ペットと共に暮らす家|犬や猫と快適に暮らす住まいの実例も紹介!
2024.02.01
2024.01.12
犬や猫、鳥などのペットを飼っているという人は全国で約4割。近年、コロナ禍での在宅時間の増加も相まって、以前よりもペットを飼う人が増えていると言います。
ペットは大切な家族の一員であり、一生の暮らしを共にするパートナーです。人間と同じように、快適な住環境が欠かせません。
そこで今回はペットと暮らす上で、押さえておきたいポイントや実例などを紹介します。
本記事は、累計25,000組以上の家づくりをサポートさせていただいた「家づくり学校」が執筆しています。
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1.ペットとの暮らしで知っておくべき大切なことは?
大切なペットと快適な暮らしを送るためには、私たち人間と動物の両方が心地いいと思える住環境を整えることが必要不可欠です。
ここではペットと暮らすために知っておくべきポイントを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
①快適に暮らすための素材・間取り選びをする
歩きやすく滑りにくい床材
ペットとの理想の暮らしを実現するために、選択すべき床材について理解しておきましょう。
適切な床材を選択しなければ、ペットが滑って骨を折るなどのケガをしたり、床に傷が付いたりします。また素材に有害物質が含まれているとペットの健康に影響が及ぶ恐れもあります。
例えば犬の場合、床で足を滑らせて前足の「橈尺骨(とうしゃこつ)」と呼ばれる部位で骨折する例が多くあります。中でもトイプードルやチワワなどの小型犬やイタリアングレーハウンドのような細長い足を持つ犬種によく見られます。
このような家での事故を防ぐには、下記に示した床材の利用をお勧めします。
選択すべき床材
- 天然木フローリング
- 毛足の短いカーペット
- コルク材
- タイル
- 樹脂タイル など
選択すべきではない床材
- 毛足の長いカーペット
- 天然石
- 塩ビ床材 など
これらを参考に理想の家に適した床材を探してみてはいかがでしょうか。
掃除しやすい設計にする
ペットと暮らしていると、抜け毛や排泄の失敗などによって床が汚れてしまうことがあります。そのような場合を想定して、プランニングすることも大事です。
例えば、段差を少なくすると、掃除の負担を最小限に抑えることが可能です。掃除ロボットを活用する際もスムーズに動作してくれます。
ニオイ対策
ペットと暮らしているとやはり気になるのはニオイ。そのために、床材や壁材として汚れが落ちやすいものや、消臭効果のあるものを選択するといいでしょう。
また、床材同様に壁材もペットに優しい有害物質を含まない自然由来の素材を利用しましょう。
例えば、珪藻土や漆喰といった自然素材、エコカラットなどがよく知られています。
換気
動物は人間以上に空気に敏感なため、定期的な換気が必要です。
体高が低く頭や体が床に近いため、空気環境の影響をダイレクトに受けてしまいます。
室内にホコリやニオイが溜まると健康被害を及ぼす危険性もあるため、動物との快適な暮らしには空気環境の整備も必須となります。
換気の仕方には3つ方式が存在します。「24時間換気システム」と呼ばれ2003年の改正建築基準法により設置が義務付けられました。
②五感を刺激する空間をつくる
動物の福祉と健康のために、飼育環境に工夫を凝らし、幸福な暮らしを実現することを「環境エンリッチメント」と言い、多くの動物園では限られた空間の中で動物の五感を刺激するような飼育環境づくりに取り組まれています。
昨今、伴侶動物の最大の課題は家の中が暇であることです。家づくりでも環境エンリッチメントを意識して実践していくことが大切です。
選択肢のある環境づくりを
例えば、床材に木やカーペットなどあたたかい素材と、石やタイルなどの冷たい素材の両方を取り入れると、その時々の適所を選んで横になることができますよね。
季節問わず、飼い主が多様な素材の場所を常設しておくことも環境エンリッチメントにつながります。
出窓があると理想的
猫を飼う人・飼おうとしている人は猫のために出窓の設置を検討しましょう。
室内でずっと暮らす猫にとって窓辺は下界から刺激を受けられる大切な場所のひとつです。鳥や雲の動きを観察するのも猫にとっては楽しい時間といえます。
窓枠は120mm程度でも座れますが、寝そべってくつろげる窓だと◎。転落や脱走対策として、ペット用網戸にストッパーをつけると、安心して猫に外気を感じさせることができます。
2.ペットと共に暮らす家の実例をご紹介!
