間取りで成功するコツ!キッチン/リビング/ダイニング編
2023.09.17
2017.12.20
間取りはこれからの暮らしやすさに関わることだから、じっくり悩みたいところ。後悔しない家づくりにするためにも、実際に建てた先輩たちの声を聞いてみましょう。
「こんなところ気にしてなかった!」とうっかり見落としてしまいがちなポイントも盛りだくさんです!
間取りを決めるときのコツって?
かつては和室が多く、続き間や土間があるのが一般的だった日本の間取り。しかし、次第に洋風化が進み、畳ではなくフローリングで暮らす家庭が主流になり、日本の間取りも変わってきました。
さらに、生活スタイルの多様化により、過ごしやすい間取りも人それぞれ異なります。では、自分たちが暮らしやすい間取りはどう見つければいいのでしょうか。
下記に、間取りを考える上でのポイントをまとめてみました。
POINT1:テーマを決める
あなたが建てたい家は、子育てしやすい家?老後も暮らしやすい家?あるいは、趣味を満喫できる家?
何を最重要と考えるかによって間取りは変わってきます。家族の将来設計も思い描きながら、マイホームのテーマを決めましょう。
POINT2:風や光の流れを考える
間取りを考えるというと、部屋数や広さ、配置や収納をどうするかなどばかりに目が行きがちかもしれません。ですが、実は風や光の取り入れ方を考えることが、暮らしやすい家にするための大前提となります。
自然の力を上手に利用できる設計をすることで、明るく気持ちの良い空間になり、光熱費を浮かすことができます。設計はプロにおまかせするところなので、住宅会社と相談して決めていきましょう。
POINT3:動線を考える
暮らしやすさと切っても切り離せないのが生活動線。部屋と部屋の行き来はもちろんですが、特に重要なのが家事がスムーズに行えるかに関わる家事動線です。
例えば、洗濯する→干す→しまう、という洗濯の流れができるだけ短い距離の移動でできるよう、各部屋の配置を考えたり、自分が使いやすい広さでキッチンをつくったり。広い方がいい!と思いがちですが、広すぎるとその分家事に時間がかかって作業効率がさがってしまうこともあります。
家は建てて終わりではありません。暮らしやすい家にするために、自分たちの生活スタイルをふまえて動線を考えてみましょう。
POINT4:周辺環境を考える
近くに川や海、山や緑があれば、借景として取り入れるのもおすすめです。
立地や周辺のこともふまえて、開口部の設計をしてみましょう。
また、隣地に家が建っている場合は、その家の建ち方や窓・部屋の位置などもふまえた間取りづくりが必要です。
キッチンの失敗談
まずは、悩みどころの多いキッチンから。間取り決定の大きな出発点にもなる場所なので、いろいろな意見を参考にしながら考えてみましょう。
オープンキッチンで夏場の調理が暑い
失敗談:
外国風のオープンキッチンに憧れて実現したが、日当たりが良すぎるのと、火力もあるので、夏場が暑くてたまらない。見た目だけで選んだのは間違いだった!
アドバイス:
開放感があり、家族の顔が見えやすいため、取り入れる方も多いオープンキッチン。ただ、光が入ってくる方角なども考えないと、夏場の調理が快適に行えない結果に。見た目のオシャレさも大事ですが、使う際のことをしっかり想像して決めるのが重要です。
狭くなるのがイヤで食品庫を省いて後悔
失敗談:
食品庫を備えつけるとキッチンが狭くなるので省いたけれど、食材やら滅多に使わない鍋類やらがあふれてしまい、かえってキッチンが狭くなった。間取りをもう少し工夫して、食品庫をつければよかった。
アドバイス:
間取りを考える際に、収納もひとつのポイントになります。収納を設けることは、その分余分にスペースを使うので、もったいないと思いがちですが、生活動線上に必要な収納を設けることで部屋が片付き、むしろ生活する上でのストレスは減らせます。
キッチンは特に毎日使う場所でもあるので、調理のしやすさを念頭に置いて決めていきましょう。
コンセントの数が足りない
失敗談:
キッチンやカウンターは電気を使うものが多いので、たまに泡だて器やジューサーを使うときにコンセントが足りない。今はタコ足配線でなんとかしのいでいる。こまめに抜き差しすればいいのかもしれないが、なんとも面倒…。
アドバイス:
意外と計画時に忘れがちなのが、配線です。実際に生活し始めて「ここにコンセントがあれば…」と気づく方も多いんですよね。
どこでどんな家電を置いて使いたいのかをしっかり考えて、必要な数と位置を計画しましょう。
ゴミ箱を置くスペースがない…
失敗談:
キッチンはゴミの量が多いので、大きめのゴミ箱を購入したが、置くスペースを考えていなかったので仕方なく通路に置いているが邪魔でしょうがない。ゴミ箱の置き場を用意しておくべきだった。
アドバイス:
何をどこに置くのか、というのも、あらかじめ想定しておいたほうがいいですね。調理の際には必ずゴミが出ますが、流しから離れたところにゴミ箱があると不便だったり、冷蔵庫や食品庫の開け閉めの邪魔になるようなところには置けなかったりします。
キッチンには何をどんなふうに置いて使いたいのかを考えておくことも大事なポイントですね!
