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注文住宅の予算と費用

初めての人にもわかる【住宅ローン控除(減税)】② 手続き

2023.10.23

今井 園美

今井 園美

初めての人にもわかる【住宅ローン控除(減税)】② 手続き
住宅ローンを利用して住宅を取得する方の金利負担の軽減を図るための制度【住宅ローン控除(減税)】を利用するためには、どのような手続きが必要なのでしょうか?

Q.住宅ローン控除(減税)を受けるための手続きは?

A.新しい家に入居した翌年に「確定申告」をする必要があります。

「確定申告」とは?

日本国民には納税義務があるため、所得があった人は所得税を支払わなければなりません。所得税を支払うためには「1年間(1月~12月)にこれだけの所得がありました」。そして、その所得に対してかかる税金を計算して「いくら所得税を支払います」と申告をする必要があるのです。その申告を税務署に対して行うことを「確定申告」といいます。

よく出てくる「所得」と「収入」何が違うの?

会社からもらった給与は「収入」です。店舗などを営み、得た売上げも「収入」となります。

その「収入」から「必要経費」を引いて残った額が「所得」です。

例えば、品物を売って得たお金(売上)が『収入』です。その売上(収入)を得るために「品物の仕入れ代金」「店舗の家賃」などの必要経費を引いた額が『所得』となります。

ただ、一般的な会社員の場合、「必要経費」を個人で計算することはほとんどありません。会社の方で収入から所得を計算してもらい所得税を納めています。この「必要経費」に該当するものを「給与所得控除」といいます。

会社員の場合は、

給与収入金額 ー 必要経費(給与所得控除)で【給与所得】が決まり、
(給与所得ー※所得控除)×所得税率 で【所得税】が計算されます

※所得控除には、「社会保険料控除(健康保険料、厚生年金の保険料など)」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「配偶者控除」「扶養控除」などがあります。

おまけの話?

所得税の納税方法は2通り
納税者自らが申告をおこない納税する「申告納税制度」
会社が納税者の代わりに納税する「源泉徴収制度」

会社員の場合「源泉徴収制度」を使って納税していますので、源泉徴収票には【源泉徴収税額】と表記されています。どちらも納税しているのは所得税ですが、納税する方法が異なるというだけです。

ちなみに、住宅ローンの借入を行う際に「借入可能額」を計算するための基準となるのは『収入』です。つまり、何も引かれていない『収入』を元に「いくら借り入れできるのか?」が決まるのです。

一般的に確定申告は1年に1回

1月1日~12月31日の所得に対して所得税を計算

翌年の2月16日~3月15日(期限日が土日祝の場合は、休日明けの平日が期限)に税務署に申告して納税額が確定

所得税を納付

でも、、会社員の場合、お給料からすでに所得税を支払っていますよね??

給与所得者の場合、あらかじめ会社側が所得税などの税金を差し引く方法が一般的です。ですが、すでに納めている所得税から、もっと控除(差し引くこと)できる※項目がある場合は、申告をすることで、さらにそれらを差し引くことができ、結果、払うべき税金は既に納付している額よりも少なくなります。納め過ぎていた分は還付を受けて取り戻すことができ、この申告を「還付申告」といいます。
※「医療費控除」「住宅ローン控除」「寄付金控除」など

住宅ローン控除は「還付申告」です。

還付を受けるための申告方法

⭐どこに申告するの?

お住まいの地域を管轄する「税務署」
「国税局・税務署を調べる|国税庁」

⭐いつ申告すればいいの?

申告書の提出期限は、入居した年の翌年1月から5年間
確定申告の期間は、原則2月16日から3月15日です。ただし、還付申告は1月から行えます。

⭐申告書の提出方法は?

〇税務署から確定申告書を入手し、記載して税務署に持参もしくは郵送
〇税務署の確定申告書作成コーナーでe-taxを使用して確定申告書を作成・申請
〇国税庁のサイトから確定申告書を入手し、記載して税務署に郵送
〇国税庁のサイト上で確定申告書を作成し、印刷して税務署に郵送もしくはインターネット(e-tax)で申請

準備するものは?

