【モデルハウス見学ガイド】見学時に聞くことや注意点・ポイントを解説
2025.01.24
各住宅会社が手掛けた実際の住まいや施工例を確認できる「モデルハウス」。
モデルハウスには、ホームページや資料・カタログだけではわからない情報がたくさん詰まっています。素敵なモデルハウスを見学すると、家づくりのモチベーションや期待感もアップしますよね!
今回はモデルハウスを見学する際に質問することや、注意点・チェックポイントなどについてご紹介します。
本記事は、累計28,000組以上の家づくりをサポートさせていただいた「家づくり学校」が執筆しています。
「家づくり学校」では、家づくりの基本知識や予算設定のコツ、信頼できる住宅会社の見極め方などを出版社ならではの公平かつ中立の立場で個別相談やセミナーを通してレクチャーしています。
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1.モデルハウス見学の目的を明確にする
モデルハウスは、住まいづくりの実例を直接見られる貴重な場であり、理想の家を具体化するための多くのヒントが得られます。内装デザインや間取りの工夫を目で確認できることは、間取り計画やインテリア選びに非常に役立つでしょう。
しかし、目的意識を持たずに見学するだけでは、得られる情報を活かしきれません。事前に見学の目的を明確にすることで、注目すべきポイントを絞り込み、効率的かつ有意義なモデルハウス見学が可能になります。
モデルハウス見学は以下のような項目を押さえておくと良いでしょう。
- 理想の暮らしを実現するためのヒントを得たい
- 間取りや設備を具体的に見たい
- 性能ごとの違いを体感したい
- ハウスメーカー・工務店を比較検討したい
以下で順に解説します。
【例①】理想の暮らしを実現するためのヒントを得たい
モデルハウスは、理想の暮らしを具体化するためのアイデアが詰まった場所です。実際にその空間を訪れることで、写真やカタログでは得られないリアルな感覚や情報を体験できます。心地よい住空間の雰囲気や実用的なアイデアに触れることで、家づくりの方向性が明確になり、より具体的なイメージを形にする手助けとなるでしょう。
また、スタッフとの会話を通じて疑問点を解消したり、専門的なアドバイスを受けることで、より良いプランを考えるきっかけにもなります。モデルハウスで得たアイデアを、あなたの住まいづくりにぜひ活用してください。
【例②】間取りや設備を具体的に見たい
モデルハウスを見学する際は、実際にその家に住んでいることを想定して、生活や家事の動線を具体的にチェックすることが重要です。快適で効率的な動線が実現されているか、実際に動きながら確認することで、実用性をしっかり見極めることができます。
また、床材や壁紙、ドア、手すり、階段といった内装から、システムキッチンやユニットバス、洗面台などの水回り設備まで、素材やデザインを細かく観察しましょう。これらの設備が標準仕様なのか、それともオプション仕様なのかをスタッフに確認することも大切です。
さらに、換気システムや火災報知器、インターフォン、コンセントやスイッチ、照明、TV、LANなどの電気設備の配置や数、デザインについても詳細に確認してください。これらが標準仕様として提供されるかどうかや、性能の違いも事前に確認しておくと安心です。
【例③】性能ごとの違いを体感したい
耐震性・耐火性・省エネ性・断熱性・気密性といった住宅の性能は、快適で安全な住まいを実現するうえで欠かせない要素です。
断熱性能はUA値やQ値、気密性能はC値といった客観的な指標で評価されますが、目に見えるものではないため、カタログや情報誌では確認することができません。それらの性能がどれだけ快適か、自分たちの身体にあっているかは、実際に体感しなければわからない部分です。
モデルハウスを見学することで、その住宅会社が提供する住まいの性能レベルを実際に確かめることができます。
【例④】ハウスメーカー・工務店を比較検討したい
複数のハウスメーカーや工務店のモデルハウスを訪れることで、工法や省エネ性能などの特徴について理解を深めながら、それぞれの住宅を比較・検討することが可能です。
壁や床材の質感、キッチンやトイレなどの設備、延べ床面積と実際の広さの印象、外観のデザイン性などを直接体感することで、住宅会社の特徴や家づくりのイメージをより具体的につかむこともできるでしょう。
まずは家づくり学校で知識を付けよう!