キッチンの通路幅が狭くて搬入が大変
失敗談:
リビング・ダイニングを広くするために、キッチンの通路幅を若干狭くした。家電が通れる幅は確保していたが、思った以上にギリギリに…。搬入時は傷がつかないかヒヤヒヤだった。買い換える際の家電のサイズにも制約が出ることに。
アドバイス:
住んでからのことは考えていても、搬入のことまでは考えていない方も多いのではないでしょうか。すこしゆとりを持たせておくのがベターといえます。
広すぎて使いにくいアイランドキッチン
失敗談:
広いキッチンに憧れて、アイランドキッチンにして作業スペースも広くとったけれど、冷蔵庫や食器棚までが遠く、何をするにも無駄な動きが多くなってしまう。とにかく広い方がいい!と思い込んでいたけど、もっとコンパクトにまとめておけば調理も楽になったのに…。
アドバイス:
まさに家事動線の部分ですね。キッチンは日常的に使う場所ですから、調理をするのが億劫にならないよう、コンパクトに設計しておくのがベストです。
キッチンの成功談
独立キッチンで視線が気にならない
片付けが得意ではないので、あえて対面キッチンにせず独立型に。お客様が来た時も、キッチンは見えないのであわてずにすむ。独立キッチンでも、子どもたちのいるリビングは見えるように工夫しているので安心。この間取りにしてよかった。
キッチン横にダイニングテーブルを配置
ダイニングテーブルをキッチン横に配置。できた料理をすぐに食卓へ。片付けも動線が短いから、とっても楽に。子どもたちも率先してお手伝いしてくれるようになったのも良かった点かな。カウンターキッチンとダイニングテーブルを工務店で造作してもらったので、統一感もあって見た目も気に入っている。
※造作…造り付けという意味。
用途と場所を考えた造作収納が使いやすい
住宅会社からの提案で、収納をたくさん造作してもらった。しまいたい食器や道具類のサイズや量、使いやすい高さにあわせてオリジナルで造ってもらったので、使い勝手は最高!片付けしやすいので、いつでもスッキリな状態をキープできる。
リビング・ダイニングの失敗談
間取りはまずここから!と考える人は多いはず。それだけに「こんなはずじゃなかった」なんて話も数多いスペース。快適に過ごすために必要なことは何かを見てみましょう。
リビング階段で冬場が寒い
失敗談:
開放的なリビングに憧れてリビング階段のプランに。子どもたちが帰ってきたら顔も見られるし、良かったと思っていたが、冬場は寒い。冷暖房費も思ったよりもかかってしまって驚いた。断熱・気密性を上げれば、リビング階段や吹き抜けも快適に過ごせると知ったのは建ててから…。イメージだけで決めず、いろいろ勉強してからすべきだったと後悔している。
アドバイス:
おしゃれで開放感もあり、憧れるリビング階段や吹き抜け。
しかし実際に暮らし始めてから、「なんか寒い?」「二階にいてもリビングからテレビの音が聞こえてくる…」と後悔される方も。
見た目や思い込み、イメージだけで決めてしまって後悔した!という声はよく聞きます。これから何十年と過ごす家ですから、しっかり勉強をして、住宅会社とも相談の上、決めていきましょう。メリットとデメリットを聞いておくと、後悔のない選択ができるはずです。
開放的な吹き抜け空間だが、うるさい
失敗談:
吹き抜けのLDKにリビング階段。開放的な空間にしたくてこだわった場所だけど、いざ暮らしてみると、1階にいても2階の子どもたちの声が聞こえるし、2階にいてもリビングの子どもたちの声が聞こえる。家族の気配がしていいと思っていたけど、夜勤明けで寝たいときにはちょっと苦痛。
アドバイス:
子どもが大きくなると顔をあわせる機会が少なくなるので、家族の気配が感じられる吹き抜けがいいという声もあります。ただ、子どもが小さい間や受験をする年齢になると、家全体に音が筒抜けになってしまうので、わずらわしさを感じることもあるかもしれません。
どんな間取りにもメリット・デメリットはありますが、デメリットをなんらかの方法で対策することはできないか?ということも含めて、じっくり考えてみましょう。
