「親名義の実家を子どもがリフォーム」には贈与税が⁉
2023.10.23
2021.03.18
親名義の実家を子どもの資金でリフォームする場合、贈与税がかかってきます。親に所有権がある実家の価値を、子どもの資金で増加させているためです。つまり、子どもから親にリフォーム資金が贈与されたとみなされ、贈与税が課せられることになるのです。
仮に、親名義の家のリフォーム代金1,000万円を子どもが負担したとしたら・・
1,000万円-110万円(基礎控除分)=890万円(課税価格)
890万円×40%(税率)-125万円(控除額)=231万円
※税率・控除額は、贈与された金額によって変わります。
なんと!231万円の贈与税を親が支払わなければならなくなるのです。
贈与の税率には【一般贈与に対する税率】と【特例贈与に対する税率】があり、子どもから親への贈与は「一般贈与」の税率が適用になるため「特例贈与(親から20歳以上の子への贈与)」より税率が高くなってしまいます。
親名義の家のリフォームを子どもが費用負担する場合の贈与税を抑える方法としては、リフォームする家の名義を親から子どもに変更して、その後にリフォームをする方法があります。
「名義変更」の方法には?
親から贈与してもらうことで「名義変更」
「贈与」とは金銭を受け取らずに不動産を引き渡すこと
実家を親から贈与してもらって名義変更をします。ただし、この方法で名義変更した場合は贈与税が課せられます。ですが、築年数が経っている家の場合は「思ったよりも贈与税が少なかった」というケースがほとんどです。不動産を贈与すると、その不動産の資産価値に応じて贈与税を支払うことになります。古い建物の場合は、資産価値が下がっているため贈与税も少なくてすむことの方が多いからです。
家屋の評価額が2500万円以内であれば「相続時精算課税制度」を利用することで贈与税を非課税とすることができます。ただし、贈与者が亡くなったときには、贈与時の価値で相続財産としての計算をされるため、将来、相続税がかかるだけの財産を持っている場合には慎重に考える必要があります。
親子間で売買(譲渡)することで「名義変更」
「売買(譲渡)」とは金銭を支払って不動産を取り引きすること
子どもが親から実家を購入して名義変更をします。このとき、土地まで購入する必要はありません。建物だけ買ったのでかまいません。その建物も築年数が経っていれば、固定資産税評価が下がっていますので、その低くなった評価額で買い取ることができます。
不動産の売買の場合、取引価格は買主と売主で自由に決めることができます。
中には、親族だからと特別に安く売るよと考える方も少なくないと思います。ですが、売却価格を安くしすぎて評価額との差があまりもかけ離れていた場合、その差額分を「みなし贈与」と判断され贈与税がかかってしまう可能性もありますので注意が必要です。
反対に、売却価格が建物の評価額より高い場合は、売却した親の方に譲渡所得税がかかる可能性がでてきます。売却価格が評価額より低くければ基本的に譲渡所得税はかかってきません。
親族間の売買の場合、住宅ローンの利用ができない場合がありますので、しっかりと事前の確認をしてください。
親と子の「共有名義」にする
リフォーム費用に見合う持分の名義を親から子どもに変更して、親子で共有登記する方法です。子どもが負担するリフォーム費用と親名義の家屋の評価額とのバランスを見ながら、家屋の持分の一部を親から子どもに名義変更をして親と子での共有名義にします。
バランス良い割合で共有名義にすることが出来れば、住宅ローン控除も適用されますし、贈与税も発生しません。
親名義の実家は生まれ育った家でもあるので、リフォームしてできるだけ長く住みたいですよね。けれど、そのリフォーム費用を子どもが負担する場合には、将来の相続時の問題にも関わってきますので、目先の費用や税金だけでなく将来のことも見据えて慎重に検討していただきたいと思います。
家づくり学校では、新築だけでなくリフォームのご相談も承っております!
家づくりをご検討の際はまず「家づくり学校」で基本的な知識を身に着け、信頼できる住宅会社を見定める方法を学びましょう!
家づくり学校でできること
- 家づくりで後悔しないための基本知識のレクチャー
- ムリのない予算を一緒に考え、お金の不安を解消
- お客様一人ひとりに合った住宅会社を紹介