高気密高断熱の住宅とは?メリット・デメリット、後悔しないためのポイントを徹底解説!
2024.07.17
2023.12.19
住まいの快適さや省エネ性を向上させるために注目されている高気密高断熱の住宅。
しかし、「高気密高断熱」には明確な基準や定義はなく、その実態を理解せずに家づくりを進めると後悔の原因となることもあります。
本記事では高気密高断熱の住宅に焦点を当て、そのメリットとデメリットを紐解きながら、後悔しないための重要なポイントを解説します。
この記事を読んでいただきたい人
- 高気密高断熱の家を建てたい人
- 冬暖かく夏涼しい快適な住まいにしたい人
- 光熱費のかからない家にしたい人
- 高気密高断熱が得意なハウスメーカーや工務店が知りたい人
本記事は、累計23,000組以上の家づくりをサポートさせていただいた「家づくり学校」が執筆しています。
家づくり学校では、家づくりの基本知識や予算設定のコツ、信頼できる住宅会社・工務店の見極め方などを出版社ならではの公平かつ中立の立場から個別相談やセミナーを通してレクチャーしています。
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1.高気密高断熱の住宅とは?基準や定義を解説
高気密高断熱の住宅とは言葉通り「高い気密性能」と「高い断熱性能」を備えた家のことを指します。
ただし、「高気密高断熱」には具体的な基準や定義はなく、「○○の数値をクリアしていれば高気密高断熱な住宅である」というのは実はないのです。
ハウスメーカーや工務店が「高気密高断熱な家づくりをしています」と言えば、「高気密高断熱な住宅」ということになってしまうのです。
そこで本章では、快適で省エネな暮らしを実現するための気密性能と断熱性能の基準を数値も踏まえて具体的に解説します。
断熱性能の基準
断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という指標で示されます。
UA値は建物から外部に逃げる熱量を外皮面積全体で平均した値のことです。
熱量は住宅の床、外壁、窓、天井・屋根、換気などから外部に逃げる性質があり、これらの熱量を外皮全体で平均したもので、いわゆる「熱量がどれくらい外部に逃げやすいか」を表します。(UA値は換気による熱損失は含みません。)
UA値の値が小さいほど「熱量が外部に逃げにくい」ということになり、断熱性能が高く省エネルギー性能が高い住宅ということになります。
また、断熱性能の基準には「Q値(熱損失係数)」という指標もあります。
Q値もUA値同様に住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示した数値で、“Q値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能の高い住宅ということになります。
UA値との違いは「換気による熱の損失を含む」ことと、「建物の延べ床面積のみで算出する」ことです。
Q値の算出方法では、建物の述べ床面積が大きいほどQ値が小さくなる(断熱性能が高くなる)ので、住宅の断熱性能をより正確に判断できるよう2013年の省エネ基準改正から、Q値に変わってUA値が用いられるようになりました。
一方でQ値は換気によって失う熱の量まで数値に考慮されているので、より厳密に暖かさや涼しさを表すともいえます。
そういったことから、UA値だけでなくQ値まで細かくチェックする会社もあります。
では、快適で省エネな暮らしをするためには、断熱性能をどのレベルまで高めればよいでしょうか?
結論、「断熱等性能等級6以上」を推奨します。
断熱性能の等級や詳細については下記で解説します。
日本の低い断熱性能基準は低い?省エネ基準とは?
日本の断熱性能基準は世界的に見てもかなり低いレベルにあることをご存知でしょうか?
