アドバイザーブログ
家づくり学校 松山校
2024.11.08
門田 章
『省エネ“じゃない”住宅』⇒「光熱費がえらい高い!」というお話。
2025年には住宅の基準が変わり、最低でも「断熱等性能等級4」を満たす、いわゆる「省エネな住宅」しか建てることができなくなりました。
それでも既存住宅を含めて見ると、「断熱等性能等級4」を満たしているのは全体の2割もありません。8割以上が「省エネ“じゃない”住宅」なのです。
本記事ではそんな「省エネ“じゃない”住宅」に住むことになれば「どんな暮らしが待っているのか?」について、なるべく簡潔にまとめてみました。
⇒タイトルでネタバレしていますが、ぶっちゃけ「光熱費が掛かる家になる!」というお話、です。
これから新築を検討される方にとっては「ほぼ関係ない話」となりますが、「他山の石」として参考にして頂ければ幸いです…!
「省エネ“じゃない”住宅」のスペック&問題点
早速ですが「省エネ“じゃない”住宅」のスペック&問題点について、ざっくばらんに説明させて頂きます。
尚、本記事で取り上げる「省エネ“じゃない”住宅」とは、ズバリ筆者のお家です…(汗)他人様の家についてを勝手にとやかく言っているものではないので、その辺りはご承知おきくださいませ。
※念のため申し上げておくと「省エネ“じゃない”住宅」ではありますが、「愛着がある我が家」です。生暖かい目で見守って頂ければ嬉しいです…m(__)m
「省エネ“じゃない”住宅」のスペック
築18年の木造2F建て4LDK
購入したのはもう20年近くも前になりますね。当時としては流行りのデザイン(洋風モダン)。延床も28坪と若干コンパクトですが、間取り的にも4~5人で住むには個人的にも十分な広さだと思っております。
正直、「もうちょっと収納は欲しかったかな…?」と思う時はあります。ただ、その辺りは工夫次第で何とかなっておりますので、そこまで大きな問題とは認識していません。
断熱性能:「断熱等性能等級3」
続いて断熱性能。当時としては「決して悪くはない」レベル。床断熱(GW50mm)、壁充填断熱(GW100mm)、天井断熱(GW100mm)。いずれも密度は10kのものを使用。
無論、現在の新築基準と比べると、断熱性能は圧倒的に足りておりません。GW(グラスウール)の密度は現在では16kが一般的。床断熱も50mmの厚さは、非常に心もとないですね…(汗)
耐震性能:「耐震等級1」
当該物件は2000年6月1日以降に建築されたものであるため、「耐震等級1」は備っています。なので一応、震度6強(阪神淡路大震災レベル)の地震が来ても、1回は耐えて倒壊を免れる想定にはなっております。
ただ、最近だと「熊本地震」や「能登半島地震」が記憶に新しい所ですが、震度6レベルの大地震が複数回に渡って発生するようなことも起こっています。それこそ「南海トラフ巨大地震」のことを考えると、何らかの対策をしておいた方がいいことには間違いありません。
ただ、耐震に関することよりも対策しておきたい大きな問題というものがあります。それは…
「省エネ“じゃない”住宅」の問題点
夏が暑い。冬が寒い。結露する。
ズバリ「住み心地の悪さ」。これは重大な問題の一つです。
夏場は2Fで熱籠りを感じます。エアコンも効かないことは無い(10分も稼働させれば室内は冷える)のですが、夜間などはタイマー設定して寝るとOFFになって2時間程度で室内が蒸し暑くなります…。
冬場は床面や窓際で冷気を感じます。夏と同様にエアコンの効きもそこまで悪いとは思いませんが、窓がペアガラスの「アルミサッシ」であるため「結露する」ことがあります。特に寝室として使っている1F和室はだと、朝方は窓際がびしょびしょになっていることも…
⇒「住み心地の悪さ」の原因は、「施工精度の悪さ(施工不良)」
※我が家の天井断熱、施工不良でした…!!
