今トレンドの間取りはどっち?タイプ別メリット・デメリット徹底比較
2025.08.08

理想の家づくりに欠かせない要素の一つである「間取り」。予算や土地形状、家族の暮らし方を踏まえて選択する必要があるため、迷いがちで後悔が多いのも事実です。
本記事では、今注目されている“対照的な間取り”をいくつかピックアップし、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
さらに、実際の施工例や、プランニング時に意識したいポイントもご紹介。「私はこっち派かな?」「私たち家族に合う暮らしはこれかも!」と気になる間取りを見つけるヒントが満載です。
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平屋と2階建て間取りの比較
平屋と2階建てでは、生活動線や土地条件、将来の暮らしやすさが大きく変わります。ここでは、それぞれの間取りの特徴とメリットを比較します。
平屋-生活動線がコンパクトにフラットで老後も安心
ここ10 年で着工数が2 倍以上に伸びた平屋。核家族化が進む中で、コンパクトかつ機能的な住まいが求められるようになっています。また、テレワークの普及により、郊外移住した人が広い土地を活用して自然とのつながりを楽しむという例も多く見られるようになりました。
メリット:生活動線を短くできる
階段がないため、室内の移動がスムーズに。行き止まりのない回遊動線を取り入れたワンフロア+ 各個室という間取りが主流で、家事も効率的にできます。
メリット:室内と庭との一体感
室内と庭との一体感リビングやダイニングに大きな掃き出し窓を設ければ、庭とのつながりが感じられる開放的な住まいに。家の中にいながら、季節の移ろいを楽しむことができます。
デメリット:プライバシーが確保しにくい
建物に高さがないため、外からの視線への対策が必要です。また、各部屋の距離が近くなるため、家族間のプライバシー確保が難しくなることも。
◆実例間取り◆
- 土地面積 : 499.55㎡(151.11坪)
- 延床面積 : 128.35㎡(38.82坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
キッチンを中心に、洗面脱衣室、浴室、子ども部屋への通路を回遊できる動線で家事負担を軽減。移動距離を最短にでき、家事が効率化できます。廊下はなく、リビングを通って各部屋へ行ける間取りに。将来は夫婦だけの暮らしになることを想定し、子ども部屋はフレキシブルな空間に。広いウッドデッキを設けるなど、庭との一体感もポイントです。
2階建て-狭小地でも日当たり確保間取りの自由度が高い
限られた敷地で必要な延床面積を確保するためには縦に伸ばすのが合理的です。周囲の建物に囲まれても、2 階であれば光が入り、風通しも眺めもよい空間づくりができます。プライベート、パブリックと空間を分けやすく、家族構成の変化にも柔軟に対応できるもの2階建てのよさです。
メリット:空間を機能別に分けられる
1 階にLDK、2 階に寝室や子ども部屋などの個室を設ける間取りが一般的。上下階で空間の役割を分けることで来客時も困らず、プライバシーを守ることができます。
メリット:総費用を抑えられる
2 階建てなら、限られた土地面積でも無駄の少ない間取りがつくりやすくなります。建築費を抑えつつ、狭小地でも駐車場や庭などの要望もかなえやすいでしょう。
デメリット:ケガや上り下りの負担リスクも
ケガが起きやすく、老後は昇降が負担になる階段。老後の生活に備えて、夫婦の寝室を1 階に配置し、階下だけで生活が完結する間取りにする人も多いです。
- 土地面積 : 163.52㎡(49.46坪)
- 延床面積 : 103.50㎡(31.30坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
中庭を中心に据えた2階建て。外側の窓は最小限にし、中庭に面した内側の窓を大きく取って明るさを確保しました。住宅密集地でもカーテンレスで暮らせて、リビングから空が見えるよう建物形状と窓の配置を綿密に設計。開放感とプライバシーを両立したお住まいです。
1階リビングと2階リビングの間取り比較
リビングを1階に置くか2階に置くかは、採光・眺望・家族の過ごし方に直結します。暮らし方に合わせた間取りの選び方を見ていきましょう。
1階リビング-庭とのつながりや吹き抜けで開放感を演出