ここで、現在国で定められている「省エネルギー基準」について解説します。
省エネルギー基準とは、日本を8つの地域に分けて「UA値」と「ηAC値※」をクリアした上で設備機器も含めた住宅全体の省エネ性を評価するものです。
※ηAC値とは窓から直接入る日射による熱と、窓以外から日射の影響で熱伝導により入るする熱を評価した冷房期の指標
図:省エネルギー基準 地域区分 ※図をタップすると拡大できます。
引用:住宅・建築SDGs推進センタ― 住宅の省エネルギー基準
上記のUA値とηAC値の数値は「等級4」で、2025年4月から原則全ての新築住宅に対して適合が義務化される基準です。
ただし、この基準は国際的に見てレベルの低い数値です。これらの基準を満たした程度では快適で省エネな家にはならないということを念頭に入れておきましょう。
図:8つの地域の断熱等性能等級 ※図をタップすると拡大できます。
上の図のように断熱性能の指標には国が定めた住宅性能表示制度による断熱性能等級と「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が示すHEAT20 G1・G2・G3があります。
断熱等性能等級6はHEAT20 G2を、等級7はG3を参考にしています。
現在、国が定める省エネ基準は「等級4」で2025年4月から義務化になります。先述した通り、この基準はかなり低い基準でしたが、2022年4月まではこれが国の定める最高レベルでした。
さらにこの基準をクリアすることは義務でもなかったため、日本では断熱性能が低く、冬寒く夏暑い、光熱費がかかる家が大量に供給されてきました。
この状況を変えようと、国は2022年4月に省エネ基準(等級4)を上回る「断熱等性能等級5(ZEH水準)」を新設し、10月にはさらに断熱性能の高い「断熱等性能等級6」「断熱等性能等級7」を新設しました。
また2030年度には適合義務化の基準を「等級4」から「等級5」に引き上げることが予定されています。
つまり、これから建てるなら最低でも等級5は必須であり、快適で省エネな家を実現するなら等級6以上にすることを推奨します。
断熱性能を高めれば光熱費を大幅に抑えられることはもちろん、温度差の少ない温熱環境で健康に暮らせるなどのメリットがあります。
住む人の体にもお財布にも優しい持続可能な家を実現するために、断熱レベルについてしっかり考えておきましょう。
気密性能の基準
気密性能は「C値(相当隙間面積)」という値で示されます。
C値は家の面積(大きさ)に対して、どの程度の隙間が存在しているかを表した数値で、値が小さいほど隙間が少なく気密性の高い住宅ということになります。
省エネ基準やZEHの条件にも具体的な数値は明記されていませんが、いくら断熱性能を高めても気密性能が低いと、快適で省エネな住宅を実現することができません。
写真:スイッチ周りの断熱施工の例。隙間が空いていて本来の断熱性能を発揮することができない。
隙間があれば冷暖房した空気は外に逃げ、外気が流入するので、冷暖房効率の悪い住宅になります。断熱材が隙間なく施工されて初めて、少ないエネルギーで暮らせる家になるのです。
写真:正しい断熱材の施工例。隙間のない施工で気密テープで気密処理がされている。
高気密住宅の目安はC値1.0以下
隙間の大きさははがきの枚数にしてみると違いがよくわかります。図のようにC値5.0㎠/㎡であれば1㎡に5㎠の穴が空いている状態です。
快適で省エネに暮らすための高気密住宅の目安はC値は1.0㎠/㎡以下です。
なお、UA値やQ値は設計の段階から算出することができますが、C値は実測値です。実際に家を建てた後、「気密測定」をしてみないとわかりません。
写真:気密測定の様子。専用の機械(気密測定器)で住宅の隙間の面積を計測する。
高気密な住宅をご希望なら、あらかじめ依頼するハウスメーカーや工務店がどのくらいのC値を基準としているのかを確認しておくことをお勧めします。
また、断熱・気密性能の他に耐震性能なども十分に高めることで、安心安全な家づくりになります。
耐震性能なども含めた「高性能住宅」については下記で解説しているので参考にしてみてください。
「高性能住宅とは?メリット・デメリットや評判の良いハウスメーカー・工務店を紹介」
2.高気密高断熱住宅のメリット6選
高気密高断熱の住宅にはどのようなメリットがあるでしょうか?
ここでは高気密高断熱の具体的な6つのメリットを解説します。
①冬暖かく夏涼しい、一年中快適な住み心地になる
高気密高断熱の住宅は外気の影響を受けにくく、夏は熱を遮断し、冬もエアコンなどで暖めた室内の熱を外へ逃がさないので、一年を通して均一な温度を保ち続けることができます。
図:サーモグラフィで撮った高気密高断熱の住宅。壁・天井・窓などの表面温度が均一であることがわかる
冬暖かく夏涼しい環境で快適な暮らしができるのはとても大きなメリットです。
また、冬場の温度差が原因で起こるヒートショックや、夏場にクーラーのない部屋で起こる熱中症なども高気密高断熱の家なら防ぐことができます。
★高気密高断熱の住宅に住む方の口コミ
家中の部屋が20℃前後ですのでストレスを全く感じません。全国的な大寒波もありましたが、日中は無暖房で暖かく過ごせました。
二世帯住宅なので光熱費も二倍かかるものと覚悟していましたが、マッハシステムと太陽光発電を提案してもらったおかげで杞憂に終わりました!ヒートショックや熱中症と無縁の年中快適な住み心地は最高です!
