「繰上返済」で後悔しないために!
2023.10.23
2020.12.03
住宅ローンの借入額を考える時に「お金を貯めて繰上返済をしていくつもりです」と、おっしゃる方は結構いらっしゃいます。人生最大の借金をすることになるわけですから、その不安から「早くローンを完済したい」と考えられるのは無理のないことです。でも、無理な繰上返済をしたために家計が厳しくなってしまった・・と、後々、後悔しないためには、まずは「繰上返済」について、しっかりと理解しておきましょう。
繰上返済とは?
毎月の返済(ボーナス時の返済も含む)とは別に、借入額の一部(あるいは全額)を返済することを言います。
繰上返済したお金は、すべて元金(=残高)に充てられますので、元金を減らすことができ、結果、支払う予定だった利息を減らすことができます。
繰上返済には2種類ある
⭐返済期間短縮型
毎月の返済額は変えずに、返済期間を短縮できる
⭐返済額軽減型
返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らす
ポイント
同じ時期に同じ金額を繰上返済した場合、利息の軽減効果がより大きいのは「返済期間短縮型」
✅こんな人に向いている
利息を効果的に軽減できる「返済期間短縮型」は、
〇総返済額を効率的に減らしたい人
〇ローンの早期完済を目指す人
繰上返済は、いつ行うのがいい?
繰上返済は早い時期ほど有利
(例)借入額:3,000万円 金利:1.5%(全期間固定) 借入期間:35年 毎月の返済額:91,855円
どちらのケースでも、繰上返済は早い時期ほど利息の軽減効果は高いと言えます。
住宅ローン控除額が減ってしまう場合があるので要注意
住宅ローン控除は年末ローン残高の0.7%相当額を所得税などから控除する制度です。控除期間は13年間です。繰上返済したことで、ローン残高が減ってしまうと控除額も減ってしまうことが考えられます。住宅ローンの借り入れ金額や金利、繰上返済の金額、契約者の年収などの条件によっては、繰上返済を行うメリットが少なくなる可能性もありますので、繰上返済を行う前に、まずは繰り上げ返済と住宅ローン控除を比較してから検討することが必要です。
繰上返済のしやすさも考慮する
✅手数料がかかる場合がある
繰上返済の手数料は、金融機関によって異なります。窓口での手続きや電話での手続きの場合は有料、インターネットでの手続きの場合は無料といったケースもありますので、手数料の確認が必要
✅繰り上げ返済は、いくらからできる?
1万円以上としているケースもあれば、1円から繰上返済できる金融機関もあります。【フラット35】は金融機関の窓口で手続きする場合は100万円以上となっていますが、インターネットの場合は10万円から可能となっています。金融機関やローンによって異なるので、こちらも確認が必要
ポイント
「繰り上げ返済手数料0円」「繰上返済金額に条件なし」といった金融機関を選ぶと〇
繰上返済を行うときの注意点
⭐将来の家計の変化を考慮しながら行う
小さなお子さまのいるご家庭など、今後、教育費の増加が考えられる場合は、支出のめどが付くまではあまり繰上返済をしすぎないことが大切です。教育資金が不足してしまったために、金利の高い教育ローンを借りることになっては意味がありません。
⭐生活予備資金を残した上で繰上返済を行う
毎月の生活費×半年分くらいの生活予備資金は必ず手許に残しておき、その上で余裕があれば繰上返済をするといったように、計画的に実行することを心がけていただきたいと思います。
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