やみくもに住宅展示場やモデルハウスを訪問しても、「なにがなんだかわからない…」といった状態になってしまうのが家づくりです
まずは「家づくり学校」の個別相談やセミナーで「正しい家づくりの知識」を身に付けましょう。知識を身に付けることで、自分たちがどんな家づくりをしたいかが見えてきます。
またモデルハウス見学時にも、質問などが的確にでき、効果的な住宅会社の検討ができるでしょう。
「家づくり学校」のサービスはすべて無料です。「これから家づくりを始めたい!」という方はお気軽にお問合せください。
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2.モデルハウス見学に行く前にするべき3つのこと
モデルハウスに見学に行く前に、いくつかやっておいた方がいいことがあります。ここでは、大きく3つに分けてご紹介します。
家づくりの基本知識を身に付ける
家づくりを考え始めた人の多くが「とりあえず住宅展示場・モデルハウスに行ってみるか」となりがちです。ただし、家づくりの知識がないまま見学してしまったために、「結局何を見ればいいのか、何を質問したらいいのかも分からないまま疲れ果ててしまった」という声もよく聞きます。
そうならないためにも、家づくりを考え始めたらまず家づくりの基本知識を学ぶことから始めましょう。
無理のない予算・ライフプランを立てる
家は生涯で最も大きな買い物です。
「住宅購入資金」「子どもの教育資金」「老後の生活資金」を“人生の三大資金”と呼びますが、どれか一つだけにお金をかけすぎてしまうとバランスが崩れ、他の資金にしわ寄せが来ます。住宅の購入資金は、これからの人生で必要とされるお金も踏まえて考えるのが大前提です。
住宅会社訪問後に予算が高くなってしまった…というのはよく聞く話ですが、訪問前にある程度、予算を固めておくことで、無理のない家づくり計画で進めることができます。
方向性と要望をまとめる
住宅会社と一口に言っても、業態や目指している方向性によって特徴や価格帯はさまざまです。
例①:どの業態の会社で建てたいか?
- ハウスメーカー
- 工務店
- ビルダー
例②:住宅の方向性
- ローコスト系
- デザイン系
- 住宅性能系
- 自然素材(洋)系
- 自然素材(和)系
上記の例以外にも、さまざまな判断基準で家づくりを選んでいく必要があります。自分たちのかなえたい家づくりの基準がないまま「とりあえず見学に行ってみよう!」と、やみくもに行動しても迷うばかりです。
予算や要望をまとめ、業態ごとの違い、会社ごとの特徴や目安価格、そして家づくりの方向性などについてもしっかり学ぶことで、進むべき方向性と検討すべき会社が見えてきます。
「家づくり学校」ではこんなことが学べます!
- ムリのない予算はどう考える?
- 家づくりは何から始めるべきか?
- どんな会社があり、どれくらいで建てられる?
- 信頼できる会社の選び方と見極めポイント
「家づくり学校」で大切な知識を学ぶ
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3.モデルハウス見学時に聞くこと・チェックポイント10選
モデルハウスを見学する際は、事前に「見たいポイント」を決めておくことで、効率的かつ有意義な見学が可能です。
- 部屋の広さ・高さ・寸法
- 家全体の雰囲気
- 間取りの工夫
- 会社の強み・こだわり
- 住宅性能
- 素材・建材の種類
- 標準仕様・グレード・オプション
- 保証やアフター体制
- トータルコストの目安
- 営業担当者・スタッフと話す
ここでは上記のモデルハウス見学時に確認すべき10個のチェックポイントをご紹介します。
①部屋の広さ・高さ・寸法
モデルハウスは打ち合わせスペースなどを考慮し、実際より広く設計されていることがあります。しかし、「〇帖でこれくらいの広さ」といった感覚を掴むことは、間取りの検討に役立ちます。
②家全体の雰囲気
外観や間取りに表れる住宅会社ごとの特徴を確認しましょう。使用される素材や建材による質感や空気感もチェックし、家全体の雰囲気をつかむことが大切です。
③間取りの工夫
生活動線や家事動線を実際に体感し、それが使いやすいかどうかチェックしましょう。見学中に「もっとこうしたい」というアイデアが浮かぶこともあります。暮らし方を具体的にイメージしながら確認してみてください。
④会社の強み・こだわり