- 床断熱(根太工法)。しかしながら「気流止め」がまともに行われておらず、冬場はコンセントボックス周りから「冷気の侵入」が感じられる状況に…。
- ユニットバスの直下が「基礎断熱になっていない」。そのため、冬場は外気が風呂場の直下を通過することになり、非常に寒い…。
- 天井(小屋裏)でも断熱材の施工不良が見受けられた。
※「断熱性能の低さ」や「施工精度の悪さ」については、出来る範囲で色々と改善策をとりました。その辺りの結果などはこちらの記事も参照ください。
光熱費が掛かる…。
…これが最大の問題です。
そもそも住宅を取得した当初は「夫婦2人だけ」でした。共働きでもあったため、日中はほぼ電気もガスも使わない生活。なので、当時はそこまで「光熱費を払っているな~」という認識はありませんでした(そもそも14年以上前は、電気代・ガス代共にそこまで高騰してなかったこともあります)。
しかしながら、家族が増えて4人家族になり、日中に電気・ガスを使う機会が増えました。特にコロナ渦以降は誰かしらが家に居るタイミングも増えましたし、情勢的な問題などで燃料費が高騰するタイミングも重なりました。すると、どうなるか?
そう、光熱費が尋常じゃなく掛かるようになったのです…(涙)
「省エネ“じゃない”住宅」の光熱費について
ちょうど2022年以降の「我が家の電気代」を集計する機会があったのでまとめてみました。端的に表で示すと以下のようになります。
年度 | 電気代(月平均額) | 電気使用量(月平均kwh) |
2022年度(12/20~翌年12/19) | 15719円 | 487kWh |
2023年度(12/20~翌年12/19) | 15049円 | 481kWh |
2024年度(12/20~翌年8/21) | 17029円 | 538kWh |
※上記は「電気代」のみ。「ガス代(LPガス)」も同時期通算で月平均11000円ほど支払っております(我が家では毎日、お湯張りをしてお風呂に入っています)
まとめると「光熱費(電気代+ガス代)」としては月約27000円を支払っている計算です。電気使用量も平均で500kwhを越えます。
因みに近年で「高性能住宅」といわれる「Heat20 G2クラスのお家(オール電化住宅)」であれば、建物の大きさ・施工精度の良し悪し・住まい手の生活リズムなどにもよりますが、一般的な4人家族だと月の電気使用量は平均500kWh位に収まるそうです。
電気使用量の平均値だけを見れば「省エネ“じゃない”住宅」も「高性能住宅」も、そこまで差がないように見えます。ただ、「省エネ“じゃない”住宅」の拙宅は「電気+ガス併用住宅」です。つまり、電気代の他にも毎月のガス代が掛かっております。
加えて「省エネ“じゃない”住宅」の拙宅においては、夏場と冬場の「快適な空間」は限られます。冷房や暖房を効かせたリビングや寝室は快適に過ごせますが、それ以外の「脱衣所」や「洗面所」、「お風呂場」なんてのは「夏暑くて、冬寒い!!」が当たり前。
一方、先に述べたような「高性能住宅」であれば、「年間を通じて家全体、どこの居室も快適!」と来たものです。夏の暑さ、冬の寒さは無関係になります。
※「Heat20 G2クラスの高性能住宅」サーモカメラで温度差がありません…!!
「家の一部しか快適でなくて、光熱費が結構掛かる」のと、「家全体が快適で、光熱費が掛からない」のであれば、どちらがよいか?は、自明の理ですね…(汗)
まとめ:住宅購入・家づくりは慎重に考えながら進めましょう!!
ここまで長々とお伝えしてきましたが、言いたいことは一つ。それは「一生で一番高い買い物である住宅購入・家づくりは、知らずして進めるべきではない!!」ということです。
誰しも「省エネ“じゃない”住宅」を建てたり、購入したいと思われることは無いと思います。ただ、知らずして進めると、意図せずにそういった事態に陥ることもあり得ます。
『「高性能住宅」を謳っている住宅会社で新築すれば、今回の記事のような「光熱費が掛かる」事態にはならないだろう…?』と思っている方もいらっしゃいますが…実際問題、そこまで単純ではなかったりします。「高性能住宅」を建てたはずなのに、「光熱費が掛かる」事態になっている方も、少なからずいます…(汗)
ぜひとも「家づくりに関する知識」を身に着け、自らで住宅会社を「見極める力」を養ってください。そして、後悔しない家づくりを実現しましょう。そのためにもまずは家づくり学校へお越しください!!
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