暮らしを豊かにしてくれる庭&エクステリアのつくり方
2023.08.28
2018.09.26
生活の中で自然を感じることで家族の心を豊かにしてくれる庭。佇まいを美しく引き立てるエクステリア。それらがあってこそ家は家らしくなります。住む人によってどんな庭・エクステリアにするかは百人百様です。この記事では、みなさんの思い描く住まいを実現する為のポイントをご紹介します。
エクステリアって?
エクステリアとは一般的に外塀やフェンス、アプローチ、門扉・門柱、カーポート、生垣、植栽など敷地内の建物の外側の空間全体をさします。
エクステリアのスタイル
隣家や道路から敷地内が見える開放的な「オープン外構」、塀やフェンスを設けて敷地内を囲う「クローズ外構」、敷地の一部に塀やフェンスを設けて目隠しをする「セミクローズ外構」の大きく分けて3タイプがあります。周辺環境や家族のライフスタイルを踏まえて、使いやすく、かつ町並みに溶け込むようなデザインにしましょう。
開放感を重視したオープン外構
道路との境界部を塀やフェンスなどで囲わないスタイル。門柱、低い樹木などでシンプルに仕上げます。費用を抑えられるのがメリットですが、道路から家や庭が見通せるため、防犯面や子どもの飛び出しなどの安全面、プライバシーの確保には注意が必要です。
プライバシー・安全面を重視したクローズ外構
敷地のまわりを門柱や門扉、塀などで囲んだスタイル。外からの視線を気にせず庭でプライベートな時間を楽しみたいという人にはおすすめです。子どもやペットが道路に飛び出す心配もほとんどなく安心です。
開放感・プライバシーを確保したセミクローズ外構
オープン外構とクローズ外構のいいところを組み合わせたスタイル。庭や建物部分は塀や生垣で囲い、駐車場部分はオープンにするのが一般的です。オープン外構より費用はかかるものの、解放感とプライバシー確保を両立できるため人気が高いです。
庭・エクステリア・外構の失敗後悔談
どうしても後回しになりがちな外構・エクステリア・庭。これらも大切な家の一部です。ここからは庭・エクステリア・外構で失敗された方の後悔談をご紹介します。
後回しにした結果、いまだ手つかず…
『予算の都合で、家が建った後に落ち着いて考えればいいやと後回しにした外構。日々のバタバタの中で業者探しをするのも面倒になり、1年以上放置!』なんてことも。
せっかくの新築でも外が悲惨では残念ですよね。外構費用のことも含めて予算を考えるべきだったと後悔される方も多いです。
広ければよいと思っていたら…
『広ければよいと思い、子供が遊ぶために広くとった庭。現実は雑草を抜く、落ち葉を拾うなどのメンテナンスが大変。』
憧れのウッドデッキ、デメリットも…
『「マイホームでBBQができる♪」と思って作った憧れのウッドデッキも実はほとんど使っていない』なんて声も。それだけでなく、『床下には雑草が生い茂り、野良猫が住み着いたり、スズメバチが巣を作ったりして困っている』といったデメリットも多く、後悔している人もいるようです。
お家にいながら外の開放感を味わうことのできるウッドデッキは確かに素敵です。検討するときはその後のメンテナンスまで考えてみてくださいね。
外に水道をつけておけばよかった…
『賃貸の時になかったから必要ないだろうという理由と少しでもコストを削減したいという思いで外に水道を設置しなかったことに後悔』『庭の水まきや、帰ってきた子供の汚れを落とす、洗車、運動靴を洗うなど、毎回家の中まで水を汲みに行ったり、家に中に汚れを持ち込まれるストレス…』といった声も。
実は意外と外で水を使うシーンは多いんです。本当に必要ないものか今一度、お家を建てる前に考えてみてくださいね。
オープンすぎて玄関や窓から丸見え!
