住宅ローンを組むために必要な費用とは?
2023.10.25
2022.07.13
住宅ローンを組むときにはどうしても借入金額ばかりに目がいきがちですが、じつは借りるお金以外にも様々な諸費用が発生します。そして、そのお金は基本的には、住宅ローンとは別途に用意しなければなりません。どんな費用が、いくらくらいかかるのか解説していきますね?
印紙税(収入印紙代)
契約書や領収書などの経済的な取引に伴って作成した書類に課せられる税金のことを印紙税といい、印紙税法において納税義務が規定されています。印紙税を支払う(納税する)ために発行される証票を「収入印紙」といいます。印紙税は、印紙を貼付し消印することで納付となります。印紙代は、契約書などに記載されている金額に応じて支払う税額が決まっており、契約書一通ごとにかかってきます。
●住宅ローンの契約書(正式には「金銭消費貸借契約書」)の印紙代
契約金額
1,000万円超5,000万円以下 → 印紙代 20,000円
5,000万円超1億円以下 → 印紙代 60,000円
住宅ローン契約には「書面契約」と「電子(デジタル)契約」がある
最近では、オンライン手続きにより来店しないで住宅ローンの契約ができるネット型住宅ローンを扱う金融機関が増えてきています。その場合、WEB上で契約が完結する「電子契約」となります。
※電子契約とは、従来の書面契約に代わり、電子データに電子署名または電子サインを行うことで締結する契約をいいます。
?ポイント
電子契約で住宅ローンを組んだ場合、収入印紙は不要となります。
抵当権の設定費用
「抵当権」とは?
金融機関が、土地や建物などの不動産を「※担保」にして優先的に弁済を受ける権利のこと
「担保」とは?
住宅ローンの返済ができなくなった場合に代わりに渡すもの。ですから、基本的に担保はお金の貸し借りをする場合に設定します。
金融機関は、
債務者(借りた人)がローンを返済できなくなった際に備えて、購入後に住む家と土地に抵当権を設定します。
債務者(借りた人)は、
万が一月々のローンが払えなくなると、抵当権が設定された家や土地は差し押さえられる可能性が出てきます。
【抵当権設定の流れ】
①住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結ぶ
②同時に抵当権設定契約を結ぶ
③必要書類の準備
④抵当権設定登記申請をする
⑤登記事項証明書を取得し、金融機関に提出する
⭐抵当権設定にかかる費用
●登録免許税
債権金額(住宅ローン借入額)×0.4%
※軽減措置(特例)
2024年3月31日までの登記には特例税率0.1%が適用
※軽減措置(特例措置)は、いずれも期限のある時限措置で一定の要件を満たした場合に適用されます。
(例)
債券金額(借入金額):4,000万円
登録免許税:4万円=4,000万円×0.1%
●登記のための司法書士手数料
抵当権設定登記は司法書士に一任するケースがほとんどです。この費用は司法書士によって違いますが、一般的に6万円~10万円程度必要
※その他、謄本代や交通費・通信費などの実費が必要となってきます。
※抵当権設定契約書に収入印紙は不要です。
住宅ローン関係諸費用
大きな割合を占めるのが「融資手数料」と「保証料」
融資手数料とは?
住宅ローンを借りる際に金融機関に支払う費用で、融資に伴う事務手続きなどの手数料のことです。 金融機関によっては、融資事務手数料やローン取扱手数料等と呼ぶこともあります。
「定率型」と「定額型」の2種類に分けられます。
●定率型
借入金額に対して一定の利率を掛けた金額を手数料として支払う。そのため、借入金額が多ければ多いほど手数料は高くなる。一般的に多いのは借入金額×2.2%(消費税込)の定率型
(例)4,000万円×2.2%=88万円←88万円の手数料が借入時に必要
●定額型
借入金額にかかわらず手数料が一律に決まっている。金額は金融機関によって異なり、融資額にかかわらず3万3千円~33万円などで設定しているケースがある。当初の費用は安く抑えられるが、定額型の場合、「定率型」に比べると金利が0.1~0.3%程度高く設定されていることが多い。
※融資手数料型を選択した場合、保証料は不要となる金融機関が多い
※代表的なもので「フラット35」あるいはネット専用の住宅ローンにはこのタイプが多い
保証料とは?
住宅ローンを借りる際に金融機関が指定する「保証会社」に支払う費用で、ローンの債務者が返済できなくなった時に、保証会社に返済を肩代わりしてもらうため、保証会社に納めるお金のことです。
※肩代わりとはいっても、あくまでも一時的なもので契約者の返済義務がなくなるわけではありません。
支払方法には、一括前払い型(外枠方式)と金利上乗せ型(内枠方式)の2種類ある
●一括前払い型(外枠方式)
住宅ローンの借入時に保証料を一括で支払う方法。借入期間や借入金額によって保証料は異なる。相場としては借入金額の2%前後が一般的。繰り上げ返済をすると、支払った保証料の一部が返ってくる戻し保証料がある。
●金利上乗せ型(内枠方式)
住宅ローンの金利に上乗せした金額を毎月支払う方法。上乗せする金利は金融機関によって異なりますが、適用金利に0.2%程度上乗せが一般的。金利上乗せ型の場合、繰り上げ返済をしても保証料は返ってこない。
違いをシミュレーションしてみますね。
(例)
借入金額 4,000万円
借入期間 35年間
返済方法 元利均等返済
※変動金利ですが金利の変動がないものと仮定
※手数料はすべて消費税込み
※あくまでも概算です
✅毎月の返済額を抑えたい方 →融資手数料 定率型
融資手数料型は、保証料型に比べて適用される金利が低いケースが多い
※契約時に一括で支払うのでまとまった手持ち資金が必要です。
✅借入期間が短い方 →融資手数料 定額型
初期費用を抑えることができて金利も低めに設定してあるため、借入期間が短い場合、総支払費用を抑えることができる
✅繰上返済を考えている方 →保証料 一括前払い型
繰上返済を行うと保証料の一部が返還されることがある
✅契約時の諸費用を抑えたい方 →保証料 金利上乗せ型
毎月の返済額に保証料を上乗せすることによって、契約時にかかる費用を抑えることができる
※保証料は、住宅ローンの審査結果によって違ってきますので注意が必要です!
ポイント
大事なことは、総支払額をシミュレーションしてトータルコストで比較していくこと
住宅ローン利用は「物件の価格まで」
住宅の物件価格と併せて、これらの諸費用を借入金額に組み込むことができる金融機関は複数あります。ですが、あくまでも住宅ローンは「物件の価格まで」が基本です。物件の価格以上の住宅ローンいわゆる「オーバーローン」には注意しましょう!この諸費用の部分の借入は、住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)の対象とはなりません。
印紙代、抵当権の設定費用、住宅ローン関係費用等の住宅ローンを組むにあたって必要な費用は手持ち資金=自己資金で準備が原則!
先日ご相談に来られたお客様は、住宅会社の見積書に融資の際の手数料が入っていないことに疑問を持たれていました。諸費用は現金で、とお考えの方にとっては重要なポイントです。住宅ローンを組むときにかかる費用がいくらなのか?見積書をしっかりとチェックしていただきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=GwnAD3C-D6c