ロの字の間取り。最初は快適だったけど…
失敗談:
中庭を中心とした間取り。引越し当初は緑のある景色に満足していたけれど、中庭に水たまりができたり、大きな窓からの日差しが暑かったりと嫌なところが目につくように…。カーテンや手入れに工夫が必要。
アドバイス:
お子さんがいるご家族の場合、中庭は子どもの格好の遊び場になるので、目が届きやすく安心という意味では、中庭中心の間取りはぴったりです。
しかし、失敗談にあるように、光の入り方や日々のお手入れのことも考えて設計しないと苦労される場合もあるので、周りに配置する部屋との兼ね合いも考えて、住宅会社と相談して決めていきましょう。
LD中心の間取りはお客さんが気になる
失敗談:
家族のコミュニケーションを考えて、1階は廊下をなくし、すべての動線がリビングを通るようにした。家族だけのときはいいけれど、お客さんが来ているときに子どもをお風呂に入れにくいなど難点もある。
アドバイス:
子どもが大きくなってからのことを考えると、家族が自然と顔を合わせられるという意味で、リビング中心の間取りはうってつけです。生活動線はどうしても行き来のしやすさなどを中心に決めてしまいがちなので、来客時にどうするか、というのは意外と盲点なのではないでしょうか。
家具の配置を工夫することで、来客時でも気にせず生活ができる間取りにすることは可能です。完全な家族のプライベート空間と、来客も利用するパブリック空間をきりわけて間取りを考えるとよいでしょう。
テレビに光が反射してしまう
失敗談:
窓が多いほうが明るくなると思って、リビングにもたくさんつけたけれど、昼間、テレビ画面に光があたり、見えづらい。テレビなどの家電や家具と窓の位置関係もしっかり考えておくべきだった。
アドバイス:
リビングは家族みんなが使う場所ですから、居心地のいい空間にしたいですよね。
光が入ってくる方角にもよりますが、なかなか自分たちだけでは気づけないところ。ぜひ住宅会社など専門家に相談してみましょう。
リビング・ダイニングの成功談
窓の位置を考えて風通しもバッチリ
風通しを考えて、南北と東西に窓を配置。家の中を風が抜けているのを肌で感じている。特に夏は爽やかな風がとても気持ちがいい。当初はほとんど重視していなかったけれど、光と風をいかに取り入れるかが住み心地を決めるんだなと実感している。
ダイニングのカウンターを多目的に活用
書斎やPCスペースを兼ねて、ダイニング横にカウンターを設置した。ちょっとした仕事やパソコン作業をするのに便利だし、子どもたちの勉強スペースにもなっている。家事をしながら子どもの様子が見られるので安心。大活躍のスペースになっている。
リビングよりダイニングを広くとって正解
友人の家に行くと、リビングよりもダイニングでおしゃべりをすることが多かった。自分も来客が多いので、マイホームでもダイニングを広くとった。実際、お客さんはダイニングで迎えることが多く、広くして正解だった。
成功の秘訣は、まずは知ること!
今回は、キッチン、リビング・ダイニングの間取りの失敗談、成功談をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
失敗談の多くは、「知っていれば回避できた」「住宅会社など専門家に相談していれば解決できた」ものばかりでした。
最初は誰もが初心者です。まずは基礎的な知識を身に付け、自分たちがどんな暮らしをしたいのかという要望を明確にすることが重要です。そして、それを建築のプロに伝えて、間取りを作成してもらいましょう。ベストな間取りは家族ごとに違います。それを一緒につくり上げてくれる住宅会社を見つけましょう。
今回の記事を読んでみて、ひとつでも「見落としていた!」という部分があった方は、もう一度、今の間取りの考え方でいいのかどうか見直してみてはいかがでしょうか。
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