ペットとの快適な暮らしを実現した例を紹介します。
ペットとの暮らしを一番に考えた“人にも動物にも優しい家”
仕事の都合により県外へ引っ越したのをきっかけに家づくりをスタートしたTさん。
ペットと快適に過ごすことを最優先に取り組んだ家づくりのポイントとは?
DATA
- エリア:広島県
- 家族構成:ご主人、奥さま、犬1匹、猫2匹
- 構造:木造軸組工法
- 規模:平屋
- 土地面積:278.20㎡(84.15坪)
- 延床面積:98.54㎡(29.80坪)
- 性能:UA値 0.48、C値 0.6、太陽光発電 15kW
間取り
Tさんの老後やペットのことを考えた平屋です。LDKは約23帖と広く取り、その一部をペットコーナーにし、愛犬たちが家の中でも走り回れるようにゆとりある間取りを実現されました。脱走防止柵などは造作することを検討したそうですが、「ずっとペットを飼える保証もないし、将来的に別の部屋にするかもしれない」と考え、あえて既製品で代用することにしたそうです。
バリアフリー
愛犬たちが老いた際、段差が原因で怪我をしないように段差は必要最低限にとどめて玄関のみにしました。段差も低めに設計し、玄関以外の空間を全てフラットなつくりにすることで、躓いたり転落したりするリスクを減らしました。さらに、段差をなくしたことで掃除や家事が以前より楽になったそうです。
温熱環境
人間が快適だと感じる温湿度帯は一般的に温度20~26℃、湿度40~60%で、これに対し犬や猫は温度20~26℃、湿度50~60%と、人間とほぼ同じです。Tさん邸はUA 値0.48、C 値0.6の高断熱・高気密をベースに、第一種換気システムと壁に安芸珪藻土を用いることで、エアコン1台でこれらの快適な温熱環境を実現されました。夏は25℃、冬は23℃と、人と動物が快適に過ごせる室温が常に保たれているそうです。
また、調湿性に優れた安芸珪藻土が梅雨には余計な湿気を吸い取り、乾燥しやすい冬には蓄えていた湿気を放出するなど、季節に合わせて快適ゾーンの50%台に調整してくれるため、365日ずっと気持ちよく過ごせているそうです。
住宅の性能を表すUA値やC値は、後悔しない家づくり計画を進めるための必須知識です。
詳しい解説は高気密高断熱の記事をご確認ください。
自然素材
床には柔らかくて滑りにくく足腰に負担が少ない無垢杉を使用しています。
内壁には100%自然素材の安芸珪藻土、外壁は化学物質を吸着してくれる「そとん壁」(火山のマグマからできたシラスを原料とした自然素材)を採用しています。
特に珪藻土は嫌なニオイを湿気と共に吸着し、一般的に人間が気にならないとされるレベルまで分解してくれます。ニオイの中でもペットやタバコ、洗濯物などの水溶性のニオイの分解を得意とし、トイレのアンモニア臭やシックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドへの消臭効果もあります。
★家を建てて愛犬の体調に変化が!
慢性的な皮膚炎に悩まされ、かきむしることで胸部の毛が抜け落ち赤くなっていた愛犬の太郎くん。
ところが、新居に移り住んでその症状に変化が!ひどかった痒みが治まり、かきむしることがなくなったそうです。「恐らく我が家の自然素材や快適な温熱環境による効果だと思います。動物病院の先生も、症状の改善には少なからず住環境が影響しているのではないかとおっしゃっていました」と奥さまが話してくれました。
猫との暮らしでのポイントと注意点もご紹介!
