【ご相談】固定金利と変動金利、どちらがいいですか?
2023.10.25
2022.05.04
「固定金利」がいいか?「変動金利」がいいか?住宅ローンを利用する人にとって、これは永遠のテーマですよね?
固定金利の代表格フラット35の5月の最頻金利(借入期間:21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付き)は1.48%と前月から0.04%引き上げとなりました。
今年に入って固定金利は上昇傾向にあります。そのため、変動金利も上がるのではないか?と考えられる方が増えたのか、このご相談が多くなりました。
以前にも書きましたが、
住宅ローンの固定金利は、国債市場で取引される10年国債の利回りを基準として金利が決められます。その長期金利(10年国債利回り)がアメリカの金融政策の影響で上昇傾向にあるため、今年に入って固定金利はジワジワと上昇しているのが今の状況です。
そうはいっても、日本の住宅ローンの金利は依然として超低金利水準を継続しています。4月28日に日銀が金融緩和を継続する方針を示したことから急激な金利上昇は考えられないとの見通しが強くなっています。
それに対して、円安やウクライナ情勢によって輸入品の価格が上がり物価が高騰している、でも賃金は上がらない…。このような状況が長引けば国内経済に深刻な打撃となる可能性が出てくる。そうなれば、どこまで金融緩和政策を継続できるのか?金融緩和策をとってきた日銀総裁の任期が2023年4月で満了するそのタイミングでゼロ金利が見直しされるのでは?という憶測が飛び交って、金利が上がるかも?という話も囁かれ始めました。
いったい、どっちなの?ですよね…?
将来金利が上がるか上がらないかということは、誰にも予測は出来ません!
ですから「固定金利」がいいか「変動金利」がいいかは、正解の出せない永遠のテーマと言えるのです。それでも、住宅ローンを借りるときには、どちらにするか決めないといけません。
そこで「固定金利」と「変動金利」の特性を考えてみますね?
⭐変動金利は、上げようと思えばすぐに上げることができる
日銀が政策金利を上げた場合でも、銀行は住宅ローンの金利を上げることですぐに対応できます。つまり、仮に金利が上がったとしても銀行が損をすることはないため、前もって上げる必要がないということです。つまり、金利が変動するリスクを理解して契約した以上、そのリスクは債務者(=借りた人)が自分で負う必要があるのです。
それに対して
⭐固定金利は、契約によって決められた固定期間は金利を上げることができない
そのため、将来金利が上昇するという予測がある時には、銀行はあらかじめ高めに金利を設定しておいて将来に備えます。つまり、将来金利が上昇してしまっても銀行が損をしてしまわないよう、前もって上げておく必要があるということです。つまり、金利は変えないという条件で貸している以上、金利変動のリスクは債権者(=銀行)が負う必要があるのです。
【まとめ】
金利が変動するというリスクを負うのは?
変動金利の場合→債務者(借りた人)
固定金利の場合→債権者(銀行)
と、いえます。
変動金利よりも固定金利が高いのは、金利の変動リスクに対する保険料が上乗せされているようなものと考えれば分かりやすいのではないかと思います。
✅住宅ローンで金利タイプを選択する際のポイント
金利情勢をウォッチするなど、借入後のローンメンテナンスが自分でできる
YES →変動金利
NO →固定金利
金利上昇時に対応できるだけの資金的余裕がある
YES →変動金利
NO →固定金利
「固定金利か?」「変動金利か?」を選択する際には、金利の変動リスクをどこまで許容できるか?そのリスクに対してどれだけ対応できるか?を考えてみていただきたいと思います。
このように悩ましい住宅ローン選び。もう1つの方法として「ミックスローン」があります。「ミックスローン」については、後日、書かせていただきます。
https://www.youtube.com/watch?v=GwnAD3C-D6c