24時間換気の第1種、第2種、第3種って何?ダクトってどうなの?
2023.10.25
2022.08.27
第1種換気、第2種換気、第3種換気の違いについて説明し、ダクトありとダクトなしのメリットデメリットを解説していきます!義務付けられている24時間換気ですが、その手段は様々です。自分たちに合った換気を検討していくためにぜひご参考にしてみてください。
24時間換気とは?
1日中新鮮な空気が家中を循環することを目的として、2003年の建築基準法の改正から24時間換気システムの設置が義務付けられました。
電気によって動く換気扇(ファン)によって、強制的に空気を動かします。1時間に半分以上の空気が入れ替わることが基準とされていて、下記に記した必要換気量を満たすように設計する必要があります。
必要換気量は、換気回数(回/h)×居室の床面積(㎡)×天井の高さ(m)で求められます。
24時間換気システムが義務化された背景は?
ひと昔前は断熱材はなく、家全体も隙間の多い造りになっていて、冬寒いというデメリットはありながらも、常に自然の風の力で換気ができていた状態でした。しかし、断熱材が普及しパネル工法なども増え、自然と気密性があがり隙間のない家の造り方になってからは、部屋の中で空気がよどみ湿気やハウスダストが外に排出しにくいようになる家が多発。その結果、シックハウス症候群が大きな問題となりました。
自然の換気だけでなく計画的な換気が求められるようになり、24時間換気システムが普及するようになったのです。
室内の空気は何によって汚れる?
空気の汚れは目に見えるものではないので「換気しないとそんなに大変?」と思いもしますが、室内の空気の汚れの原因は多岐に渡ります。
・生活臭(トイレ、料理、ペットのにおいなど)
・二酸化炭素
・PM2.5
・花粉
・結露や湿気から生じるカビ
・ダニ
・ホコリ、ハウスダスト
・ホルムアルデヒドなどの化学物質
症状には個人差がありますが、今までの報告事例として、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹などがあがっています。
第1種換気、第2種換気、第3種換気の違いは?
第1種換気のメリット・デメリット
第1種換気は、機械で強制的に排気し、機械で強制的に給気します。熱交換をする関係上、給気と排気の機械が一か所にまとめられていることが多いです。給気と排気のバランスをコントロールしながら換気を行うので計画外の給気、いわゆる隙間風を減らす期待もあります。
メリット
・最低限の給排気口の設定で済むので外気の影響を受けにくい
・さらに熱交換器を使うことでより一層外気の影響を受けにくくすることができる
・窓を開けても換気効率にあまり影響がない
デメリット
・設置費用が高い
・電気代(ランニングコスト)も高い
・メンテナンスを怠ると一気に換気効率が落ち、必要な量の換気ができない場合がある
第2種換気のメリット・デメリット
第2種換気は、強制的に給気をすることで、自然の流れで排気口からの排気を促しています。
第2種換気は住宅ではほとんど採用されていません。常に機械によって給気しているので、例えば窓や玄関ドアを開けてもあまり空気が入ってきません。花粉なんかが入ってきにくくていいじゃん!という一面もありますが、室内の水蒸気などが排気しきれず、結露のリスクが高まる面もあります。計画通り排気してくれたらいいのですが、家の中に隙間があるとその隙間からも自然の力で空気が押しだされる可能性があり、室内の暖かい空気が壁の中を通る途中に露点温度に達し結露することがあり得ますので注意が必要です。
第3種換気のメリット・デメリット
第3種換気は、強制的に排気をすることで、自然の流れで給気口から新鮮な空気を中に取り込みます。
メリット
・設置費用が安い
・機械を使うのは給気の方だけなので電気代(ランニングコスト)も安い
デメリット
・PM2.5や花粉はフィルターでカットできるけど、熱と湿気はダイレクトに外気そのままのものが室内に入る
・隙間があると計画外にそこからも空気が入ってくる可能性があるので、特に冬は隙間風を感じやすい
・給気口の数が多いのでフィルターのメンテナンスが大変
逆にいうと隙間さえしっかり閉じた気密性の高い施工をすると、第3種換気でも効率的な換気は十分可能です。第1種換気と第3種換気の光熱費の違いは月単位での違いは微々たるものですが、毎日毎日差額は積み重なっていきますから将来的には大きな違いになっていきます。
ダクトあり?それともダクトなし?どちらがいいの??
ダクトありのメリット・デメリット
ダクトありは、外壁にあける給気口と排気口を1か所に限定し、各部屋へはダクトを使って空気の出し入れを行います。
メリット
・動線を使って空気の流れを計画的に確実に換気を考えられる
・例えば防音室など閉じきった環境でも換気をすることができる
デメリット
・「結露してないかな…」「カビや埃は溜まっていないかな…」といった不安材料がある
・将来的な(ダクト内の)メンテナンスが大変
基本的にはダクトの中に常時空気が流れているので、湿気は溜まらないと言われています。(でも、換気のスイッチを切ったり、メンテナンスを怠るとその限りではないと思っています。。)
ダクトなしのメリット・デメリット
ダクトなしは言葉の通り、一切ダクトは使わずに、各部屋に給気口や排気口を設置することで家全体の換気を行います。
メリット
・不具合が起きたときに対応しやすい
・費用も安く済む
デメリット
・全ての機械(ファン)が均等にはたらいてくれないと上手に空気の交換ができない可能性もあります
・ダクトありのタイプに比べて壁に開ける穴の数が大きくなるので、室外の温度の影響を受けやすい
まとめ
このようなブログを書いておいてなんですが、どの選択が正解ということはありません!どれも計画に基づいて考えられていればしっかりと快適に暮らすことができます。
換気の種類について理解を深めても「自分達に合っているのはコレ!」と判断するのは至難の業かと思います。そんなときは思いきって住宅会社さんにいって、どういう狙いでどの換気システムを採用しているか聞いてみてください。
いろいろと話を聞いている中で「この担当者さんの考え方、好きかも、、」と、共感できる考えに出会えるのではないかと思います。
そういった住宅会社に出会えたときが、まさに家づくりのはじまりです!
家づくり学校は、みなさんにとって最高の住宅会社さんに出会えるようにお手伝いをしていきますので、お気軽にご相談ください(^^)/