『外構にお金をかけられなかったため、フェンスや塀、門などが道路から丸見えに!庭で過ごすとき、玄関を開けるとき、何をするにも丸見えで恥ずかしい…』なんて後悔も。
外構はプライバシーを守る役目にもなります。
駐車場から玄関までの距離が遠い…
『駐車場から玄関までの動線を考えていなかったため、買い物後の搬入に一苦労。カーポートもないため、雨の日はびしょぬれになってしまう…』という声も。
毎日買い物袋を持って駐車場から玄関まで長い距離を、歩くのは大変ですよね。
後悔しないためには…?
外構工事には、自分たちで工事業者を探して依頼する方法と、家を建てた建築会社に依頼する方法の主にふたつがあります。
前者の場合業者を選ぶ時間が取れない、判断基準が分からないなどの理由で後回しになりがちです。建物と並行して外構のプランも進められるよう予算も含めてしっかり計画を練ることが大切です。
また、住んでみないとわからないのが、夜間の暗さや雨の日の動線。駐車場から玄関までの明かりを確保することや、濡れないように家の中に入れる動線も忘れないようにしたいポイントです。
庭・エクステリア計画の進め方
家と庭・エクステリアは密接な関係にあり、家が完成してからでは思うようなものができないこともあります。失敗しないためには、庭・エクステリアも家と同時に計画を進めていくことが大切です。計画の進め方を見ていきましょう。
イメージをまとめよう
まずはどんな庭にしたいのか、そこでどんな過ごし方をしたいのか考えましょう。子どもやペットが走り回れる庭にしたい、アウトドアを楽しみたいガーデニングや家庭菜園をしたい、季節の花や実りを楽しみたい、眺めに癒されたい、など暮らしの中での場面を具体的に想像してみることが大切です。コンセプトが決まれば、何が必要か、どんなデザインがいいのかも想像してみることが大切です。コンセプトが決まれば、何が必要か、どんなデザインがいいのかも見えてくるはず。イメージに近い写真などをスクラップするのもおすすめです。
家の設計と同時進行で計画しよう
家の完成後では使える面積や浄化槽の位置などによる制約で思うようなものができないこともあります。家との一体感や機能性、道路や周囲の景色、採光・通風も考慮し、家と同時進行で計画しましょう。事前にかかる費用を把握しておけば、家を建てた後で「庭にかけるお金がない!」といった事態も防ぐことができます。住宅会社に依頼することもできますが、希望に合う庭師や造園業者を探して依頼することも。住宅会社選びと同じく、自分たちの思いを託せるプロを選びましょう。
完成後をイメージして確認しよう
図面の作成段階では、実際の生活をイメージしながら使い勝手を確認しましょう。車の出し入れはしやすいのか、子どもが遊ぶ場所は安全が確保できるか、道路や隣家からの視線は気にならないかといったことから、門柱や水栓、収納スペース、植える木や花の種類など、必要なものや配置をチェック。図面を考えるうえでは外からの見た目だけでなく室内からの眺めも考慮しましょう。窓から見える景色次第で暮らしの豊かさは格段に上がります。
今だけでなく将来も踏まえて計画しよう
庭を維持していくには日々の手入れが必要です。植栽の季節ごとの手入れ法や設備のメンテナンスも確認しておきましょう。また、今だけでなく将来の生活スタイルも考慮したいところです。例えば小さな子どもがいる家庭なら、当初は子どもが安全に遊べるスペースや設備を優先して考えることになりますが、成長して車を持つようになれば駐車スペースも必要になります。将来の変化も見越してフレキシブルに対応できるようにしておきましょう。
各部位の計画ポイント&実例
門まわり・アプローチ
玄関はよく家の顔と言われますが、門柱や門扉、道と玄関をつなぐアプローチは家の第一印象を決める大切な場所です。建物は一層引き立てられ、住む人はもちろん訪れる人も楽しませてくれます。
