アドバイザーブログ
家づくり学校 東広島校
2023.08.29
2023.08.31
山根 孝二
【体感日誌】「高性能+パッシブデザイン」で実現する夏の快適マイホーム
今回は福山市の工務店「株式会社プランサーバー」さんに開催していただいたセミナー&バスツアーの様子を、東広島の皆様にご紹介します。時計の温度計は33℃を指しており、恐らく日向では35℃を裕に超えていたはずですが、そんな中でも快適なお住まいを見学させていただきました。
午前中のセミナーでは
30年以上前から高気密・高断熱住宅に取り組んできた工務店だからこそ、様々な角度から快適な家づくりに必要な要素を話してくれました。
冬は当然、夏に快適な家づくりを
福山市がある地域は、所謂「瀬戸内」エリア。海も近く、北は中国山地、南は四国、紀伊山地に囲まれた地域で、冬は温暖ですが、夏は海・陸からの風があり、蒸し暑いのが特徴です。
冬は温暖とは言え、氷点下や雪が薄っすら積もる時期もあるので、北海道レベルまで必要かは賛否ありますが、全く寒さ対策をしないとヒートショックなどの原因となり、健康を害したり、最悪命を落とすことにもなります。高気密・高断熱の家は冬場対策として有効な手段であり、その意識は確実に高まっていますが、プランサーバーの社長は「夏如何に快適に暮らせる家にするかが重要で、最近、高性能住宅を建てる会社は増えているが、夏の対策ができていない会社は多い」と言われていました。
夏向きのパッシブデザイン
そのために必要なのが、パッシブデザインという考え方。パッシブデザインとは「建物や空間の設計において、自然のエネルギーを活用する方法。日光や風、気温などの自然を利用して、快適性を高める」という考え方です。
例えば例に出していたのは、庇やオーニング、外付けシェードなどの利用による日射遮蔽や遮熱の考え方。家がどれだけ高性能であっても、日差しが家に入ることで明るさは取り込めても、同時に熱を取り入れてしまうことになり、温熱ロスにつながるという話です。土地に対する家の向きなども含め、計画的に検討し対策する必要がある部分ですね。
高気密に必須な「換気」
高気密住宅に必須と言われているのは「換気」という考え。24時間換気が義務付けられていますが、より効率の良い換気システムとして「熱交換型換気」を説明してくれました。
夏であれば、外の熱い綺麗な空気を取り込み、室内で冷やされた汚れた空気を外に出すのが一般的ですが、熱交換型になると、外の熱い綺麗な空気を取り込む際、室内で冷やされた汚れた空気の熱だけを取り込む空気に熱移動させ、多少温度の下がった綺麗な空気を室内へ取り込むことができます。
そんな機能を体感できる装置も準備してくれました。家づくりと言っても、様々な考え方があり、その手段やメリット・デメリットを熟知している住宅会社か否かで、完成する家やその後の暮らしが大きく異なってきます。
午後のバスツアーでは
プランサーバーの社長宅にお邪魔しました。玄関には大きな水槽、室内では猫ちゃん2匹がお出迎えしてくれました。
パッシブデザインを体感
午前中のセミナーでも話題となったパッシブデザイン。もちろん社長宅でも実践していました。夏の高い位置にある太陽の日射角を考慮し、深い庇を設けることで、無駄な熱を室内に入れない。正にパッシブデザインです。
また、2階の窓には外付けの電動式ブラインドを取り付けることでパッシブを実現。室内のブラインドも併用されていましたが、予算を抑えるのであれば優先するべきは外側の対策。内側だけでは、どうしても中に入り込んだ熱が室内を温めてしまいます。
更に社長宅は吹き抜けを設けています。この日は2階の家庭用エアコン1台が稼働。パッシブデザインの効果も含め、室温は25℃、湿度は55%という快適空間を体感することができました。
子供部屋の考え方
よくある悩みの一つとして、子供部屋問題があります。子供が2~3人いると、一部屋ずつ用意してあげたいが、将来的に使わない部屋になってしまう・・・という問題です。今回はなかなかお目にかかれない子供部屋対策を見ることができました。
部屋の中に家のような物体が2つあるのがわかるでしょうか。これが子供部屋です。建築段階で2階に広い空間を設けておき、ベニヤを組んで建てた2つの物体を制作。お子様が巣立った後は解体して広い空間として利用するそうです。こんなアイデアを出してくれる住宅会社も魅力的ですよね。
部分断熱リフォームしたご実家も見学
社長宅の隣にはご実家がありました。1階と2階の外壁の様子が異なります。なんと、リビング空間のみの部分断熱リフォームをされたそうです。こちらも見学をさせていただきました。
Before
After
全体を断熱リフォームすると大きな費用が掛かりますが、必要な柱や梁は残し、多くの時間を過ごすリビングのみの部分断熱であれば、費用はある程度抑えることができます。断熱性能はG1以上、G2未満の十分な温熱環境でしたよ。
「高性能住宅」と言っても言葉や数値だけでは不十分。数値では見えない対策を施すことで、その性能は大きく異なってきます。経験値があり、様々な提案の引き出しを持っている住宅会社を選びたいですね。
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