②光熱費を節約できて省エネになる
冷暖房費を節約できることも、高気密高断熱住宅の大きなメリットです。高気密高断熱にすると外気の影響を受けず住宅内の温度を一定に保つことができるので、冷暖房の効率を高めることができます。
エアコンなどは設定温度を強めに調節しなくても効きがよく、光熱費を抑えることが可能です。
昨今、光熱費はますます値上がりしており家計の大きな負担になっています。
高気密高断熱の家は「光熱費がかからない家」です。住み心地が良いだけではなく、お財布に優しい暮らしを実現できる家は魅力的です。
★高気密高断熱の住宅に住む方の口コミ
光熱費は賃貸の時に月2万円ほどでしたが、延床面積が増えたのに1万円に減りました。高断熱・高気密のおかげで、夏も冬もエアコンは緩くつけておくだけで快適な温度になります。
③換気できれいな空気を取り込める
快適な暮らしをするためには新鮮な空気が必要です。そのためにはしっかりと換気を行う必要があります。
現在の建築基準法では建てられるすべての家に「24時間換気システム」の搭載が義務付けられています。このシステムは気密性が高いほど換気の効率が良くなり、室内の空気の入れ替えもしっかりと行うことができます。
空気の入れ替えが行われると、健康に害を与えるシックハウス症候群になるリスクも低くなります。
④花粉症を防ぐことができる
花粉は家の隙間や換気の際の窓や開口部、洗濯物や布団にくっついて入ってきます。
高気密な住宅は隙間が少ないので外部から入ってくる花粉をシャットアウトすることができます。
また、高い気密性能があるからこそ可能な計画的な換気により、24時間ムラなく新鮮な空気に保たれます。
室内に入り込んだ有害物質を排気し、フィルターを通して給気が行われるので花粉を極力室内に入らないようにすることができます。
花粉のほか、PM2.5や窒素酸化物などの有害微細粒子にもフィルターは有効なため、換気システムを通すことで、室内の空気がいつもきれいに保たれます。
花粉症が気になる方は気密性能と換気システムをしっかり確認しておくと良いでしょう。
★高気密高断熱の住宅に住む方の口コミ
家族全員、花粉症なのですが、家にいる時は症状が楽になります。換気システムのおかげかな?エアコンの効きもよく、温度湿度も安定しています。
⑤結露が発生しにくい
結露はカビやダニを発生させます。そしてカビやダニはアトピーやアレルギーの原因物質です。
また、断熱材の施工不良が原因で、壁の中で発生する「内部結露」は断熱材にカビを発生させるとともに、接触する柱や梁も腐らせてしまう可能性があります。
結露は人の身体と家を蝕む恐ろしいものなのです。
高気密高断熱の家では、結露が発生しにくいためアトピーやアレルギーといった症状を防ぐことができます。内部結露も起こりにくいため耐久性の高い長寿命な家になります。
★高気密高断熱の住宅に住む方の口コミ
とても快適です。オール電化で24時間エアコンをつけっぱなしですが、リビングは結露もなく冬の朝もあまり寒くないです。
⑥防音性が高い
高気密高断熱の住宅は、一年中快適で省エネになるだけでなく防音性能も高まります。
防音性を高めるために特に重要なのが気密性で、高気密高断熱の住宅では、家の壁に厚みのある断熱材を隙間なく施工するため、自然と高い遮音性能を備えるような家になるのです。
断熱材は室内の音漏れを防ぐ防音効果も備えていますが、断熱材の種類によって効果は異なります。
道路沿いで騒音が気になる、音楽鑑賞を楽器演奏などで音を漏らしたくないという方は防音効果の高い断熱材も検討してみると良いでしょう。
高気密高断熱で後悔?5つのデメリット
高気密高断熱住宅は一年中快適で住み心地が良いだけでなく、光熱費のかからない家としてこれからの家づくりには欠かせません。
しかし、高気密高断熱住宅の性質を正しく理解しないと後悔に繋がる可能性もあります。
