今の家を売って、新しい家に住み替えたい
2023.10.23
2021.03.03
ご相談者の中には「現在住んでいる自宅を売って、新しい家を購入して住み替えたい」という方もいらっしゃいます。こういったケースの場合、今の家を売るタイミングと新しい家を買うタイミングが同時であれば、比較的問題なく進みますが、実際にはなかなか簡単にはいかないことの方が多いようです。
住み替えの場合、
現在住んでいる家の住宅ローンの残債があるか?ないか?によって大きく違ってきます。
◆ローン残債がない
新居の購入に住宅ローンの利用も可能なので、先に新居を購入、後で売却でもOK。特にタイミングを図る必要もないため問題がなく進めることが出来ます。
◆ローン残債がある
今の家の住宅ローンが残っていて、新居の購入にも住宅ローンを利用する場合はいろいろな課題がみえてきます。
【売却価格≧残債】→タイミングが重要
〇売却と購入が同時
→特に大きな問題はありません。
〇売却が先、購入が後
→売却したお金で住宅ローンが完済できるため、新居の購入に住宅ローンの利用ができます。差額分があればそれを新居の購入資金に充てることも可能。ただし、一時的に仮住まいを準備する必要がでてくるため、その費用負担が発生する。
〇売却が後、購入が先
→ローン返済中の家を売却するためには「抵当権」の抹消をする必要がありますが、抵当権を抹消するためにはローン完済が条件となります。それでも、どうしても先に新居を購入したいということであれば、ダブルローン(二重ローン)を利用することになります。
基本的に住宅ローンは一度に一つのローンしか利用できません。そのため、ダブルローンを利用するためには、現在ローンを組んでいる金融機関の承諾が必要となってきます。少なくとも、今の家を売却したお金で住宅ローンが全額完済できること、足りない場合は預貯金で完済できること等を条件とされることが多いようです。
また、今の家の住宅ローン+新居の住宅ローンの合計返済額が年収に対する返済負担率の基準を超えないことが条件となりますので、ローンが残っている場合、新たに借り入れできる金額が新居の購入金額に届かないことも十分に考えられます。さらに、売却できるまでは2本のローンの返済が続きますので、早く売却できなければ大きな負担が継続していくことになります。
【売却価格<残債】
家の売却価格よりローンの残債の方が多く、ローンが残った場合、
(例)ローン残債が2,500万円、家の売却価格が2,000万円だった場合、500万円のローンが残ります。
このような場合、家を売却するためには次の方法があります。
①ローンの残り500万円を預貯金等から一括返済する
②ローンの残り500万円+新居の住宅ローンを借り入れることができる「住み替えローン(買い替えローン)」を利用する
〇住み替えローンの場合
ローン残債があっても自己資金なしに家の買い替えができるというメリットはあります。
ですが、
「今までの家のローンの残債+新しい家の購入代金+各種手数料」で組むことになるため、住み替え先の物件価格を超えたローンを支払っていくことになります。「万が一、返済できなくなったら家を売ればいい」では済まなくなる可能性が高いということです。そのため、住み替えローンは、通常の住宅ローンよりも金融機関での審査基準が厳しくなったり、借り入れ条件が厳しくなったりするケースが多いです。
また、今までの家のローンの残債を一括で返済する日と、住み替えローンの融資実行日が同じ日でなければなりません。流れを見ていくと、
①売却できることが決まる
②売却金額が確定する
③住み替える新居にかけらえる予算が決まる
④新居が決定し売買の決済を同じ日にする
つまり、売却~新居探しまでにあまり時間をかけることはできないということになります。
「今の家を売って新しい家に住み替えたい」場合は、資金に余裕がある、もしくは住宅ローンを完済し終わってから検討する方が賢明だと言えるのではないでしょうか。もう一度、なぜ住み替えが必要なのか?住み替え以外に選択肢はないのか?をしっかり考えていただきたいと思います。
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