アドバイザーブログ
家づくり学校 東広島校
2023.08.21
2023.06.08
山根 孝二
【土地探し・住宅会社選び】お客様の事例を基にポイント解説
今回は、予算内での土地価格と建物価格の考え方について触れようと思います。
先ずは土地探しで大切な要点をまとめておきましょう。
土地探しのポイント
今やインターネット上では数多くの不動産サイトがあり、あたかもネットショッピング並みに簡単に買えると錯覚してしまいそうな「土地売買」。多くの落とし穴があることを知っておきましょう。
土地より住宅会社探しが優先
住宅会社を決める前に土地を決めてしまうと、大きなリスクを負うことになります。土地を現金で購入する方であれば別ですが、住宅ローンで土地も建物も支払う予定の方は気を付けてください。
住宅ローンを組むためには、金融機関の審査（仮審査、本審査）を通す必要があります。その場合、①土地の買い付け申込（不動産会社にて）②具体的な土地に対する見積・プラン（住宅会社より）が必要ですが、極端な例で言えば、住宅会社を回る前に土地を決めてしまうと、①は用意できますが②は用意できません。
何とか急いで住宅会社を回り②を用意しようと思っても、住宅会社を数社から１社に絞る検討ができるのは2～3週間程度。
この期間で何ができるでしょうか？一生涯住み続ける土地を手に入れたのは良いですが、一生涯住み続ける建物（マイホーム）を建ててくれる会社を決めるには、あまりにもリスクが高すぎます。どこで建てても同じ家が建つという業界であれば話は別ですが、、、
だからこそ、決定の順番は「住宅会社⇒土地」というのが、失敗しない住宅会社選びの第一歩です。
条件の7割以上を満たした土地は「即断即決、即購入」
一生涯住み続ける土地だからこそ、エリアや住環境にこだわるのは当然ですが、土地はモタモタしていると、直ぐに他の人に買われてしまいます。あなたが目を付けている土地は、他にも目を付けている人が複数いると思ってください。そのために、既述したように「住宅会社⇒土地」という順番を実行し、土地を即断即決できる準備をしておく必要があります。
その準備として、土地に求める条件をまとめておきます。日当たりや周辺施設など、この条件は十人十色。但し、100％条件を満たした土地は出てこないと思ってください。必ず何か欠けている点に目がいくはずです。100％を追い求めてると、せっかく80％、90％という土地を見ていたにも関わらず、どんどん良い土地が他の人に買われてしまうので、やはり条件は7割程度を目安に即断即決しましょう。
お客様の事例より
家づくり学校 福山校にご来店されたA様の事例です。
A様の理想と現実
A様が希望されている土地は、職場への通勤に便利なエリア。坪単価は幅がありますが、利便性の良い土地を選ぼうとすると坪25万円程度は見ておいた方が良いエリアです。
予算は自己資金と借入を併せて3,800万円程度。援助資金が出る可能性もありますが、あまり期待はされていないようです。
家づくり学校でしっかり勉強していただき、住宅の性能の大切さを知っていただいたA様。やはり高性能な家を建てる住宅会社で建てたいというご意向になりました。福山エリアでは高性能住宅を建てる最低ラインが坪単価65万円程度。選択肢を広げるためには坪単価70万円程度は見ておきたいところです。東広島エリアよりは抑えた価格帯で建ててくれる工務店がありますが、それでも坪単価70万円、33坪の２階建てで税込み2,500万円を超え、土地代1,250万円（50坪×坪単価25万円）と諸費用を含めると、4,100万円は超えることになってしまいます。
3,800万円の希望予算からオーバーしてしまいますね。
A様の理想と現実を近づける方法
①建物をコンパクトに
延床面積33坪の建物を想定すると4,100万円となりますが、3坪減の30坪でも十分4人家族が暮らせるマイホームは建ちます。3坪減となると税込み230万程度の減となり、希望予算に近づくことができます。
②自己資金、援助資金
自己資金は改めてA様ご夫婦で相談する予定です。援助資金も期待していないようですが、ダメ元でお話ししてみよう！とアドバイス。漠然と「お金出して」ではなく、理想と現実の差額を具体的にお願いしてみましょう。全額でなくても何割かでも援助してもらえれば大きな助けになるはずです。
③土地エリアの変更
この方法が、一番予算を調整できる部分です。坪単価25万円のエリアから坪単価20万円のエリアに変更するだけでも、250万円の予算削減につながります。
これを”妥協”と捉えるとマイナスイメージですが、前向きなエリア変更と捉えてください。
既述したように、土地は7割以上の条件が揃っていれば即断即決。高性能で快適な省エネ性の高い家をその土地に建てることで、満足度は100％にも120％にもなります。
逆に条件を10割満たす土地を手に入れても、低性能で住み心地が悪く、光熱費も高い家を建ててしまうと、満足度は90％、80％と下がっていく一方です。
土地と建物どちらを優先するか、特に土地価格が福山ほど安くない、そして条件付き土地が多い東広島では、その選択は難しいと思いますが、しっかりと家のことを学び、自信を持って優先順位を決定していただきたいと思います。
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