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2020.02.12

大日南 俊介

大日南 俊介

最近よく見聞きする「サスティナブル」ってなに?

神戸校

アドバイザー日誌

最近よく見聞きする「サスティナブル」ってなに?

先日アメリカで開催されたアカデミー賞では、英語圏以外の韓国の「パラサイト 半地下の家族」が作品賞を受賞し大きな話題になっています。アジア圏では初のことで大変喜ばしいのですが映画の内容はさておき、もう一つ注目を集めているのが参加者のドレスコードが「サスティナビリティ」だったことです。

サスティナブル(Sustainable)とは、sustain(持続する)とable(〜できる)からなる言葉のようです。「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味があります。

ジョーカーで主演を務めたホアキン・ニックスは一年間同じタキシードを使用すると宣言したそうです。また、一回使用したドレスをリメイクしたり、再生可能な素材(廃プラスチック素材)から作られた斬新なジャケットなど、服飾の世界でもこれらの動きが起こっていることを知らなかったので正直驚きました。

SDGsを国連が採択

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、Sustainable Development Goalsの略称で「持続可能な開発目標」のことです。2015年に世界を変えるための17の目標を国連が採択し、ここ最近でも多くメディアで取り上げられています。採択までの細かな経緯などは割愛しますが、17の目標は以下の通りです。

1.あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3.あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4.すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7.すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
8.すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する
9.レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
10.国内および国家間の不平等を是正する
11.都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
12.持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

SDGsとは?外務省ホームページ

大きなテーマですが、住宅業界でもSDGsの考えに基づいた取り組みがスタートしているようです。具体的にどのようなことに置き換えることができるのかを少し考えてみたいと思います。

サスティナブル住宅ってなに?

欧米先進国における住宅の耐用年数が60~80年と長寿命なのに比べて、日本の住宅は平均30年ととても短命です。建てては壊す、スクランド&ビルドを繰り返してきた国内事情が大きく影響していると言われますが、わずか20年ちょっとで建物の価値がゼロに近づくという資産価値の問題も大きいのではないでしょうか。

直訳すると「持続可能な住宅」ですから、これまでの日本の家づくりを続けていては達成は不可能ということになります。いつまでも暮らしやすく、次世代の子どもたちに受け継がれていく長寿命な住まいを目指していく必要があります。また、地球温暖化の原因とも言われている石油エネルギーの使用を制限し、太陽熱や風力など自然エネルギーの積極活用も求められます。

解体した古民家などのリサイクル材などの使用や地産地消の家づくりなども同様の考え方かと思います。

要するに、地球環境に配慮しながら、いつもでも住まい手が健康で快適に暮らせる住宅が必要になってきます。

住宅性能の向上

構造で大切になるのが頑丈さです。地盤もセットで大切になるのは言うまでもありません。木造住宅の場合、適材適所で頑丈に骨組みし、耐力壁を設け、かつ構造計算をしっかり行うことで安全性を担保できます。また、日本の木造住宅はリフォームしやすいメリットもありますので、建て直さずに住み継いでいくことも可能です。

快適性も重要な要素です。高気密高断熱によって躯体性能を高めながら、光や風など自然エネルギーも有効に取り込むことで、省エネ性が増し光熱費もエコになります。

シンプルで可変性のある間取り

次世代に受け継ぐことを考えれば、デザインなど凝りに凝ったものより可変性のあるシンプルさがより求められるのではないでしょうか。子ども部屋など最初から仕切らずにフリースペースとして作られる例もありますし、障子やふすまなどの建具で空間を仕切る昔からある手法なども取り入れられているようです。

また、躯体や基礎などの構造部分と、内装や設備などを分離して設計する「スケルトン・インフィル住宅」なら、将来的に自由に間取りも変更できるということで採用例が年々増えていっています。

長寿命に欠かせない自然素材

神社やお寺などが既に証明していますが、時間が経つほどにその味わいは増し、深みの増した自然素材の風合いを楽しみながら生活を送ることができます。無垢材や漆喰などは日々のメンテナンスを通して長く楽しむことができるのもメリットの一つではないでしょうか。

パッシブ設計

サスティナブル住宅では、電気やガスに加えて光と風などの自然エネルギーを暮らしに取り入れることで、エネルギー抑制につなげます。夏場は日射を遮蔽し、冬場は日射を取得できるように、建築地ごとに綿密に計画がなされます。

特に光の利用には落葉樹を南に配置するのがおすすめだそうです。落葉樹は春から夏に葉が茂り、秋から冬にかけて葉が落ちるため、夏は太陽の日差しを遮り、冬は室内に光を取り込むことができます。

太陽光発電や太陽熱温水器を利用すれば消費エネルギーの削減にも繋がります。

風の利用では、南側に植栽を設置することで、夏は涼風を建物に送り、暑さを和らげる効果も期待できます。北側の常緑樹は冬の寒い北風を防ぐ効果もあります。

地元の木材を利用する

できるだけ地元の木材を活用することが、サスティナブル住宅の考え方の一つになります。兵庫県で家づくりをされる方は、県産木材をある一定量使用することで、国内でトップクラスの低金利といわれる木造住宅ローンを使うことができます!

また、材料運搬時の二酸化炭素排出削減にも繋がります。利用者が増えると、森林の荒廃は止まり、木材価格の安定や流通改善、林業全体の課題解決にも繋がります。そうなることで、地元の経済も回り活性化に繋がっていき良い循環が生まれてきます。

最近よく耳にする「サスティナブル」という言葉を調べていくと、様々な業界に広がりを見せており、とても良い取り組みであることが理解できました。住宅業界ではサスティナブル住宅を建てる方には、様々なメリットがあるようですね。これから家づくりを検討していく方は、選択肢の一つとして考えてみるのはいかがでしょうか?サスティナブル住宅を得意にしている住宅会社さんの情報が必要な方は、神戸校でお待ちしております!

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この記事を書いたアドバイザー

大日南 俊介

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