断熱材を知ろう!② ~まだまだあるぞ、断熱材~
2023.09.16
2020.12.20
以前投稿した「断熱材を知ろう① ~冬だから知っておきたいお家の断熱材~」の続きの内容です。もし、まだ見られていない方であれば、先にそちらをご覧になってください♪
断熱材の種類 ~発砲プラスチック系・自然素材系~
発砲プラスチック系 ~ポリスチレンフォーム・フェノールフォーム・硬質ウレタンフォーム~
発砲プラスチック系はその特性上、種類がたくさんあります。今回はその中でもポリスチレンフォーム・フェノールフォーム・硬質ウレタンフォームについてお話いたします。
ポリスチレンフォームは、押出法ポリスチレンフォームとビーズ法ポリスチレンフォームの2種類の製法によって分けられています。
押出法ポリスチレンフォームは、ボードの形状をしているため、よく床下の断熱材施工や外張り断熱に使用される断熱材で、ポリスチレンフォームでの住宅の断熱材のほとんどは、この押出法ポリスチレンフォームで施工されます。
また、押出法ポリスチレンフォームはその中でも3種類あり、1種b・2種b・3種bとあり、熱伝導率も0.040W/m・k以下、0.034W/m・k以下、0.028W/m・k以下と密度の違いにより種類分けされおります。(実はまだまだ種類分けされていますが…)
性能の良い物であればあるほど、密度が濃く、またお値段も高い…ということです(^^;)
上の写真は2つとも押出法ポリスチレンフォームです。(左・1種b、右・3種b)
ビーズ法ポリスチレンフォームは一般に「発泡スチロール」と呼ばれ、住宅以外の断熱材にも包装材として広く使用されています。
次に、フェノールフォームです。断熱材の中でも、トップクラスの断熱性能を誇り、熱伝導率は0.020W/m・kと、とても優秀な断熱材です。さらに、燃えにくく、有毒ガスの心配もない優れものです!それ故、他の発砲プラスチック系のものと比べるとお値段も段違いに高めです…
最後に、硬質ウレタンフォームです。画像では、なかなかグロテスクなものがものが映っておりますが…(^^;)
ボード状の素材のほか、吹き付けの断熱材として直接吹き付けて施工する方法もございます。(画像は吹き付け施工で使用するものです)
熱伝導率は0.023~0.040W/m・kと他の発砲プラスチック系断熱材と遜色ない性能を有しています。そして何よりの特徴が、現場発砲ができるため、断熱施工で隅の細かいところまで施工がしやすかったり、形がいびつなところでも関係なく施工ができることです。ただ、施工をする際にそれ相応の技術が必要ですので、施工を頼む会社さんの腕次第…
自然素材系 ~ウールブレス・炭化コルク~
自然素材系の断熱材でよく使われているのが、ウールブレス(羊毛)と炭化コルクです。自然素材系の断熱材は普及率で言えば、他の断熱材に比べるとまだまだ浸透していないものではありますが、自然素材で体にも安心という観点から言えば、文句なしに一番良い物であると言えます。
ウールブレス(羊毛)は、羊の毛に体に害のない防虫処理を施したものが一般的で、熱伝導率は0.040W/m・kとグラスウールやロックウールとさほど変わらない性能をしています。
そして、その一番の特徴としては高い調湿性です。自ら湿気を調湿を吸湿・放湿し、空気をため込んで断熱します。ただし、お値段が高く、また断熱材としてまだまだ普及していないため、施工できる住宅会社が少ないという特徴があります。
次に炭化コルクですが、ワインなどの製造で出たコルク(コルク樫)の端材を利用し、炭化させた物です。熱伝導率は0.041W/m・kと、ウールブレスと変わらない性能値で、他にも特徴として吸音性能・調湿性能を持っています。また、防虫に関しても、天然の防虫成分を有していますので、とても健康的に過ごすことができます。
断熱材について、2回に分けてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?実は、断熱材ってこんなにも種類があるんです。
そして、住宅会社さんによって使っている断熱材もそれぞれです。もし、断熱材にもこだわって家づくりをしたいという方は、一度家づくり学校でご相談してみてください!