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注文住宅の予算と費用

【本日のご相談】夫婦で住宅ローン、その負担割合をどう決める?

2023.10.23

今井 園美

今井 園美

【本日のご相談】夫婦で住宅ローン、その負担割合をどう決める?

ご結婚されたばかりで、まだお子さまがいらっしゃらないご夫婦の家づくりの資金計画のサポートをさせていただきました。もちろんご夫婦ともに働いていらっしゃいます。そのため、住宅ローンは「連帯債務」にされるご予定です。

ここで悩まれたのが、ご夫婦での住宅ローンの負担割合と持分割合です。

原則として共有名義の持ち分は、その不動産の購入に出資した割合に応じて登記をしなければなりません。もし、住宅購入資金の負担と異なる割合で持分を登記してしまうと、税務署からはご夫婦間の贈与とみなされて贈与税をかけられてしまう可能性が出てきますので注意が必要です。

ペアローンであれば、それぞれの負担額(住宅ローンの金額+手持ち資金)がそのまま持分割合に反映されます。

連帯債務の場合、住宅ローンの契約は1本でそれを夫婦が連帯債務者となるためご夫婦ともに全額返済する義務を負いますので、債務の負担割合および持分割合は自分たちで決めて申請することになります。

例えば、このような場合
夫の年収:600万円
妻の年収:200万円
住宅ローンの金額:3,500万円
(今回は自己資金は0円とします)

この金額をそれぞれが1,750万円ずつ負担することにした場合、負担割合は50%:50%となり、そのままいけば持分割合も50%:50%になります。実際この住宅ローンをご夫婦が同じ金額ずつ月々返済しているのであればOKですが、年収から考えれば…実際は夫が多く支払っているのではないか?とみられた場合、夫から妻へ贈与がなされているのでは?と疑われかねません?

連帯債務の場合は、一般的に連帯債務者どうしの収入割合で決定する方がよさそうです。

今回ご相談いただいたご夫婦の場合、ご夫婦間の収入にあまり大きな差はありませんでしたので、それぞれ2分の1ずつの負担割合がいいのではないかということになりました。

ただもう一点、考えたいポイントがあります。

「住宅ローン控除(減税)」です。

まだお子さまがいらっしゃらないご夫婦のため、今後お子さまが生まれ育児休暇を取得された場合、奥様の住宅ローン控除額が少なくなる可能性があります。ご夫婦ともに将来的には、お子さまは2人欲しいというご希望です。

例えば、
夫の年収:450万円
妻の年収:300万円
住宅ローンの金額:3,000万円 金利:1% 返済期間:35年
建物金額:2,000万円

家を建てた2年後と5年後に、奥様が育児休暇を1年間ずつ取得する予定としたら…

ローンの負担割合:50%:50%(1,500万円ずつの借入額)にした場合
➣育児休暇を取得しない:ローン減税とすまい給付金による負担軽減額は約366万円あります。
➣育児休暇を上記の条件で取得する負担軽減額は約339万円となります。

軽減効果が約27万円、少なくなります。

ローンの負担割合:67%:33%(夫:2,000万 妻:1,000万円の借入額)にした場合
育児休暇を取得すると、負担軽減額は約345万円となります。

将来のライフプランから考えれば、奥様の負担割合を少し引き下げた方が負担軽減策(住宅ローン控除やすまい給付金)の恩恵は少しばかり多く受け取れそうです?

こうして試算した結果、今回のご夫婦の住宅ローンの負担割合は夫60%・妻40%、持分割合も同じにされることになりました?

これから育児休暇を取る予定、子どもが生まれたら時短勤務にする予定、等々収入が減る可能性があるご家庭の場合は、収入割合に加えて住宅ローン控除・すまい給付金の増減も視野に入れて考えていただきたいと思います??

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2010年に2級FP技能士、2013年に住宅ローンアドバイザーの資格を取得。得意分野は「住宅ローン」と「家計の見直し」です。2017年から家づくり学校にて、FP資格を生かした家づくりアドバイザーとしてお客様の家づくりをサポートしています。

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