ここでは高気密高断熱住宅のデメリットとその対処法を解説します。
①暖房器具と部屋の相性を考慮する必要がある
高気密な家の場合、暖房器具選びに制約が出ます。
炎の熱で部屋を暖めるタイプの石油ストーブは、室内の二酸化炭素濃度が上がってしまいます。
24時間換気システムの換気量ではストーブにより発生するガスの排出には足りないので、定期的に窓を開けて換気をしなければなりません。
せっかくの気密性能で外気を遮断しても、外の冷気を家の中に入れてしまうことになるので、高気密高断熱住宅では石油ストーブの使用は不向きと言えます。
②夏は暑くなってしまう可能性がある
高気密高断熱住宅はエアコン効率が高いため、夏の暑い日でも少ない冷房費で快適・省エネに過ごすことができます。
ただし、熱の通しやすい窓などから太陽の熱がある程度入ってしまうことは避けられません。
高気密高断熱にすると入ってきた熱が逃げにくくなるので、その熱が家の中に留まってしまい「冬は快適だけど夏は冷房なしでは暑い」という室内環境になってしまう可能性があります。
これからの家づくりでは気密性能と断熱性能を高めることは必須ですが、同時に夏場は日射が入らないように計算して家を建てないと、せっかくの性能もデメリットになる可能性もあります。
対策として、窓などの開口部に遮熱性の高いガラス設置をしたり、軒や庇を設け季節によって変化する太陽の高度を計算して設計することも大事です。
このように太陽の日射などを計算して設計することを「パッシブデザイン」と言います。
図:パッシブデザインの仕組み
パッシブデザインの家は冬は日射を取り入れて、太陽の熱だけで暖かく、夏は上手く日射遮蔽することで涼しい住環境をつくりだすことができます。
これからは単に断熱性と気密性を高めるだけでなく、パッシブデザインも意識して家づくりをする必要があります。
パッシブデザインの詳細については以下で解説していますので、ぜひご覧ください。
③室内が乾燥しやすい
冬になると空気が乾燥しますが、特に高気密高断熱の住宅は乾燥しやすいと言われています。
その原因は「冬でも暖かく快適な温度に保てる」ことにあります。
空気中の水分は温度が低いほど少なく、高いほど多くなります。冬の空気は冷たいため、空気中に含まれる水分量がそもそも少ないのが特徴です。
この冬の冷たい空気を室内で快適な温度にすると、相対湿度が下がり乾燥してしまいます。
「相対湿度」とは、「その温度の空気が含む水蒸気量の上限に対して、どのくらいの水蒸気を含んでいるか」を示した割合です。
空気を暖めることで、同じ体積当たりの水蒸気量が増加するので、相対湿度が下がってしまうのです。これが高気密高断熱の家は乾燥すると言われている原因です。
対策として加湿器をつけることや洗濯物を室内干しすることなどが挙げられます。
洗濯物の室内干しは濡れた洗濯物が早く乾くのと同時に、乾燥を防ぐことができるのでお勧めです。
④建築費が高い
高気密高断熱の住宅は一般の住宅と比較して建築費が高くなります。
その大きな理由として断熱性能を上げるために断熱材を分厚くしたり、高品質なものにしたり、性能の良いサッシ・窓にするためです。
ただし、家づくりでは建築費(イニシャルコスト)の他に光熱費などのランニングコストも併せた、ライフサイクルコストで考える必要があります。
図:イニシャルコストとランニングコスト=ライフサイクルコスト
ここで具体的な金額を出して解説します。
一般の住宅が2200万円、性能の高い高気密高断熱の住宅が2500万円とすると、約300万円ほど高気密高断熱の住宅の方が高くなります。
金利を1.5%、35年ローンで計算すると住宅ローンの返済額は高気密高断熱住宅は月額10,000円ほど負担が増えることになります。
では光熱費(ランニングコスト)はどうでしょうか?
