【建物の安全性】マンション傾斜問題と地盤改良
2023.10.25
2020.10.01
連日メディアで報じられているマンション傾斜問題。目にされた方も多いかと思いますが、今回の現場は福岡県に建設された分譲マンションが約10㎝程度傾いているという信じがたい現象です。25年前に竣工された建物ですが、当初から玄関ドアの開閉がしづらいやひび割れが大きすぎて反対側からの光が漏れているなど、住民からの切実な声は多くあったと言われています。10㎝の傾斜ということは床に置いたビー玉も転がっているほどのレベルです。
「今回の現場は」と書いたのも、まだ記憶に新しい2015年に欠陥が指摘された神奈川県のマンションでも同様のことが起こりました。4棟が渡り廊下で連結された大型の分譲マンションですが、1棟の渡り廊下にズレが生じたことから発覚しました。こちらは総費用480億円かけて建て替え工事を行っており、今年完成予定のようです。
いずれのケースでも原因とされているのが、地盤改良の際に地面に打ち込む杭が強固な地盤(支持層)まで達していなかったことが挙げられています。なぜそのようなことが起こるのか?しっかりとした調査のもと、適正な施工がなされていないと言わざるを得ません。
今回問題になっている地盤改良は、イラストで見ると一番右の改良方法です。何本かの杭がよわい地盤までしか届いていなかったので、傾斜が発生したと言われています。
命に係わる重大事故に発生する前に気づき、今後建て替えという措置が講じられるとは言え、当事者の気持ちを考えると本当に言葉が見つかりません・・・。
現実にこのような問題が起こる以上、これからマイホームを検討される方は、どうすればいいのでしょうか?
答えは一つだけではなく難しいですが、一つ言えることは「家づくりについて学び、正しい判断基準を持ち信頼できるパートナーを見つける」ことは、ぜひ時間をかけて取り組んでいただきたいです。
今回の事例は分譲マンションで起こったことですが、一戸建ても例外ではありません。購入予定の土地がどういう土地で、安全に設計された建物をどのように建てるのか?この2つがしっかり担保されていないと、同様のケースに繋がる可能性は高いと思われます。
ここ最近多発する自然災害に対する備えという点も、マイホーム建築前にリスク回避の方法を知り、慎重に検討を重ねてご判断をしていただきたいと思います。家づくり学校でも可能な限りそのお手伝いをさせていただきます。
構造計算のプロによる安全設計とは?大地震から家族を守る術を伝授
以前にもブログでご紹介しましたが、構造設計一級建築士の波多野様をお招きして「本当に安全な設計とは?」を学ぶセミナーと現場見学会を10月24日(土)に開催します。どこの住宅会社さんで建築を依頼する時にも役立つ情報ばかりです。この機会にぜひご検討ください!
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