【現代流】家のつくりやうは冬をむねとすべし!?
2023.09.16
2019.07.23
「家のつくりやうは夏をむねとすべし」
この一節をご存知でしょうか?これは、今から約700年前の鎌倉時代末期にかの有名な吉田兼好が徒然草に記した一節になります。
めちゃくちゃ簡単に意訳すると、「家は夏涼しいように建てなさいよ」と言っています。(古文に精通した人間ではございませんので、雰囲気を掴んでください…笑)
そしてこの後に「冬はいかなる所にも住まる。暑き頃わろき住居は堪えがたき事なり・・・」と続きます。またまたこれを意訳(杉岡流)すると、「冬はどんなところにでも住める。ただ夏暑い家は耐えられんのじゃ・・・」という意味になります。要するに兼好は冬よりも夏涼しい家を建てることが重要で、寒いときは衣類で暖をとるものだと考えていました。
「そうは言っても、これはもう約700年も前のことだから関係ないでしょ。」こう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの考え方は現代に至るまで日本人に脈々と受け継がれています。
暑いときは窓や障子を開けて風を入れる。風通しを良くして湿気を逃がす。自然に寄り添いながら暮らしていく。特に昔ながらの木造住宅はこんな感じの「夏向き」の家ですよね。そして、寒いときは家の中でも着込みなさいと。冬に祖父母の家に行くと凍えたものです。
ただ、高度成長期になりクーラーが普及してくると日本の家づくりは徐々に変化していきました。それが現代の高気密・高断熱な家づくりです。冷暖房の登場により、どちらかといえば外気の影響を受けにくい家づくりが主流になっています。なので現代は「冬をむねとした家づくり」に移行しているんですね!
では、なぜ「夏をむね」とするよりも「冬をむね」とした方がいいのでしょうか?
人間は寒さに弱く、暑さに強い
「人間は寒さに弱く、暑さに強い」生き物なんです。
これ知ってましたか?体毛が薄いため、とにかく発汗機能が発達しているそう!こんな動物は人間のほかに馬ぐらいだそうですよ。
夏の熱中症ばかりがニュースで取り上げられがちですが、実は冬のヒートショックで亡くなられる方も非常に多いんです。交通事故で亡くなられる方の5倍近い方がヒートショックが原因で亡くなられています。
住宅の断熱性・気密性について長年研究されている近畿大学の岩前教授もこんなことを言われています。
―「いってらっしゃい、気をつけて」ではなくて、本当は「おかえりなさい、気をつけて」が正しいと言えるでしょう。
危険は家の中にあると言っても過言ではないんですよね。
もちろん、日本は高温多湿な気候ですから発汗のしにくさもあります。そういう意味では夏の暑さにも耐えうる「夏涼しくて、冬暖かい家」これがベストでしょう!
ですが、どちらかといえば「夏をむね」とするより「冬をむね」とした方が良いのは間違いありませんね。これからの家づくりは「家のつくりやうは冬をむねとすべし」ですよ~!
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―高気密・高断熱の家を建てるには?
―本当に夏涼しくて冬暖かい家を建てる会社があるの?
気になる方はぜひ家づくり学校へお越しください!一緒に学んで知識をつけていきましょう!^^