- 一般の住宅 光熱費:月平均35,000円
- 高性能住宅 光熱費:月平均10,000円
光熱費は高気密高断熱住宅の方が月平均25,000円ほど負担が減ります。
★住宅ローンと光熱費を合わせた毎月支払う合計金額
- 一般の住宅 住宅ローン 67,000円+光熱費 35,000円=住居費 102,000円/月
- 高気密高断熱住宅 住宅ローン 77,000円+光熱費 10,000円=住居費 87,000円/月
固定費は月額15,000円の差になり、年間では180,000円もの差になります。
※上記の金額は「家づくり学校」が実際の一般的な住宅と高気密高断熱住宅の建築費と光熱費データをもとに試算したものです。あくまでも目安であり、比較のためのシミュレーションです。
このように、初期費用が高くても月々の光熱費を大幅に抑えられ、そのメリットは住んでいる間ずっと続くことになります。
今後、ますます光熱費は上がると言われており、「光熱費がかからない、高性能で省エネな家づくり」への注目はますます高まっています。
高性能住宅を見て、感じて、確かめながら学べる体感ツアーも随時開催中。
開催日程など詳しくはこちらから
4.高気密高断熱なハウスメーカー・工務店を選ぶ4つのポイント
実際に高気密高断熱な施工をしているハウスメーカー・工務店はどのように選べば良いでしょうか?
本章では具体的に4つのチェックポイントを解説します。
①断熱レベルはどこまで対応しているか
まずはハウスメーカー・工務店が断熱性能をどのレベルまで対応しているか確認しましょう。
断熱性の指標には上記の通り、国が定めた住宅性能表示制度による断熱等性能等級と「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が示すHEAT20G1・G2・G3があります。
先述した通り、光熱費のかからない快適な住まいを目指すなら「等級6」程度は必須になります。
ただし、住宅会社によってはそこまでの断熱レベルに対応していないケースもあるので、最初に担当者に聞いみたり、会社のホームページなどを確認してみることをお勧めします。
②気密測定を実施しているか
いくら断熱性能を高めても、断熱材が正しく施工されておらず隙間だらけの家ではその効果は発揮されません。
気密性能(C値)は「気密測定」を行うことで出すことができますが、実施している会社は少数です。
気密測定を実施せず「高気密な家づくりをしている」と謳う会社もありますが、数値的として出している訳ではないので、根拠としてはやや薄いとも言えます。
反対に全棟気密測定を実施している住宅会社は、性能面にこだわりがあり、技術力が高いと言えます。
③口コミ・評判をチェック
インターネットなどで実際に建てた人や住宅会社に訪問した方の口コミをチェックすることも大切です。
また、住宅会社によってはOBの家を見学させてもらえることがあります。これは実際にその家で暮らしている施主の厚意により家を見学させてもらえる貴重な機会です。
経年変化をチェックできるのはもちろん、実際の住み心地などをヒアリングできる点も魅力です。
④建物を体感する
断熱性能や気密性能を肌感で確かめるには実際に体感することがとても大切です。
見学会などではデザインや間取りばかりに注目しがちですが、漂う空気感や室間温度差などは家ごとに大きく異なります。
体感を行うのに最適なシーズンは真夏と真冬です。
真夏の暑い日には2階に上がってみて熱籠りしていないかをチェックしてみましょう。
真冬は家ごとの性能の違いがよくわかります。高気密高断熱な家では玄関に入った瞬間にホッと包み込まれる暖かさを感じます。
可能であれば床を裸足で歩いて表面温度を確かめてみてください。性能が高い家だと床暖房なしでも冷たさを感じることがありません。
快適と感じる基準は人それぞれ異なります。性能や素材感などが違う家を体感して比べてみることで、自分たちのとって快適と感じる基準がどのレベルにあるのかがわかってきます。
家づくり学校では「家づくりの基準」をつくってもらうために、高気密高断熱の住宅を体感する機会をたくさん設けております!
写真:家づくり学校の人気イベント「体感ツアー」の様子
高気密高断熱住宅のルームツアー動画もチェック!
家づくり学校のご利用はいずれも無料ですので、お気軽に個別相談やセミナー・見学ツアーへお越しください!