各住宅会社の家づくりの特徴や得意分野を確認し、自分たちの希望や優先順位と合うかどうかを見極めるようにしましょう。
⑤住宅性能
断熱性能や気密性能といった住宅性能は目で確認できるものではなく、肌で体感して分かるものです。モデルハウス訪問時には以下のようなことをチェックしましょう。
- 部屋の温度や湿度は快適か
- 空気が気持ちいいと感じるか
- 外の音はどのくらい聞こえるか
上記のように断熱性や空気環境、遮音性についてどう感じるか、ネットやカタログの情報や図面だけではわからない「住み心地」を意識して体感してみましょう。
⑥素材・建材の種類
間取りや設備だけでなく、使用されている素材や建材にも注目しましょう。木の温かみを求める人もいれば、シャープなデザインを好む人もいます。自分の好みや家づくりのイメージに合った素材が使われているかどうか確認してください。
⑦標準仕様・グレード・オプション
モデルハウスでは、オプション価格となるハイグレードな設備が使用されていることが多いので注意が必要です。「標準仕様とオプションの違い」をスタッフに確認し、実際の仕様とのギャップを防ぎましょう。
⑧保証やアフター体制
住宅は建築後のサポートも重要です。長期保証の有無やアフターサービスの充実度を確認し、安心して住み続けられる体制が整っているかといった点も確認しておくようにしましょう。
⑨トータルコストの目安
注文住宅の価格を考える際、一般的に「坪単価」が基準として用いられます。坪単価とは、1坪あたりの建築費を指します。
ただし、坪単価には家本体の建築費しか含まれていないことが多く、これが総費用ではない点に注意が必要です。屋外工事費や諸経費などは含まれておらず、坪単価が住宅建設にかかる総費用に占める割合は約7割程度とされています。
また、坪単価に含まれる費用は住宅会社によって異なる場合があります。そのため、坪単価を確認する際には、その他に発生する費用についても詳しく尋ね、全体のコストを把握することが重要です。トータルコストの目安をしっかりと把握しておくことで、予算計画をより正確に立てられるでしょう。
⑩営業担当者・スタッフと話す
モデルハウスの見学時には、案内役として住宅会社のスタッフが同行するのが大半です。このスタッフが家づくりを共に進める担当者になることが多いため、スタッフの雰囲気や相性の良さを確認することは非常に重要です。
「親身になって相談に乗ってくれる」「不明点をすぐに調べて解決してくれる」など、顧客一人ひとりに寄り添う姿勢が感じられるスタッフがいる住宅会社を選ぶと安心です。一方で、営業スタイルが強引だったり、上から目線の対応をされる場合は注意が必要です。そのような住宅会社は避けた方が、理想の家づくりが実現するでしょう。
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4.失敗しないためのモデルハウス見学のコツ
モデルハウス見学を有意義なものにするためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。以下に失敗しないためのコツをご紹介します。
希望の予算・要望を事前にまとめておく
モデルハウスを見学する前に、希望する予算や具体的な要望をあらかじめ整理しておくと、効率的に見学が進められます。希望条件に合ったモデルハウスを絞り込むことで、必要な情報を効率よく得ることも可能です。
特に、予算の目安をあらかじめ決めておかないと、プランの希望が膨らみ、最終的な費用が予算を超えてしまうこともあるので注意が必要です。
また、現在の住まいの「気に入っている点」や「不満な点」を家族で共有し、どのような間取りや設備を希望するかを具体的にイメージしておくと、理想の家の姿が見えやすくなります。
複数のモデルハウスを比較する
事前にまとめた要望をもとに、条件に合う複数のモデルハウスを見学することで、比較検討がしやすくなります。それぞれのモデルハウスの特徴を確認することで、自分たちに最適な選択肢が見えてくるでしょう。
ただし、条件に合ったモデルハウスだけに限定せず、他のモデルハウスも選択肢に加え見学することもおすすめです。想定外のアイデアや魅力を発見できるかもしれません。特に、自分たちが「見たいポイント」を意識しながら見学することが重要です。
これらのコツを意識してモデルハウスを見学することで、より満足度の高い家づくりに役立つ情報を得られるでしょう。
