「断熱・気密」と電気代の関係とは?
2025.02.19
2022.09.11

「家づくり学校」で住宅会社さんを提案する際には、それぞれの会社さんの性能値(Ua値やC値など)をお伝えしています。断熱性能(UA値)に関しては、数値の基準があり、データもたくさんあるので比較しやすいのですが、気密性能(C値)に関しては国の基準はありません。一般的にC値は1.0をきると「高気密」と言われていますが、「家づくり学校」で提案する住宅会社さんはC値1.0をきる会社が多く、なかなか比較しにくいのが現状です。ですので、エアコン1台でどのくらいの電気代がかかるのかを計算して比較してみます!!
断熱・気密性能の違いで光熱費はどのくらい変わる?
まずは、前提条件を設定します。
家の延床面積:30坪(約100㎡)
外気温:5℃(福山市の真冬、1月~3月の平均気温)
室温の設定:20℃
電気代:35円/kWh
では、断熱グレードはG1(Q値:1.9)、C値:1.0 のおうちで計算していきましょう!
①1時間あたりの建物の熱損失量をもとめます。
(Q値1.9+C値1.0)×床面積100㎡×内外温度差(20–5)=4350(w/時)
②1ヶ月の熱損失総量をもとめます。
4350(w/時)×24時間×30日=3132(kw/月)
③この熱損失をエアコンで賄うためには(COP=5のエアコンだと1の電力で5の熱量を出せる)
3132(kw/月)÷5=626.4(kw/月)
④1か月のエアコン1台の電気代は
626.4(kw/月)×35(円/kWh)≒22,000(円)
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いかがでしょうか?正直、がちがちの文系の私にとっては頭がこんがらがりそうです。。。なんだか、センター試験の勉強をしている時を思い出しました( ゚∀゚)
断熱グレードを「省エネ基準(断熱等級4)」「HEAT20 G1」「HEAT20 G2」「HEAT20 G3」、C値を「2.0」「1.0」「0.5」「0.3」の組み合わせでそれぞれ計算すると以下の表の結果になります。
C値/Q値 | 省エネ基準 (Q値=2.7) |
G1 (Q値=1.9) |
G2 (Q値=1.6) |
G3 (Q値=1.07) |
2.0 | 35,500 | 29,500 | 27,200 | 23,200 |
1.0 | 28,000 | 22,000 | 19,700 | 15,600 |
0.5 | 24,200 | 18,100 | 15,800 | 11,900 |
0.3 | 22,700 | 16,600 | 14,400 | 10,400 |
※24時間つけっぱなしにしたエアコン1台の電気代です。照明器具、エアコン以外の電化製品、エコキュート、換気などは含めていません。また、ドアの開け閉めなども考慮していない数値です。あくまで目安としてお考え下さい。
表を見れば一目瞭然ですね!例えば、「G3でC値2.0」の断熱性能だけ考えたおうち(電気代18,000円)と「G2でC値0.5」の断熱と気密両方考えたおうち(電気代12,300円)であれば、後者の方が電気代が安くなっています。断熱性と気密性は一緒に考えなければいけないことが分かりますよね。
断熱性と気密性、両方を最高グレードにもっていけるおうちにできれば良いのですが、やはり予算と相談しなければいけません。当然、性能のグレードを高めようとするとその分金額も高くなる傾向にあります。また、あまりグレードを上げすぎても、温暖な瀬戸内地域の福山市ではオーバースペックになる場合も考えられます。バランスが難しいですね? このあたりの考え方は、住宅会社さんによっても異なってきます。
では、どうしたらいいのかというと…
ズバリ!自分で体感してみましょう!
要するに、数値だけ見て結論を出そうとするのではなく、ご自身で体感してみて納得することが大切です。体感して良いと思えるか、住宅会社さんの話に共感できるか、その上で予算や要望と照らし合わせながら考えていきましょう。
「家づくり学校」では、家づくりをする上で必須な知識の“学び”と実際の住宅の“体感”を通して、後悔のない家づくりをサポートしています。これから家づくりをする方、いろいろ訪問して分からなくなった方は、ぜひ家づくり学校へお越しください!
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