敗しないための注意点をご紹介
人生で最大の買い物と言われる家づくりですが、その実で約7割の人が建てた後に何らかの後悔をしている現状があります。ここでは失敗しない家づくりのために大切なポイントをお伝えします。
「適切な建築予算」と「希望通りの家」にギャップが出る
既にお伝えしているように「無理のない最適な予算」というものは、それぞれのご家庭によって異なります。
また「家づくりに対する希望や要望」もそれぞれ違いがある上に、「一生に一度の買い物だから、アレもコレも叶えてしまおう!」ということで、当初は無理のない予算を立ててスタートしたつもりでも、住宅会社に訪問すると夢はどんどん膨らんでいき、結局出てきた見積もりを見てびっくりされて…という方も少なくありません。
依頼先に応じて建築費用が異なる
注文住宅を建てる場合、依頼先の選択肢として工務店やビルダー、ハウスメーカーなどがあります。それぞれの業態ごとに「デザインが得意」「性能住宅が得意」「自然素材を使った家づくりが得意」などの特徴もありますが、何よりも「建築費用(建築コスト)」に大きな違いがあります。
ハウスメーカーやビルダーには「大量生産/資材の合理化などによるコスト削減」という強みもあります。建材や規格の共通化・大量生産によって原価コストを抑えられる点があります。しかし、その一方で工務店よりも莫大な広告費や人件費、展示場などの維持費がかかっているため、建築には直接関係しない無駄な費用が発生していたりもします。
※詳しくはこちらの記事でも解説しています。
依頼先の「建築面積の捉え方」によって坪単価が異なる
依頼する住宅会社の「建築面積の捉え方」についても確認が必要です。といいますのも住宅業界には「価格表示の基準」が無いため、「いかに価格を安く見せるか?」ということを考えている住宅会社も存在します。
例えば「建築費用」を「延床面積(建物各階の床面積の合計)」で割るか?「施工面積(延床面積に含まれない部分も含めた合計)」で割るか?で、坪単価は大きく異なります(一般的には「施工面積」>「延床面積」のため、前者で算出した方が安く見せられることになります)。
断熱性能の仕様もチェック
住宅価格を比較する場合、その建物の断熱性能や仕様についても確認をしましょう。2023年現在では新築住宅における断熱性能の最低水準として「省エネ基準(断熱等性能等級4)」が定められています。
しかしながら国の掲げる基準は2030年には「ZEH住宅」が、2050年には「LCCM住宅」を最終目標となっています。即ち、現状の最低水準である「省エネ基準」は、あと数年もすれば「時代遅れの水準」となる可能性が高いものでもあります。
従ってこれから先何十年と住まう家づくりを考えるにあたっては、そのあたりのこともしっかりと吟味して検討していく必要があります。
※詳しくはこちらの記事でも解説しております。
依頼するならどちらが信頼できる?ハウスメーカー、工務店の違いについて
価格、プラン
基本的にはハウスメーカーよりも工務店の方がコストを安く抑えることができます。
その理由としては先にも述べたように、ハウスメーカーでは莫大な広告費や人件費、展示場などの維持費がかかっており、建築には直接関係しない無駄な費用が発生する分、どうしても建築費用を高くせざるを得ないジレンマがあるからです。
施工可能な対応エリアの範囲
施工可能な対応エリアについては、ハウスメーカーに軍配が上がります。全国各地に営業所を構えており、基本的にどの地域でも対応が可能です(工務店の施工エリアは市町村や県内に限定されている場合がほとんど)。
一方で地元工務店のほうが施工エリアに精通しているケースは多いです。地元会社ならではの土地勘や風土を活かした家づくりを提案してもらえる可能性が高いとも言えます。
施工実績、熟練度
施工実績においては地域差もありますが、ハウスメーカーはそのエリアの新築棟数で2割~4割を建てているといわれております。なので一般的な工務店と比較すれば、ハウスメーカーの方が施工実績棟数は多い傾向にあります。
他方、熟練度(施工精度)の高さについては、一概にはその良し悪しを述べることはできません。