家の中心が1階にあることで、玄関からLDK、水回りや庭への動線もコンパクトにまとまる間取り。吹き抜けを設ければ、住宅密集地でも開放感や明るさを実現できます。リビングと一体となる和室を設けて将来寝室にするなど、バリアフリー化に対応しやすいのも魅力です。
メリット:動線がシンプル
買い物帰りのキッチン+パントリーまでの荷物搬入、帰宅してから手洗い場+クローゼットまでの移動など、玄関からの動線がスムーズになります。
メリット:庭とつながりで開放感アップ
リビングと庭やデッキがフラットにつながると視線が自ずと屋外に抜けて開放的に。子どもを安全に遊ばせられるなど、子育て世帯には庭のニーズが今も根強いです。
デメリット:日当たりとプライバシーの確保
住宅密集地の場合は特に、隣家の影になって光が入りにくい、人の目が気になるなど快適性が損なわれることも。あります。敷地を踏まえた窓の配置や間取りを考えることが必須です。
- 土地面積 : 405.97㎡(122.80坪)
- 延床面積 : 225.05㎡(68.07坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
上下階いずれからもアクセスがしやすいよう1.5階に水回りを配置。その横には多目的に使えるロフトへの階段があります。限られた土地面積でもめいっぱい光を取り込み、風通しをよくするため、2階リビングに加えて多数の窓を計画しました。
2階リビング-住宅密集地でも採光とプライバシーを確保
家の中心が1階にあることで、玄関からLDK、水回りや庭への動線もコンパクトにまとまる間取り。吹き抜けを設ければ、住宅密集地でも開放感や明るさを実現できます。リビングと一体となる和室を設けて将来寝室にするなど、バリアフリー化に対応しやすいという利点もあります。
メリット:動線がシンプル
買い物帰りのキッチン+パントリーまでの荷物搬入、帰宅してから手洗い場+クローゼットまでの移動など、玄関からの動線がスムーズになります。
メリット:庭とつながりで開放感アップ
リビングと庭やデッキがフラットにつながると視線が自ずと屋外に抜けて開放的に。子どもを安全に遊ばせられるなど、子育て世帯には庭のニーズが今も根強いです。
デメリット:日当たりとプライバシーの確保
住宅密集地の場合は特に、隣家の影になって光が入りにくい、人の目が気になるなど快適性が損なわれることも。あります。敷地を踏まえた窓の配置や間取りを考えることが必須です。
- 土地面積 : 131.91㎡(39.90坪)
- 延床面積 : 108.16㎡(32.72坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
ウッドデッキ、庭など、いろいろな居場所とつながるリビングに。1.5階や2階ホールにいる家族とも、吹き抜けを介してつながることができます。
リビング階段とホール階段の間取り比較
階段の位置は、家の動線やコミュニケーション、プライバシーの確保に影響します。人気のリビング階段とホール階段を比較してみましょう。
リビング階段-吹き抜けと合わせて明るく開放的な空間に
子どもが自室に行く前に必ずリビングを通るため、家族のコミュニケーションが増えるとして採用する家が多い間取り。階段までの動線が、ソファやテレビを横切るとくつろげないリビングになるので注意を。階段の形や素材にこだわれば空間のアクセントにもなります。
メリット:エアコン1台で快適室温に
高断熱・高気密な家なら階段が風の通り道となり、熱を排出できます。また、上下階の空気が循環するため、エアコン1台で家全体の室温を一定に保つことができます。
メリット:省スペース化を実現できる
玄関ホールをコンパクトにでき、廊下も削れるなど空間を効率よく使えます。その分、他スペースを広くしたり、建築面積を減らしたりと調整がしやすいです。
デメリット:においや音が別の階に伝わりやすい
料理のにおい、テレビの音や話し声が階段を通して別の階に伝わりやすいため、家族の生活時間にズレがある場合は注意が必要です。
◆実例間取り◆
- 土地面積 : 150.30㎡(45.46坪)
- 延床面積 : 110.25㎡(33.35坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
