注文住宅はなぜ高い?費用相場と予算オーバーを防ぐ対策を解説
2025.03.14

「理想のマイホームを建てたいけれど、注文住宅は高そう…」
確かに注文住宅は、建売住宅に比べて費用が高くなる傾向があります。しかし、費用が高くなる理由をしっかりと理解し、適切な対策を講じることで、予算内で理想のマイホームを実現することは十分に可能です。
この記事では、注文住宅の費用相場や建売住宅との違い、注文住宅が高い5つ理由について詳しく解説します。
さらに、予算オーバーを防ぎ、費用を抑えるための具体的な対策もご紹介します。
ぜひ、この記事を参考にして、あなたの理想のマイホームを予算内で実現してください。
この記事でわかること
- 注文住宅と建売住宅の費用相場
- 注文住宅が高い5つの理由
- 予算オーバーを防ぐ5つの対策
この記事を監修した人

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1.注文住宅は高い?費用相場を建売住宅と比較
「注文住宅は高い」というイメージは本当でしょうか?
実際に、注文住宅と建売住宅の費用相場を比較してみると、その差は一目瞭然です。
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2023年度)」によると、土地付き注文住宅と建売住宅の全国平均購入価格は以下の通りとなっています。
- 土地付注文住宅:約4,903.4万円
- 建売住宅:約3,603.2万円
つまり、平均して注文住宅は建売住宅よりも1,000万円以上高いという結果が出ています。
この価格差は、注文住宅が施主の希望に合わせた設計や仕様を反映できる自由度の高さや、使用する材料や設備の品質、施工の手間や時間などが影響しています。
一方、建売住宅は標準化された設計や大量生産によるコスト削減が価格に反映されており、比較的安価に提供されています。ただし、注文住宅の価格は選択する仕様や設備、土地の場所や広さなどによって大きく変動するため、予算や希望に合わせた計画が重要です。
住宅の価格は近年上昇傾向にあります。以下の記事では価格高騰時代における賢い家づくりの選択肢について解説しています。
関連記事>>注文住宅の値上がりはいつまで続く?価格高騰時代の賢い家づくり
2.注文住宅が高い5つの理由
注文住宅の建築費用が高くなりがちな理由にはいくつかの要因があります。
- 住宅と土地を別で購入するケースが多い
- 打ち合わせの回数が増えて人件費が高くなる
- 住宅性能などのグレードが高い
- オプションの選択肢が多い
- 材料単価が高額になりがち
ここでは、主な5つの理由を解説します。
高い理由①:住宅と土地を別で購入するケースが多い
注文住宅の多くは土地と建物の購入が別契約となります。土地を探して購入し、住宅会社に建築を依頼するケースが一般的です。土地と住宅がセットになっている建築条件付きの土地を提供する住宅会社も存在しますが、それでも建売住宅と比べると土地取得のコストが高くなりがちです。
建売住宅の場合、住宅会社が広い土地を一括購入して分譲するため、土地の単価が抑えられるほか、仲介手数料も不要です。
しかし、注文住宅は個別に土地を購入するため、仲介手数料や地盤改良といった付帯工事費が別途かかることが多く、結果的に費用がかさみます。
ただし、不動産会社ではなく住宅会社に土地探しから依頼すれば、費用を抑えられるといったケースもあります。土地と建物の契約を一本化することで、仲介手数料を節約できる可能性があり、また、注文住宅に適した土地を見極めやすくなるため、余計な付帯工事費の発生を防ぐことができます。
高い理由②:打ち合わせの回数が増えて人件費が高くなる
建売住宅はすでに設計が決まっており、設計士が施主と打ち合わせをする必要がありません。
しかし、注文住宅の場合は、施主と設計士、あるいは営業担当者が何度も打ち合わせを重ね、最終的なプランを決定していきます。このプロセスには見積もりや図面修正の作業が含まれるため、建築費用に人件費が加算され、結果として総額が高くなります。
高い理由③:住宅性能などのグレードが高い
注文住宅では、キッチンやバスルームなどの設備を自由に選択できるため、こだわりが反映されやすくなります。そのため、住宅設備のショールームでの打ち合わせを進めるうちに、高性能な設備を採用したくなり、結果として価格が上昇してしまうことがあります。
また、建売住宅は、そもそもの断熱性能や気密性能、耐震性能が低いといった事実もあります。
さらに、注文住宅は施主の希望に応じた独自のデザインや仕様で建築されるため、通常の建売住宅と比べて高度な施工技術も必要になります。特に特殊なデザインや高い住宅性能を備えた特殊構造などを採用する場合、その技術力に見合った職人や専門家を確保する必要があり、これが人件費の増加につながります。
品質の高い住宅を建てるには、それ相応のコストがかかるという点を理解しておくことが肝心です。
高い理由④:オプションの選択肢が多い
注文住宅では、設備や間取りなどのオプションを自由に選べるため、つい多くのオプションを追加してしまい、結果的に予算オーバーになってしまいがちです。
たとえ基本価格が低めに設定されている住宅会社であっても、オプションを追加することで総額が高額になってしまうケースは少なくありません。
高い理由⑤:材料単価が高額になりがち
注文住宅では、無垢材のフローリングやデザイン性の高いレンジフード、足元が暖かいユニットバスなど、施主の希望に応じた仕様を選択できます。しかし、こだわりが多くなるほど、使用する材料や設備の数も増え、その分、建築費用が高額になります。
