【比較してみた】フラット35と民間住宅ローンはどう違う?
2023.08.28
2018.11.08
住宅ローンには大きく分けて、「住宅金融支援機構のフラット35」と「民間金融機関の住宅ローン(いわゆる民間住宅ローン)」の2つがあります。
みなさんが住宅ローンを検討される際に悩むのが、このふたつの違い。申し込みはどこにするの?金利や手数料は変わる?などの疑問を徹底解説します。
フラット35とは
住宅ローンを検討中の方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
「住宅金融支援機構」という、国土交通省と財務省が所管する独立行政法人が提供している住宅ローンのこと。住宅金融支援機構はフラット35のみを専門に扱う政府系金融機関なので、住宅を購入するときに利用する方以外は、一生関わりを持つことのない方も多いんです。
フラット35は「国」と「民間」が協力して販売する住宅ローンなので、金利や事務手数料以外のローン自体はどの金融機関から借りても同じという特徴を持っています。
※もっと詳しく知りたい方は住宅金融支援機構【フラット35】をご覧ください。
民間住宅ローンとは
民間金融機関とは、預金を取り扱う都市銀行・地方銀行、信託銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協などや預金を取り扱わない保険会社、証券会社、ノンバンクなどのこと。
住宅ローンを利用していない方でも、生活の中で関わることが多い金融機関です。
民間住宅ローンは、各金融機関がそれぞれオリジナルで開発している住宅ローン商品なので、金融機関ごとに商品内容や利用条件、オプションサービスなどが異なります。
申し込みができる場所
では、フラット35と民間住宅ローンはどこで申し込めばよいのでしょうか?
フラット35の取り扱い金融機関
住宅金融支援機構と提携する銀行、信用金庫、モーゲージバンクなどでお申込みができます。
民間住宅ローンの取り扱い金融機関
銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協などでお申込みができます。もちろん、一口に民間住宅ローンといってもその種類は様々ですから、金融機関によってどのローンを扱っているかは変わります。
フラット35の取り扱い窓口が銀行や信用金庫であるため勘違いされる方も多いと思いますが、基本的に「フラット35」と「民間住宅ローン」では性質が違うものなのです。
では、フラット35と民間住宅ローンの利用条件の違いを見てみましょう。
利用条件
フラット35 | 民間住宅ローン | |
金利タイプ | 全期間固定金利型 | 変動金利型
固定金利期間選択型 全期間固定金利型 |
借入金額 | 100万円以上8000万円以下 | 30万円以上1億円以下 |
返済期間 | 15年以上35年以内 | 2年以上35年以内 |
借りられる人 | 満70歳未満で日本国籍、永住許可または特別永住者 | 満70歳未満で日本国籍、永住許可または特別永住者 |
保証料・保証人 | 不要 | 保証会社の保証を受けられる人 |
団体信用生命保険 | 保険加入、任意 | 保険加入、必須 |
住宅の条件 | 住宅金融支援機構の定める技術基準に適合する住宅(適合証明書が必要) | 適合証明書などの証明書は不要 |
利用目的 | 本人もしくは親族が住む新築住宅の建設・購入、中古住宅などの購入 | 本人もしくは親族が住む新築住宅の建設・購入、中古住宅などの購入、増改築、住宅購入に伴う諸費用など |
大きな違いとして挙げられるもののひとつは、審査のウェイトが物件と人、どちらに置かれるかということです。
フラット35は多くの国民が住宅を持てるように支援することが目的なので、人よりも物件に審査の比重が傾きます。
一方、民間金融機関の場合は利益の追求が目的なので、物件よりも人のほうに審査の比重が傾きます。
上の表で強調した部分を見ていただくと、物件に重きを置いているか人に重きを置いているかが分かりますね。例えば、保証料や保証人がフラット35では不要になっているのに対し、民間住宅ローンでは「保証会社の保証を受けられる人」と決まっています。
とはいえ、信用履歴(過去にローン返済や税金などを延滞、または不納したことがあるかどうかの審査)に該当する場合は、フラット35でも借りられない可能性が高くなりますので注意してください。
融資されるタイミング
みなさんは「つなぎ融資」というものをご存知でしょうか?土地を購入して注文住宅を建築する場合の、住宅ローンの借入方法です。
一般的に土地購入から注文住宅建築の場合は、土地の購入資金、建物の着工金、中間金など数回に分けてお金を支払う必要があります。
フラット35は、完成した建物に融資するのが基本のため、土地の購入資金、建物の着工金、中間金の支払いには、住宅ローン(フラット35)とは別に「つなぎ融資」を利用します。つなぎ融資の資金は最終的に建物完成時に融資される住宅ローンと相殺して返済されます。
一方で、民間住宅ローンの場合は、金融機関によって取り扱いが異なります。フラット35と同じようにつなぎ融資が必要になる場合や、土地購入時、建物着工時、中間時、引き渡し時など何回かに分けて融資してくれる金融機関もあります。
選ぶポイント
フラット35と民間住宅ローンでは、様々な違いがあることがお分かりいただけたと思います。その違いを理解して、あなたにぴったりのものを選ぶのがポイント。ご家庭によってどちらが適しているかは変わります。
とはいえ、正直なところ自分にどんなローンが向いているのか見当がつかない…という方も多いはず。住宅ローン選びのひとつの判断材料としては金利タイプがあります。
フラット35は全期間固定金利型の一択なのに対し、民間住宅ローンでは変動金利型や固定金利期間選択型などの金利タイプもあります。
全期間固定金利型は借入時に完済までの返済額が確定するため、月々の返済額は完済までずっと一定。固定金利期間選択型は選択したある期間だけ金利が固定になるもので、借入時に完済までの返済額を確定することはできません。
さらに変動金利型では市場の動きに応じて金利が変動するため、完済までの返済額が確定しない反面、固定金利型に比べると金利が低くなる傾向にあります。
金利の違いについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ→【初心者必見】無理のない住宅ローンを組むための3つの疑問!
これらの金利タイプも一概に、自分達はこういう条件だからこれがいい、ということはなく、借入期間がどのくらいになるのかや借りる方の年齢、共働きなのかなど、家族の将来設計をはじめとした様々な要素によって変わってきます。
本当に適正な借入額、住宅ローンを選ぶ際には専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。家づくり学校では、FPによる相談も無料で受けることができます。まずは家づくりアドバイザーと一緒に、あなたにとって無理のない適正予算を考えることから始めませんか?→無料相談のご予約はこちらから。
違いを理解して相談しよう
いかがでしたか?
まずは住宅ローンの種類は大きく分けてフラット35と民間住宅ローンのふたつあること、そのふたつにどんな違いがあるのかを理解しましょう。
違いを理解すると、自分たちの収支の状況や将来の人生設計など、自ずと整理しておかなければならない事柄が分かってくると思います。
とはいえ、住宅ローンは長きにわたって返済していくものですから、無理は禁物。慎重に考えたいですね。正しく判断するには、まず知識を身につけることが大切です。
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