吹き抜けを中心に回遊できる間取りは、ウォークスルー動線で家事を効率的に行えます。2階リビングを採用したため、帰宅動線を考えて玄関に階段を配置。階段がホールにあることで階層ごとの役割分担が明確になり、リビングを広く取ることもできます。
ホール階段-音や匂いを遮断し、個室重視で落ち着ける
玄関直結の廊下から、リビングなどを通らず上下階を移動できるホール階段。今ではリビング階段の方が多いですが、「LDKで落ち着いて過ごしたい」という人からは根強い支持があります。メリットを生かしつつ、効率的な動線が考えられた設計になっています。
メリット:玄関ホールを広く見せられる
ホールに階段を据えることで必然的に玄関が広くなります。来客も窮屈に感じず、家族の出入りもスムーズに。窓や吹き抜けと組み合わせれば、明るい玄関にすることも可能です。
メリット:プライバシーが保たれる
リビングを通らず2階に上れるため、来客時にもプライバシーが守られます。リビングを広く使えて、個室も独立しているため、ゆったりと過ごすことができます。
デメリット:間取りを圧迫する場合も
階段を設置する玄関ホールや廊下の面積が必要になり、他の居室に使えるスペースが減ってしまいます。また、空間が独立しているため冬は冷えやすくなってしまうことも。
- 土地面積 : 128.37㎡(38.83坪)
- 延床面積 : 122.43㎡(37.03坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
2階リビングを採用したため、帰宅動線を考えて玄関に階段を配置。階段がホールにあることで階層ごとの役割分担が明確になり、リビングを広く取ることもできます。
横並びキッチン・ダイニングと独立型キッチンの間取り比較
料理や食事のしやすさ、空間の一体感はキッチン配置で変わります。横並びと独立型、それぞれの間取りの特徴を見比べましょう。
横並びキッチン・ダイニング-配膳や片付けがスムーズで一体感のある空間づくり
共働きが当たり前の時代になり、「家事効率」は間取りを考える上では最大とも言えるテーマのひとつに。キッチンとダイニングを横並びにしたレイアウトは、その代表的な間取りとも。言えます。キッチンスペースをゆったり取って、料理を楽しむ人も増えています。
メリット:統一感が生まれる
テーブルとカウンターを造作して、ダイニング一体型のキッチンにする例も。LDK全体のインテリアを統一できるため、理想の雰囲気を演出できます。
メリット:配膳・片付け動線を短くできる
なんといっても、調理後の配膳や食事後の片付けがスムーズにできるのが一番のメリット。子どもが自然とお手伝いをしてくれるようになることも期待できます。
デメリット:リビングまでの動線が長くなりやすい
キッチン側もしくはダイニング側を壁付けにすると、リビングまでが回り込む動線になってしまいます。キッチンを中心に回遊できる間取りにすれば家事効率もアップ!
- 土地面積 : 165.28㎡(49.99坪)
- 延床面積 : 127.09㎡(38.44坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
キッチン・ダイニングからパントリー→ウォークインクローゼット→洗面室→ランドリールームまでを一直線に配した間取りに。家事効率がスムーズになる動線を設計しました。広々としたウッドデッキは第二のリビング。キッチンからも近いので、外での食事も楽しめます。
独立キッチン・ダイニング-コンパクトに使えてレイアウトの自由度も高い
キッチン・ダイニング一体型とは対照的に、キッチンと切り離してダイニングをリビング兼用空間と捉える考え方。住宅のコンパクト化とリビングでの過ごし方の変化により、食事もテレビを見るのも団らんもダイニングで十分、という家庭も増えています。
メリット:油・水はねを気にしなくていい
ダイニングに油や水が飛び散るのが気になる人も、独立タイプなら調理に集中できます。キッチン回りの生活感がダイニングに干渉しないのも◎
メリット:間取りの自由度が高い
テーブルが移動できるため、家族構成やライフスタイルの変化に応じた可変性がメリット。LDKが長くなりがちな横並びタイプよりも、柔軟な間取りに対応できます。
デメリット:キッチンまでの動線が悪くなる場合も
横並びタイプとは反対に、配膳や片付けの移動距離が長くなります。キッチンとダイニングそれぞれのスペースが広くなる分、全体的に広いスペースが必要になるでしょう。
- 土地面積 : 190.30㎡(57.45坪)