DATA
- 家族構成:ご主人、奥さま、お子様、猫2匹
- 規模:2階建て、3LDK+S
- 土地面積:198.3㎡(60坪)
- 延床面積:137.07㎡(40坪)
- 性能:UA値 0.46、C値 0.4、第1種換気システム
間取りの例
猫のことを第一に考えた3LDK 2階建ての間取り。LDKは25帖と広く取り、南側に大きな窓と土間が設けられています。
温熱環境
暑さや寒さに弱い猫のために温熱環境にも配慮しましょう。
断熱・気密性能を高めることで、エアコン1台で猫も人も心地よいと感じる室温を一年中保つことが可能です。
寒いと体を丸めて寝る猫も、快適な室温がキープされていれば、冬でも足を伸ばして気持ちよく寝られます。
猫用の動線
猫は家の巡回が日課です。猫の動線を想像してキャットウォークや猫用扉を造作しましょう。
直線的な動線ではなく高さに変化をつけた設計がお勧めです。子猫や老猫には補助台を設けるなどするとよいでしょう。遠回りしないと辿り着けないところなどを造るのも猫たちを飽きさせないコツです。
一方で用途によって猫が入れない部屋をつくることもお勧めです。
例えば、ウォークインクローゼットや部屋干しを想定している部屋に猫用扉をあえて設けないことで、大事な洋服に猫の毛が付着するのを防ぎます。
尿マーキングとコンセント
猫は「スプレー」と呼ばれるマーキング行為をすることがあります。普通の排泄とは違い壁に吹き付ける行為のため、猫の体の高さよりも高い場所にかかってしまいます。そのため、コンセントを設ける位置には注意が必要です。万が一、コンセントにかかると内部で尿が濃縮されていき、火災に発展する恐れもあります。対策として、床から500~600mm以上の高さにコンセントを設置するのがお勧めです。
3.ペットと共に暮らすための家づくりが得意なハウスメーカー・工務店
ここではペットと共に暮らす家づくりに定評がある住宅会社をご紹介します。
大喜
- 住所:広島県広島市安佐南区西原3丁目13-12
- 電話番号:082-875-3300
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
「おうちで健康」をコンセプトに、健康のことを考えた高品質な自然素材の家づくりを行います。
壁材には「安芸珪藻土」というオリジナルの素材を使用して、調湿・抗菌・効カビ機能を高めます。
また「セルロースファイバー」という断熱材を丁寧に施工し、快適性や省エネ性だけでなく、防音性も高めた住宅を提供してくれます。
前述で紹介したT邸の建築を手掛けたのも大喜です。
口コミ・評判
快適です。冬はエアコン1台の稼働で家全体が暖かく、過ごしやすいです。前のアパートではエアコンをかけても寒く、子どもも夜泣きが多かったのですが、引っ越してからは夜泣きが減りました。床も冷たかったのが、今は無垢の床なのでスリッパなしでも歩けます。子どももよく寝転がってゴロゴロしています。
木絆
- 住所:岡山県倉敷市上富井522-1
- 電話番号:086-435-2876
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
設計担当の守屋さんは女性の一級建築士。女性ならではのきめ細やかな対応が魅力です。また、ご主人が現場監督でご夫婦で運営する工務店です。
建築棟数こそ少ないが、手間ひまを掛け(6カ月以上)細かなこだわりに応えてくれる工務店です。
奥さんの守屋さんは元々福祉設計(病院や医療・福祉施設)専門の建築士で、その経験が家づくりに反映され、住む人に優しい設計や導線を提案してくれます。
デザインは上質な和モダン住宅を得意としています。懐かしい日本家屋のテイストをベースとし小物や細部までセンス良く仕上げます。高性能で冬暖かく夏涼しい室内環境に、選りすぐりの材料(県産材・無垢材)にこだわり、シンプルかつ温かみのあるセンスある室内は住み心地も最高です。
口コミ・評判
どんな家にしたいかなど、いろいろお話しましたが、紹介していただいた木絆さんは私達が思い描いた通りの工務店さんで、とても的を射ていました。
5.まとめ
本記事では、ペットと暮らす上で知っておくべき大切なことや実例をご紹介しました。
ペットも人間と同じように、快適で健康的に暮らすための工夫が必要です。「家づくり学校」では、大切なペットと快適に暮らせる高い性能基準を満たした住宅会社の情報を幅広く取り揃えています。
また、ペットにとってもやさしい高性能で自然素材で仕上げた家の体感・見学をする機会も設けています!
家づくりでお悩みなら「家づくり学校」へお越しください!