建物全体を体感する
モデルハウスを訪れる最大のメリットは「体感できること」と言っても過言ではないでしょう。自分たちにとっての快適基準を見つけるためには、実際に建てられた家を体感しなければなりません。
性能レベルの違う家をいろいろと「体感比べ」することで自分たちにとって快適な温熱環境として、どのレベルを求めるべきかの基準が見えてきます。
以下、性能の違いが出やすい真夏(7月~9月)と真冬(12月~2月)の見学訪問時のポイントを紹介します。
真夏のモデルハウス体感時のポイント
夏場の高性能住宅を見極めるポイントは「2階が熱籠りをしていないか」です。上の図は性能が低い家のサーモグラフィの図。エアコンの付近は温度が下がっているものの、壁や天井の温度は高いままです。
モデルハウスの階段を上がっていく途中でムッと熱気を感じたら、その家には隙間がたくさんあり(気密性能が低い)、熱籠りしているということなのです。
真冬のモデルハウス体感時のポイント
真冬は真夏以上に性能レベルの違いがよく分かります。上の図は断熱性能・気密性能の低い家ですが、足元を中心に温度が低くなっています。
断熱性能・気密性能の高い住宅は、モデルハウスに入った時の温度感でよくわかります。高性能な家は玄関に入った瞬間にホッと包み込まれる暖かさを感じます。足元も裸足で歩いても暖かく、特に性能の高い家では真冬でも半袖半ズボンで過ごせるほどです。
※見学時に裸足(靴下)で温度を確かめたい場合、モデルハウスによって裸足で歩くことを禁止されている可能性があるため、必ず担当者にお聞きしてください。
家づくり学校で高性能住宅を体感!
「家づくり学校」では、高性能住宅を体感・見学できる「体感ツアー」というイベントを設けています。さまざまなテーマで開催しており、実際に学んで体感することで、後悔・失敗のない家づくりのために必要な「基準」が出来上がります。
参加費は無料なので、高性能住宅を体感してみたいという方はぜひお気軽にお申込みください!
5.モデルハウス見学が終わったらやるべきこと
モデルハウスを見学した後は、そこで得た情報を振り返り、理想の住まいのイメージを具体化するための整理が欠かせません。以下に見学後に行うべきポイントをご紹介します。
忘れないうちに会社の特徴や印象を整理する
見学後、記憶が新しいうちに情報を整理し、感想や特徴をまとめておきましょう。カタログや写真と併せ、主に以下のような点をメモすると後にも役立つでしょう。
- モデルハウスの中で良かったところ、自分の住まいに取り入れたいところ
- モデルハウスの中で自分たち家族には合わない、不要であると感じたところ
- 住宅会社の対応がどうだったか、印象に残った営業担当の言動について
- 質問をしたことの中でクリアになったこと、疑問点が解消できなかったこと
- 説明を受けた工法や設備の中で、自分たちの住まいに取り入れられそうな箇所はどこか
- 相性の良さそうな住宅会社かどうか
再度予算について話し合う
モデルハウス見学で得た情報や住宅会社スタッフのアドバイスをもとに、予算についても再度家族で話し合ってみてください。以下の観点で具体的な検討を進めるとよいでしょう。
- 希望の広さの家を建てるために必要な予算はいくらなのか
- 頭金はどれだけ用意できて、住宅ローンをいくら借り入れるのか
- 毎月どれくらいなら返済していけるのか …など
予算が明確になったら、モデルハウス見学で得た情報と予算額を踏まえ、再度住宅会社の絞り込みを行いましょう。
「家づくり学校」は、住宅会社の訪問後に「いろいろ見過ぎて迷ってしまった…」という方にもよくご利用いただいております。いろいろ見比べて家づくりの迷子になってしまった方は、ぜひ「家づくり学校」を上手に活用してください。
6.まとめ
モデルハウスは、住宅会社の手がける住まいを実際にチェックできる場所です。これから家を建てたいと考えている人は、モデルハウスを見学することで「自分にとっての理想の家」をよりイメージしやすくなるでしょう。
今回の記事で解説してきたポイントも参考にしていただき、モデルハウスの見学当日はメモや筆記具、メジャーなども持参して、しっかりチェックしてくださいね。
ただし、訪問時には今回述べたような注意点もあります。家づくりの前提知識があれば、迷うことなく質問することができるなど効率的に情報収集ができます。
「家づくり学校」で失敗しないために、家づくりの勉強をしましょう!