例えばプランや建材を規格化・共通化している分、ハウスメーカーの方が品質が均一になっているということは言えます。しかしながらそれが完全自由設計となってしまえば、プランや建材も規格化・共通化することは難しくなりますから、最終的には現場における職人の腕(熟練度)によって施工精度には幅が出てくるものです。
工務店の場合も同様です。職人の腕によって大きな違いがあり、施工精度は一定とは言えないのが現状です。
アフターサービスの手厚さ
家づくりは建てて(購入して)終わりではありません。住み始めてからのアフターサービス・メンテナンスも大切です。
現在の新築住宅においては品確法の定めるところでいう「瑕疵担保責任」によって、10年間の保証が義務付けられています。住宅会社によっては独自保証によって期間を20年以上に設定しているところもあります。ただ、アフターサービスにおいては「何かあった時の対応力」がもっとも大切です。いかに保証内容が立派だとしてもトラブル時の対応がお粗末だと、意味がありません。
保証の内容も吟味し、しっかりと柔軟に対応してくれるような住宅会社を選びましょう。
ハウスメーカー、工務店選びで失敗しない3つのポイントをご紹介
家づくりが成功するかどうか?は住宅会社選びにかかっています。一生をかけた大切な資金を預けるわけですから、必ず信頼できる会社を選ぶべきです。ここでは最後に「ハウスメーカーや工務店選びで失敗しないための大切な3つのポイント」について説明します。
施工実績・施工棟数を知ること
知名度があり、たくさん家を建てているような会社は「人気で良い家を建てているんだな」と思われがちです。
しかしながらそもそも、家はすべてが手造り品です。家は「大量生産品」ではなく、一人ひとりのお施主様の要望に基づき一棟一棟造るもの。であれば手間暇かけて丁寧に家づくりをする住宅会社こそ、たくさんの棟数を建てることができません。
建築棟数の多さや会社の規模の大きさは、その信頼度に比例するとは言い切れません。
施工能力の高さを確認すること
住宅会社の施工能力の高さを見極めるためには、「見えない壁の中までしっかりと施工ができる会社かどうか?」を確認するようにしましょう。
住宅性能、特に断熱性を高めるためには「どのような断熱材を何を使うか?」ということよりも、その施工精度の高さの方が大切です。
※施工精度の高さは、建築中の現場を見学することで確かめることができます!
しっかり正確に丁寧に施工すれば、冬暖かく夏涼しい家になり、冷暖房費用は下がり、結露はなくなり、結果として家が長持ちするようにもなります。
信頼できる家づくりのプロを見つけること
住宅会社の名前ではなく、その会社の中でのプロフェッショナルを探し当てましょう。
「自分たちの思いに真摯に耳を傾けて言葉にできない思いを引き出し、予想を上回る提案をしてくれるか?」
「建築のプロとしてとことん説明し、メリット・デメリットも隠さず教えてくれるか?」
「熱い思いをもって手間を惜しまず丁寧な仕事をしてくれるか?」
「何でも気軽に相談できるか?」etc
要は「自分たちの思いを託して家づくりを任せられるのか?家を建てた後も信頼して付き合っていけるのか?」を見極めていくことが大事になります。
※詳しくはこちらの記事でも解説しています。
まとめ
本記事では『注文住宅の平均価格、相場はどれぐらい?実例を一挙公開』と題して、「注文住宅の間取り別平均価格、総費用」や「失敗しないための注意点」、「依頼するならどちらが信頼できる?ハウスメーカー、工務店の違い」、「ハウスメーカー、工務店選びで失敗しない3つのポイント」について解説しました。
「家づくり」はほとんどの方にとって初めての経験だと思います。経験がないことに対して最善の判断をしようとしても、自分たちの中に“基準”がなければできません。
家づくりの後悔の多くは、自分たちの無理のない予算はいくらで、どういう生活 がしたいのかといった要望や方向性が具体的にないまま会社を決めてしまったことに原因があります。
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