5.高気密高断熱住宅を手掛けているハウスメーカー・工務店
本章では高気密高断熱の住宅を手掛けているハウスメーカー・工務店をご紹介します。
ご紹介する住宅会社はあくまでも数多くある会社の一例ですが、これからの家づくりにお役立てください。
会社名 | 特徴 |
一条工務店 | 性能を追求した家づくり 高い標準仕様が魅力 |
セキスイハイム | 未来の家「スマートハイム」で 環境に優しく経済的な暮らしを実現 |
積水ハウス | 日本一有名なハウスメーカー ⾼断熱アルミ樹脂複合サッシを使用し、熱を逃がさない |
住友林業 | 長持ちする木の家 「ビッグフレーム構法」で地震に強い家づくり |
三井ホーム | 耐震性・断熱性などに優れた 「2×4工法(ツーバイフォー)」の家づくり |
同じハウスメーカーや工務店でも高性能なプランとローコストなプランを持っている会社があります。
ご検討の際には自分たちが「どんな仕様で家づくりをしたいのか」といったことを明確にしながら進めていきましょう。
住宅会社選びで迷ったら「家づくり学校」にぜひお越しください。
5.知る人ぞ知る!高気密高断熱住宅の建築が得意な工務店10選
住宅会社の中でも工務店の数は非常に多く「工務店で高気密高断熱住宅を建てたい!」と思っていても、どんな家づくりをしているか表面的な情報では見分けるのが難しいものです。
そこで本章では「家づくり学校」が断熱性・気密性など詳細にヒアリングし、直接現場を体感して確かめた技術力の高い工務店をご紹介します。ぜひこれからの家づくりの参考にしてみてください。
スタンダードホーム【埼玉県】
- 住所:埼玉県川越市砂久保143-6
- 電話番号:049-293-2472
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
ロックウールとオール樹脂窓サッシを用いた高性能住宅を手掛けます。
HEAT20 G2レベルで、全棟気密測定実施し、C値は0.8以下㎠/㎡を実現します。また構造計算、光熱費計算も全棟実施する徹底ぶりです。
高気密高断熱だからこそ、エアコン一台で夏冬快適に過ごせます。
一番の魅力は、住宅業界を知り尽くした窓口・齋藤社長のお人柄です。かざらない、真面目な性格の齋藤社長の熱い想いを聞いてみてください。
伊藤建設【湘南エリア】
- 住所:神奈川県藤沢市藤沢1015-23
- 電話番号:0466-51-2322
- 営業時間:10:00~17:00
会社の特徴
高い省エネ性能を持つHEAT20 G2レベルの家づくりを提案しています。
また第一種換気システムを導入し、家全体の温度をコントロールすることで、快適な住空間を実現します。換気がしっかりと行えるのは高気密だからこそです。
山本建築工業【山梨県】
- 住所:山梨県甲府市中央5-2-6
- 電話番号:055-233-8873
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
UA値0.4W/㎡・K以下(山梨県の基準でHEAT20 G2レベル)、C値0.3㎠/㎡以下を基準にした家づくりに取り組み、真夏や真冬でも光熱費がかからない住まいを実現します。
設備には極力頼らずに家そのものの造りを丁寧に仕上げることにこだわりを持ちます。
エイジングハウス/株式会社あっと・はんど【兵庫県】
- 住所:兵庫県神戸市西区押部谷町木津5-3
- 電話番号:078-994-2439
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
気密測定は全棟実施し、C値0.5㎠/㎡を実現します。UA値は0.26~0.46で断熱性も抜群です。
耐震性に関しては構造計算書を出して、標準で等級3をクリアする家づくりを行います。
高気密高断熱な家づくりをしているので、夏でも冬でもエアコン1台で全館快適に過ごすことができます。
建築工房いろは【兵庫県】
- 住所:兵庫県姫路市広畑区西蒲田1095-1
- 電話番号:079-238-3168
- 営業時間:10:00~17:00
会社の特徴
「良い家とは、快適な空気がデザインされている家」をモットーに家づくりに取り組んでいます。
蒸し暑い夏でも涼しく、風雪にさらされる冬でも暖かい、家の中のどこにいても一定の室温と湿度でストレスなく、ぐっすりと眠られる快適な暮らしを約束してくれます。
気密測定は工事中、完成時の2回行い、C値0.3㎠/㎡以下であることを確かめてから次の工程へ進めています。
SANKO【岡山県】
- 住所:岡山県岡山市中区東川原245-1
- 電話番号:086-238-9845