さらに、建売住宅のように大量生産するわけではなく、一軒一軒オーダーメードで建築する注文住宅では、発注ロット(商品や原材料を発注する際に一度に発注する数量のこと)が少なくなるため、材料の単価が割高になる傾向があります。
一括で大量仕入れを行う建売住宅とは異なり、個別対応が求められる注文住宅では、仕入れコストがかさみ、結果的に総額が高くなってしまうのです。
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3.予算オーバーを防ぐ!注文住宅の費用を抑える5つの対策
注文住宅は自由度が高い分、ついつい理想を追求しすぎてしまい、気づけば予算を大幅に超えてしまう…といったことがよくあります。
しかし、計画的に進めることでコストを抑えつつ、満足のいく家づくりを実現することが可能です。
- 優先順位を明確にする
- シンプルな形状やコンパクトな大きさにする
- 土地価格を抑える
- セミオーダー住宅を選ぶ
- 複数社見積もりを取って資金計画表を細かく精査する
ここでは、注文住宅の費用を抑えるための5つのポイントをご紹介します。
優先順位を明確にする
家づくりには、デザインや間取り、設備、立地など、多くの選択肢があります。しかし、すべての希望を叶えようとすると、あっという間に予算オーバーになってしまいます。
そうならないためにも、まずは「絶対に譲れないポイント」と「妥協できるポイント」を明確にしておくことが大切です。
例えば、「リビングは広くしたいが、寝室はコンパクトでもOK」「キッチンにはこだわりたいが、お風呂は標準仕様で十分」といったように優先順位をつけることで、不要なコストを削減できます。また、住宅会社に希望を伝える際にも、予算内で最大限理想に近づける提案を受けやすくなるため、スムーズな家づくりが可能になります。
優先順位を明確につけるには、家づくりの基本知識が必要です。
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シンプルな形状やコンパクトな大きさにする
住宅の形状や規模もコストに大きく影響します。特に、建物の形が複雑になるほど、施工の手間が増え、費用が高くなりがちです。コストを抑えるためには、シンプルな総二階建ての形状にするのがおすすめです。
最近は平屋住宅の人気が高いですが、基礎や屋根の面積が大きくなるため、資材費や施工費が高くなる傾向にあります。また、都市部で見られる3階建て住宅は、構造計算や高強度の建材が必要になるため、追加費用が発生します。
コストと居住性のバランスを考えると、2階建てのシンプルな形状にするという選択肢も考えられます。
土地価格を抑える
家を建てるための土地代も住宅の総費用に大きく影響します。
例えば、駅近の土地は利便性が高い反面、地価が高くなりがちです。一方、駅から徒歩15〜20分程度離れるだけで、土地価格が大きく下がるケースもあります。また、学校や病院、大型商業施設があるエリアも人気が高く、地価が上昇しやすいため、少し外れた地域を選ぶことで費用を抑えられます。
また、土地の面積が広くなるほど価格も上がるため、必要最小限の広さで収まるように計画することも重要です。ただし、狭すぎる土地を選ぶと、建ぺい率や容積率の制約により、思い通りの家を建てられない可能性があるため注意が必要です。
セミオーダー住宅を選ぶ
注文住宅の費用を抑えるためには、完全自由設計ではなく、セミオーダー住宅を選ぶのも一つの方法です。セミオーダー住宅は、あらかじめ用意されたプランの中から間取りを選ぶスタイルのため、設計コストや打ち合わせにかかる人件費を抑えられるメリットがあります。
また、セミオーダー住宅は建材や設備の一括仕入れがしやすく、施工の効率化が図れるため、全体のコストを抑えやすくなります。デザインや間取りの自由度は多少制限されるものの、コストと品質のバランスを重視するなら、十分に検討する価値があります。
複数社見積もりを取って資金計画表を細かく精査する
注文住宅を建てる際には、必ず複数の住宅会社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。見積もりをチェックする際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 見積もりの内訳が詳細に記載されているか(「一式」表記が多い場合は要注意)
- 付帯工事費や諸費用が含まれているか(外構工事や解体費などが別途発生しないか)
- 契約後の追加費用が発生する可能性がないか(オプション費用の有無を確認)
また、契約前には契約書の内容を細かく確認し、不明点があれば必ず質問することが大切です。「標準仕様に含まれる設備は何か?」「追加料金がかかる範囲は?」といった点をしっかり確認し、納得した上で契約を進めましょう。
4.まとめ
この記事では、注文住宅の費用相場や建売住宅との違い、注文住宅が高くなる理由、そして予算オーバーを防ぐための対策について解説しました。
注文住宅は、理想の住まいを自由に設計できる魅力的な選択肢ですが、費用が高くなりがちという側面も持ち合わせています。しかし、今回ご紹介した対策を実践することで、予算内で理想のマイホームを実現することは十分に可能です。
◆注文住宅の費用を抑えるための5つの対策
- 優先順位を明確にする
- シンプルな形状やコンパクトな大きさにする
- 土地価格を抑える
- セミオーダー住宅を選ぶ
- 複数社から見積もりを取って資金計画表を細かく精査する
これらの対策を参考に、あなたの理想のマイホームの実現に向けて、具体的な行動を起こしてみてください。
- 注文住宅の費用についてもっと詳しく知りたい
- 自分に合った予算計画を立てたい
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