また、アプローチは住む人にとって家に帰ってきたときのON/OFFの切り替えスイッチの役割も持っています。玄関にたどり着くまでの時間を楽しめるよう、道からの距離感や見え方、植栽の配置は重要です。石や砂利、レンガ、コンクリート、枕木などに使われる素材はさまざま。芝生や植物を組み合わせることでより印象的になります。
アプローチにレンガや枕木を用いてあたたかみのある雰囲気にしたり、コンクリートで石畳風にしたりと、外観の色や雰囲気に合わせて使う素材の色や質感にもこだわりを。素材を選ぶ際は、雨や泥などで滑らないような安全性の高いものかどうか、汚れにくさやそ掃除のしやすいものかどうかも考慮しましょう。
門柱や門扉は外観に使われている色に合わせると建物との一体感が出ます。門扉は見た目だけでなく、出入りのしやすさも重視したいポイント。また、門まわりに個性をプラスするポストや表札も全体のバランスを考えて選びましょう。
植栽・シンボルツリー
庭に木が一本あるだけで、暮らしの中で自然の豊かさや四季のうつろいを感じられます。ブルーベリーなど実をつける木は収穫の楽しみも与えてくれます。子どもたちが木に触れ合う機会にもなり、情緒が育まれるというメリットも。風土や土質に合った、地域に自生する樹種をベースに、日当たりや風通しなど環境を考えて元気に育つ木を選ぶのがポイントです。
アオダモ
日差しや寒さにも強く人気の落葉広葉樹。10~15m程に成長し、夏には木陰を作ってくれ春には可憐な白い花が咲きます。
モミジ
一年を通して愛らしい葉を繁らせ、秋には真っ赤に染まり、四季の移り変わりを感じさせてくれます。葉の軽やかさも魅力のひとつです。
ツツジ
春から初夏にかけて美しい花をつけるツツジ。品種によりピンクや白、赤など様々な色の花を楽しめる昔から人気の庭木です。
ヤマザクラ
山地に広く自生。赤味のある若葉と同時に開花するのが特徴です。横に広がらずに縦に伸びるので、他の木と一緒に植えてもなじみます。
塀・フェンス
道路や隣家との境目に位置し、外からの視線を遮る塀やフェンス。高さや素材、色によっては圧迫感が出たり、デザインによっては室内からの眺めや採光・通風にも影響するのでプロの意見を参考にしながら選びましょう。
テラス・デッキ
ウッドデッキやテラスは庭に面したプライベート空間。緑と風を感じながらゆったり家族の時間を過ごせます。
駐車場・カーポート
駐車スペースを計画する際に大切なのは、必要な台数を駐車出来て安全に出し入れできること。道路と駐車スペースの位置を考え、出庫・入庫をシュミレーションしてみましょう。広さの考え方としては車のサイズに乗り降りや荷物の積み下ろしのためのスペースを加えた面積となりますが、将来サイズの違う車に買い替えたり、子どもが成長して駐車台数が増えたりする可能性も考慮してゆとりのある計画にしておきましょう。建物との位置関係やどんな駐車方法にするかによって家の見た目の印象も室内からの眺めも変わるのでしっかり検討しましょう。
照明
昼間のことだけでなく、夜間の安全面や防犯面、見た目のことも考えて照明器具の配置もしっかり考えておきましょう。門灯や玄関灯だけでなく、植栽をライトアップする照明があると日中とは違った表情が楽しめ、夜の外観をより雰囲気のあるものにしてくれるでしょう。
理想の庭を実現しよう
いかがでしたか?
理想の庭・エクステリアを実現する為のポイントやヒントをつかんでいただけたのではないでしょうか。
庭やエクステリア次第で住まいの見え方は全く変わります。室内から見える眺めに癒されたり、自然と触れ合うことで子どもの感性が育まれたりと、住む人の心の豊かさにもつながってきます。
つい、家ばかりに注力して後回しになりがちですが、早い段階から計画することで建物との調和や暮らしやすさを考えた庭・エクステリアを実現し、住まいをより素敵なものにしていきましょう。
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