【本日のご相談】住宅ローンの団信に「特約」をつけた方がいい?
2023.10.25
2021.09.13
住宅ローンを組む際には、一般的に「団体信用生命保険(通称:団信)」に加入する必要があります。
⭐団体信用生命保険とは?
住宅ローンの借入者(契約者)が、返済期間中に死亡あるいは高度障害状態になったときなどに、保険金により住宅ローンの残債が完済される住宅ローン専用の保険のことです。
✅特徴
民間の金融機関の場合、住宅ローンを利用する際には「団信」への加入が前提となっていることが多い
住宅金融支援機構の「フラット35」の場合、加入は任意
一般的な団体信用生命保険
保障内容:死亡あるいは高度障害状態になったときにローンが完済される
保険料:住宅ローン金利の中に含まれているため、保険料は発生しない
住宅ローンの利用者が団信に加入していない状態で、ローン契約者に万が一のことが起こったら、残されたご家族は住宅ローンの支払いを続けながら生活をしていかなくてはなりません。それでは、残されたご家族の負担は重くなってしまいます。
団体信用生命保険はローン契約者に万一の事態が発生しても、残されたご家族が安心して住み続けるためには欠かせない存在と言えるのです。
最近では、保障内容がグレードアップしている団信も出てきました。
三大疾病保障特約付き団体信用生命保険
保障内容:通常の条件である「ローン契約者が死亡あるいは高度障害状態になったとき」に加え、「三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で所定の状態」になったときにローンが完済される
保険料:金利に上乗せされるケースが多い
上記の三大疾病特約付き団体信用生命保険の条件に加え、さらに「五疾患(糖尿病、高血圧症、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎不全)のいずれかを発症し、所定の状態」になった保険金が支払われる団信もあります。
✅対象となる病気や条件は金融機関や商品によって異なりますので、保障内容、保険料など詳細をしっかり確認して検討する必要があります。
⭐本日のご相談内容
ご自身が検討している住宅ローンの金利に0.3%上乗せすることで「八大疾病特約付き団信」に加入できる。「この特約はつけた方がいいのでしょうか?」
う~ん、かなり難しい質問です。7~8大疾病の保障を付けたほうがよいかどうかは、一概に判断はできません?その方が置かれている環境、年齢、提案されている保障プランの内容などを総合してそれぞれ検討し、ご自身で判断していただく必要があります。
【判断ポイント】
■どのような状態になったときに保険金が支払われるのかを確認する
■リスクを判断する
例えば、
年齢:年齢が高くなるほど罹患する確率は上がってきます。ただし、「八大疾病」「七大疾病」などの特約を付加するには年齢制限があるケースもありますので確認が必要です。
環境:家族など身近な人が罹患している人がいる場合、遺伝的要素だけでなく、住環境・習慣・食生活などの影響も考える
■保険料が妥当かどうか
今回の場合、保険料は住宅ローン金利に0.3%上乗せされるとのこと。これが、どのくらいになるのか?
借入額:4,000万円、借入期間:35年、元利均等で試算すると、
0.3%上乗せされる保険料は35年間で、2,141,535円
ひと月当たりの保険料として考えると、5,098円になります。
ご自分が現在加入されている生命保険の保障内容や保険料も合わせて考えて検討される必要があると思います。
⭐一般的な生命保険との違い
■保険料
一般的な生命保険の場合は、保険契約者の年齢や性別によって保険料が異なります。
団信の場合は、年齢や男女の性別などによる違いはありません。
■受取人
一般的な生命保険の場合は、保険契約者が指定した配偶者や子供などの法定相続人が受取人となります。
団信の場合は、住宅ローンを融資している金融機関が受取人となります。
■保障期間
一般的な生命保険の場合は、保障期間は保険契約者があらかじめ選択した保険期間となります。
団信の場合、保障期間は住宅ローンの返済期間と連動します。
■生命保険料控除
一般的な生命保険の場合、受取人を契約者か配偶者、あるいはその他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)に指定することで、その対象となります。
団信の場合、生命保険料控除の対象とはなりません。
⭐その他、注意したいこと
団信も一種の生命保険なので、加入の際には事前に健康状態の告知が必要になります。
以前は、持病や疾病がある人が団信に加入するのは難しいことが多かったのですが、現在は疾病や持病があっても団信を利用できる金融機関が増えています。「ワイド団信」と呼ばれ、一般的な生命保険でいう所の引受基準緩和型の保険と似ています。保険料も通常の団信のように無料ではなく、金利に0.2~0.3%ほど上乗せになることが多いです。
※ただし、ワイド団信とはいっても必ず加入できるわけではありません。病気の種類や症状などによっては審査に落ちる可能性もありますので、審査条件等を金融機関に確認してください。
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