〇確定申告書(A)
税務署もしくは国税庁のサイトから入手
確定申告書には「A」と「B」がありますが、会社員は「A」です。

〇(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
税務署もしくは国税庁のサイトから入手

〇本人確認書類(aまたはbの写し)
a.マイナンバーカード
b.マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票運転免許証やパスポートなどの本人確認書類

〇源泉源泉徴収票(原本)
勤務先で入手

〇住宅ローンの残高を証明する「残高証明書」(原本)
借り入れをした金融機関から送付されてきます。

〇土地・建物の売買契約書の写しや工事請負契約書の写し
不動産会社や住宅会社との間で取り交わした契約書類

〇土地・建物の登記事項証明書(原本)
法務局から入手

〇その他、認定長期優良住宅の特例などを利用する場合の書類のコピー
契約した不動産会社・住宅会社から入手

⭐還付金の受取方法は?

〇指定口座への振り込み
〇指定した郵便局の窓口で受け取る
※納税者本人であることを証明するために次の書類を持参して受け取ります。
・国庫金送金通知書(確定申告後に税務署から送付されてくる)
・本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
※お住まいの市区町村外の郵便局・ゆうちょ銀行(各支店等)を指定することもできます。(例えば、職場の近くの郵便局など)
※代行も可能ですが、委任状や代理人の身分証明書なども必要となります。

⭐いつ、受け取れる?

申告書を提出してから還付までの期間は、時期や受付機関の状況によってさまざまですが、確定申告の内容にミスがなかったとしても1か月~1か月半はかかると思っていてください。

「なるべく早く受け取りたい」という方は、Webサイトからオンラインで申告する「e-Tax」を利用すると、郵送での申告よりも還付が早く、2週間~3週間で受け取ることができると言われています。

オンライン申告の「e-Tax」は、あらかじめ定められた期間中であれば24時間いつでも申告ができます。ただし、申告時には以下のものが必要となるため、事前に準備しておく必要があります。
〇マイナンバーカード(通知カードは不可)
〇ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード対応のスマートフォン

確定申告は初年度のみ

住宅ローン控除は、初年度に一度確定申告してしまえば、翌年からは年末調整の対象になりますので確定申告は不要となります。

翌年以降は、以下の書類を年末調整の際に会社に提出します。

〇「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」
確定申告後、10月下旬頃に税務署から送られてきます。
今後の控除期間分(今なら13年間分)、まとめて送られてきたものを毎年使用することになるので、大切に保管するようにしてください。
〇住宅ローンの残高証明書
金融機関から毎年送られてきます。

贈与を受けた場合

「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与を受けて贈与税の非課税の特例」を利用した場合は、「いくら贈与を受けたか」がわかる書類を手もとに用意しておくと手続きがスムーズにできます。

〇通帳
〇贈与証書(贈与契約書)
〇贈与税申告書

のいずれかがあれば日付や金額が分かります。ただし、これらは住宅ローン控除の確定申告書と一緒に提出する必要はありません。

住民税からの住宅ローン控除があったとしても申告は不要です。

住民税とは、市町村民税・道府県民税の総称で、1月1日時点に住んでいる住所地に納付する税金で、税額は市区町村が計算します。

ちなみに「住民税」は都道府県や市区町村などの地方自治体に納める「地方税」、所得税は国に納める「国税」です。

住民税は、今年の所得を基に計算して翌年支払うことになるため、所得税の確定申告や年末調整が終わって前年中の年間所得が確定した後で、翌年6月以降の住民税の税額が決まり住宅ローン控除も行われます。所得税の確定申告や年末調整の内容は、住民税を決める市区町村に自動的に通知されますので、自分で市区町村に申告する必要はありません。

まとめ

【所得税】は、既に支払った所得税から控除額分が還付される申告が必要
【住民税】は、既に支払った住民税の還付ではなく、翌年の住民税額の減額という形で控除が行われる申告は不要

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2010年に2級FP技能士、2013年に住宅ローンアドバイザーの資格を取得。得意分野は「住宅ローン」と「家計の見直し」です。2017年から家づくり学校にて、FP資格を生かした家づくりアドバイザーとしてお客様の家づくりをサポートしています。

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