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“注文住宅の基礎知識”の記事一覧

2020.07.15

大日南俊介

県産木材を利用してひょうごの森を元気にしよう！

神戸校

アドバイザー日誌

昨日ですが、兵庫県林務課と兵庫県木材業協同組合連合会とのミーティングに参加させていただきました。テーマはタイトルにもありますが、どのようにして県産木材の利用率を高め、ひょごの森を元気にできるかというもので、とても大きなテーマですが、昨今の豪雨災害などを考えるととても他人事とは思えず、私たちにも何かお手伝いができないかと色々意見交換をしました。

間伐されず荒廃が進行　県内の森林は危機的状況

兵庫県は県土面積の67％が森林を占めており、家づくりの材料として用いられるスギやヒノキの多くが、利用するのに最適な伐採時期を迎えていると言われています。にもかかわらず、県産木材の利用率は伸び悩んでいるのが現状です。以前に「兵庫の家づくり」本の取材で、加東市の製材業「宮下木材」の浮村さんが次のように語っていたことを思い出しました。

「国産材の価格は輸入材より2割ほど割高です。輸送費や関税が上乗せされるのに輸入材の方が安いんです。そうなってしまっているのは、日本の林業が衰退の一途にあることから。この兵庫県もそうです。林業に携わる人たちは、価格の下落を国からの補助金で賄いながら続けている状況です。だから、就業人口もどんどん減っていくという悪循環に陥ってしまっています。流通面のインフラが充分でないことなども重なり、住宅会社の大半は輸入材を使うため、国産材の使用量自体が伸び悩んでいるのです。」

そういった状況が、国内の森林環境の荒廃を引き起こしていると浮村さんは警鐘を鳴らしておられました。

「樹木を伐採し、その跡地に植林をすることでまた若い木々がたくさんの炭素をたくわえ森林は成長していきます。そのためには計画的に間伐と植林を行わないといけません。ですが、国産材が使われなくなると山林から人が遠ざかり、手が入らなくなってしまいます。山林が荒れると、川や海が連鎖的に汚れ、土砂災害の発生率も高まってしまいます。県内の山林ではスギやヒノキが伐採時期を迎えているにもかかわらず、きちんと間伐されている山林は全体のたった18％に過ぎません。放置された山の所有者が分からず、立ち入ることができないという問題も発生しています。」

ただ、兵庫県が平成29年に「兵庫県県産木材の利用促進に関する条例」を制定したのを機に、県産木材の取り扱いはじわじわですが増えてきているようです。それらの動きをより加速させるため、兵庫県では様々施策を打っています。

設計費用の補助！1件につき30万円の補助

■ひょうご木の家設計支援事業
内容：県産木材の良さを普及啓発し、建築材利用を促すため、「ひょうご木の匠」登録工務店※による住宅設計を支援します。
条件：①県産木材50％以上使用　②居室の梁、柱、天井、壁、床のいずれかに県産木材を目視等

※ひょうご木の匠とは・・・県産木材を利用した木造住宅の建設に意欲的に取り組む工務店を「ひょうご木の匠」として、知事が認定します。認定後はひょうご木の匠登録工務店として県HPに掲載されます。（令和2年6月時点：70社）

相談会開催を支援！1回につき5～10万円の補助

■ひょうご木の家建築促進事業
内容：「ひょうご木の匠の会」※会員に対して、住宅展示・相談会の開催経費等を支援します。
条件：①相談会の開催に併せて「県産木材の利用意義」等をPRする機会を設けること　②相談会参加者にアンケート等で県産木材に関する意見聴取すること

※ひょうご木の匠の会とは・・・「ひょうご木の匠」工務店がお互いにゆるやかに連携し、地域材を使用する意義や木の良さのPRを行うほか、情報交換や各種研修の開催などをするための組織です。（令和2年4月時点：49社／年会費3万円）

施主にもうれしいお得な住宅ローン！低金利0.8％固定

■兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度
内容：県産木材を一定量以上使用した住宅を新築・リフォームされる方（施主）に、県内トップクラスの低金利住宅ローンを提供します。
条件：①県産木材50％以上使用、②県内新築及び県内住宅のリフォームであること等
利率：25年返済分までは0.8％固定、26年以降35年返済分は1.8％固定（利率は半年ごとに見直しています。）

※当住宅ローンは、兵庫県と34の金融機関が協力して提供しています。取扱金融機関はこちらからご確認ください。

浮村さんの言葉の中にもありましたが、森林は洪水や土砂の流出の防止だけではなく、二酸化炭素など私たちの暮らしを支える多くの働きを持っています。森林の働きを維持していくためには、整備を持続的に行っていくことが必要です。ひょごで育った木を利用することで、「植える、手入れする、利用する」の循環サイクルが回り、健全な森林が育まれていくのではないでしょうか。

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この記事を書いたアドバイザー

大日南俊介

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大日南俊介

家づくりは楽しむものです。苦しみながら頑張るものではありません。楽しくなくなったときは、一旦ひと休みしましょう！そんな時は、お気軽に家づくり学校を覗いてみてください。これまで10年、住宅情報誌を作ってきましたが、その中では伝えきれない、大切で家づくりが楽しくなる情報をお伝えします！一緒に楽しくて後悔をしない家づくりをしましょう！続きを読む

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