アドバイザーブログ
家づくり学校 高松校
2018.07.11
今井 園美
お家の保険「火災保険」は、豪雨被害でも使えるの?
今回の西日本を襲った豪雨被害は未曾有の被害となっています。
被害に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。
これは、私のふるさと愛媛県の西予市の状況です。友達から送られてきました。
まさか、身近にこんなことが起こるなんて思ってもみませんでした。
今はまだ、目の前の今の状況をどうにかしたいという思いで皆んなが頑張っています。
でも、時間が経つにつれて、今後の生活へと目が向くようになってきます。
その時に不安になってくるのが生活を立て直すためのお金の問題です。
そういう時に役に立つのが「保険」です。
今回の災害の場合は「火災保険」
その中でも「水災」に加入しているかどうか?で、大きく変わってきます。
実は火災保険は水災を外すとかなり安くなります。
なので、つい海や川が近くにないから水災はいらないと考える方が多いのです。
火災保険の水災では、どんな場合に補償されるの?
①洪水
台風、暴風雨などにより河川の水量が急激に増加して発生した洪水や、融雪による洪水での被害を補償してくれます。また、ゲリラ豪雨などにより排水が追い付かず床上浸水となった場合も補償してくれます。
②高潮
台風や発達した低気圧などにより海水面が普段より著しく上昇することにより、防波堤などを超えて海水が流れ込み、浸水被害に遭った場合に補償してくれます。
③土砂崩れ
大雨や集中豪雨などにより、山の斜面や崖などの土砂が崩れ落ちる被害を補償してくれます。川底の土砂や泥が一気に流される土石流も補償の対象です。
例えば、こんなケースでも豪雨などが原因だと水災の対象になります。
川や山が近くにないから、高い場所だから、水災被害が起きないということではないようです。
火災保険に加入するときの保険の入り方として
①建物のみ加入する
②家財のみ加入する
③建物と家財の両方に加入する
方法があります。
建物には、一般的に
扉や窓などの建具、門・塀・物置・車庫、ボルトやナット・ネジなどで固定されているガス、電気、冷暖房設備なども含まれます。また、床暖房やトイレ、システムバス、システムキッチンなどのように、建物のなかにあるものでも動かせないものは建物とみなされます。
ただし、保険会社によって「主な対象物」は異なりますので、しっかり確認してください。
家財には、一般的に
家具、家電製品、衣類、自転車、総排気量が 125cc以下の原動機付自転車などが含まれます。
貴金属及び宝石、書画・骨董・その他美術品で、一個または一組の価額が30万円を超えるものは、明記物件として、契約時に申告して保険証券に明記されなければ補償されませんので注意が必要です。
大きな金額の建物ばかりに目がいきがちですが、一つ一つの金額はあまり大きくなくても、被災後すぐに必要となるのが家財です。衣類などは家族の人数分必要と考えると準備しておきたい補償かなと思います。
水災被害の場合、どういう状況になったら保険金が支払われるの?
再調達価額とは、保険の目的(建物や家財)と同等のものを新しく建築したり購入したりする際に必要となる金額のことです。保険会社によって「再取得価額」や「新価」、「保険価額」など呼び名が異なることがあります。
損害保険金として支払われる金額は、損害額から免責金額を差し引いた残りの金額です。免責金額とは、保険会社が保険金を支払う責任がない金額で、契約時にあらかじめ決めた自己負担額のことです。
こんな場合は、どうなの?
①記録的な大雨で、車が水没してしまった
自動車(マイカー)は家財に含まれないため、火災保険の水災では補償されません。任意の自動車保険に車両保険を付けていると補償されます。
②地震による津波や土砂崩れによる被害
津波も土砂崩れも水にかかわる自然災害ですが、地震が原因で起こる津波や土砂災害による家屋・家財の損害は火災保険の水災の補償対象ではありません。地震保険の対象となります。火災保険にセットして地震保険に加入する必要があります。
③集中豪雨のさなかに雨漏りがおこり、家具が台無しになった
火災保険では、雨の吹き込みや漏入による損害は補償の対象外です。火災保険は、偶発的・突発的な事故を補償の対象としています。そのため、一般的に建物の老朽化が原因で起こることが多い雨漏りは、事故とはみなされず補償の対象外となります。ただし、台風などによる強風で屋根が破損し、そこから雨漏りしたのであれば、火災保険の風災補償の対象となります。
もし、被災してしまったらどうしたらいいの?
片づける前に写真を撮る
水が引いたらすぐにでも片づけたい気持ちはわかりますが、片づけてしまったら被害状況がわからなくなります。
先ずは、被害状況を写真に撮ること。保険会社の担当がすぐにでも状況を確認に来てくれればいいのですが、なかなかそうはいかないことの方が多いです。だからと言って、いつまでもそのままに放っておくわけにもいきませんので、先ずは写真を撮っておいてください。写真があれば、何とかなることが多いです。
写真を撮るときに気をつけたいこと
①写真は一枚だけでなく、4方向から撮って建物全体の損傷がわかるようにしましょう。
②浸水した位置がわかるようにメジャーと一緒に写す。もし、メジャーがなければ、人に立ってもらって一緒に写すとおおよその深さがわかります。
③壁、畳、床が水を吸って膨れていないか?膨れているようだったら、写真に撮っておきましょう。
④台所、トイレ、風呂などが浸水していないかは確認して、写真に撮っておきましょう。
⑤柱の傾きを撮っておきましょう。
この写真は罹災証明書を提出するときにも役に立ちますので、片づける前に写真を撮ることが重要になってきます。
ただし、「罹災証明書」の認定基準と火災保険の水災の損害認定の基準は違います。
火災保険の損害認定基準は保険会社によって違いがありますので、加入時にしっかりと確認しておくことが大切です。
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家づくり学校について詳しく見るこの記事を書いたアドバイザー
子どもたちの教育資金に苦労した経験からファイナンシャルプランナーに興味を持ち、2010年に2級FP技能士、2013年に住宅ローンアドバイザーの資格を取得。暮らしのお金に関する相談業務を中心に活動してきました。得意分野は「住宅ローン」と「家計の見直し」です。2017年から家づくり学校にて、FP資格を生かした家づくりアドバイザーとしてお客様の家づくりをサポートしています。続きを読む
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