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
外断熱工法(内外2重断熱)で家づくりを行います。
得られる性能値はUA値は0.3W/㎡・K、C値は0.1㎠/㎡を切る超高気密の空気感を実現します。虫の入る隙間はなく、花粉症の方にも快適な室内環境となります。
デザインはスタイリッシュな外観に自然素材による内装、ナチュラルモダンで飽きのこないテイストに仕上げます。その上、サークル型の家事動線の使い安さを追求するなど、性能、デザイン、素材いずれもハイバランスの家づくりです。
大畑建設【広島県】
- 住所:広島県福山市瀬戸町長和1569-1
- 電話番号:084-951-0980
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
町医者のような工務店を目指されている、営業マンがいない老舗工務店です。
「SW工法」を採用し、高気密・高断熱・高耐震な資産価値の高い高性能住宅を提案します。(標準でHEAT20 G2レベル、C値0.5㎠/㎡以下)。
年間最大20棟と月々2棟までしか着工されないと制限されていて、大工を自社で抱える丁寧で確かな技術があります。
井上工務店【広島県】
- 住所:広島県東広島市福富町上竹仁38
- 電話番号:082-435-2578
- 営業時間:8:00~17:00
会社の特徴
「SW工法」により、高気密で高断熱な家を実現します。
耐震等級は3相当で地震に強い家であることを保証し、基本性能をバランスよく兼ね備え、安心して暮らせる住まいを提供してくれます。
また、「FFCテクノロジー」を活用して有害化学物質を分解除去し、カビや感染菌などの病原性微生物の繁殖を抑制する住宅なども提案してくれます。
WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)【香川県】
- 住所:香川県高松市国分寺町福家甲3855-2 プラスエナジーハウス 内
- 電話番号:0120-146-711
- 営業時間:9:00~18:00
会社の特徴
快適で健康な室内環境を生み出すウェルネストホームの設計思想に基づいた家づくりを行います。
蒸し暑い夏でも涼しく、風雪にさらされている冬でも暖かい、家の中のどこにいても一定の室温と湿度でストレス無く、ぐっすりと眠れる快適な暮らしを約束してくれます。
建築工房 小越【愛媛県】
- 住所:愛媛県今治市鐘場町1丁目2-7
- 電話番号:0898-32-2120
- 営業時間:8:00~18:00
会社の特徴
冬暖かく、夏涼しい快適な家づくりをベースに高いデザインを表現できるのが特徴。
スタイリッシュなデザインは勿論、独創的なプランニングも得意としています。
長期優良住宅、耐震等級3の認定取得も積極的に行うなど住宅施策に関する造詣も深い地場工務店です。
ここでは「知る人ぞ知る!高気密高断熱住宅の建築が得意な工務店10社」と題して各エリアで高気密高断熱住宅を手掛けている工務店をご紹介させていただきました。
上記で取り上げたような工務店はあくまでも一例です。家づくり学校ではご家族それぞれにあった住宅会社をご提案・紹介しています。
個別相談ではご家族ごとの無理のない予算を一緒に考え、アドバイス。要望や予算に合わせて住宅会社をご提案し、見学の手配をしています。ご利用は全て無料なので、お気軽にお問合せくださいね。
★個別相談はオンラインでも!
7.まとめ
本記事では高気密高断熱住宅の基準や定義、メリット・デメリット、後悔しないためのポイントについて解説しました。
- 断熱性能はUA値またはQ値、気密性能はC値で示される
- 断熱性能(UA値・Q値)は設計段階から算出可能だが、C値は一棟ごとに気密測定を実施する必要がある
- 「高気密高断熱」の基準や定義は曖昧だが、快適で省エネに暮らすための数値は、断熱性能:等級6程度、気密性能:C値1.0㎠/㎡以下が望ましい
- 高気密高断熱の家は体感して自分たちが快適と感じる基準を確かめることが大切
- 高気密高断熱の住宅を手掛けている会社は少数なので見極めが必要
「家づくり学校」では高気密高断熱住宅の建築が可能な住宅会社の情報を幅広く取り揃えており、ご予算に合わせてご提案・紹介させていただきます。そして、高性能で建てられた実際の家の体感・見学する機会も設けています。
「高気密高断熱な家を建てたいけどどの住宅会社に頼めば良いかわからない」
「高気密高断熱の家を実際に体感してみたい」
「この会社、断熱・気密性能は大丈夫かな?」
などでお悩みなら、まずは「家づくり学校」にお越しください。