- 延床面積 : 104.34㎡(31.50坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
日当たり確保のため2階リビングに。眺望のよい南側に食事やくつろぎの空間を配置しました。吹き抜け階段を中心に、LDKや居室、水回り、玄関ホールをひとつながりの空間として設計。回遊動線が生まれ、面積以上の広がりを感じられます。
リビング重視と個室重視の間取り比較
家族で集まる時間を優先するか、プライベート空間を確保するか。間取りの考え方によって、家の中心のつくり方は大きく変わります。
リビング充実-家族が自然と集まる中心空間に
広いリビングで家族の気配を感じつつ、一人ひとりが勉強や趣味・仕事など個々の充実した過ごし方ができる、おうち時間の増加で注目された「リビ充」というスタイル。リビングは単なるくつろぎの場ではなく、自由に過ごせる多機能な空間へと変化しつつあります。
メリット:多目的に使える
リビングが広いと、畳スペースやヌック、スタディースペースなど個々に過ごせるスペースもつくれるため、同じ空間にいながらそれぞれの過ごし方ができる
メリット:家族のコミュニケーションが増える
広く開放的なリビングで家族が一緒にリラックスして過ごせるのが最大のメリット。です。個室は最小限にすることで、思春期の子どもも自然とリビングで過ごすように。
デメリット:光熱費がかからない工夫を
広いリビングの快適性・省エネ性を保つカギは高断熱・高気密。熱の出入りが多い窓や吹き抜けの対策はしっかりと。間取りだけでなく性能面も考えましょう。
- 土地面積 : 185.58㎡(56.13坪)
- 延床面積 : 105.98㎡(32.05坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
日当たりのよい南面に広々としたリビングを配置し、北側に水回りや収納を集約しました。光がたっぷり入り、ウッドデッキを介して庭とのつながりが生まれています。
個室充実-リビングはコンパクトに&ゾーニングで個を大切に
コロナ禍で、家は単なる生活の場から人生を楽しむ場へと意識が変化。趣味空間など個室ニーズの高まりとリビングでの過ごし方の変化が相まって、リビングはコンパクトにして書斎やシアタールームなどの個室に面積を充てる間取りも増えています。
メリット:用途に合わせて柔軟に使える
LDKをメインに据えず、フレキシブルな余剰空間を複数設けることで、生活様式の変化や働き方の多様化、いざという時の感染症対策にも対応しやすくなります。
メリット:プライバシーが尊重される
適度な距離感を保ちつつ、一人ひとりが気兼ねなく好きな時間を過ごせます。リビング近くにスキップフロアのセカンドリビングやヌックを設ける間取りも人気!
デメリット:空間が分離しやすい
仕切りが多い間取りは、生活動線が複雑になるとともに空調の効率が低下してしまいます。家族のコミュニケーションが取りにくくなってしまうことにも気をつけたいですね。
◆実例間取り◆
- 土地面積 : 153.79㎡(46.52坪)
- 延床面積 : 105.98㎡(32.05坪)
★設計士に学ぶプランニングポイント!
空間を縦に生かすスキップフロアを採用し、居室の階層を分けることで、家族のつながりを大切にしながらも一人ひとりの趣味や時間を大切にできるようにしました。
まとめ
間取りに「正解」はありません。でも、自分たちの暮らし方に合った納得のチョイスは、必ずできます。
今回ご紹介したように、メリットとデメリットを把握した上での工夫と、プロのきめ細やかなプランニングにより住み心地は大きく変わってきます。まずは「自分たちがかなえたい暮らし」とは何かを見つめ直すことが、理想の家づくりの第一歩。気になる間取りがあれば、実例やプロの工夫をヒントに、ぜひ皆さんの家づくりに落とし込んでみてくださいね。
家づくりの後悔の多くは「知らずして選択したこと」にあります。家づくりで失敗しないためには、正しい基本知識の習得が欠かせません。
「家づくり学校」では、家づくりをする上で必須な知識の“学び”と実際の住宅の“体感”を通して、後悔のない家づくりをサポートしています。
これから家づくりをする方、いろいろ訪問して分からなくなった方は、ぜひ家づくり学校へお越しください!
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