大手銀行が基準金利の引き上げを発表!でも、実態は値引き合戦??

7月の「フラット35」の最頻金利(借入期間:21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付き)が1.51%。2016年1月にマイナス金利政策を導入して以来ずっと低金利状態だったので、1.5%を超えたのは実に6年ぶりです。

メガバンク3行(三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行)も、6月30日に、住宅ローン金利の指標となる10年固定の基準金利を7月から引き上げると発表しました。

確実に固定型の金利は上昇傾向にあると言えます。

でも、日本経済新聞には、このような記事も載っていました。

7月の住宅ローン金利、固定上昇 実態は値引き合戦過熱」

値引き合戦加熱!?とは、どういうことなのでしょうか?「住宅ローン」と「値引き」はなかなかイメージが一致しにくいですよね?説明させていただきますね。

まずは発表されたメガバンクの7月「10年固定型」の基準金利(=店頭金利)は次の通りです。

三井住友銀行:3.69%(6月と比較して 0.05%UP)
三菱UFJ銀行:3.69%(6月と比較して 0.05%UP)
みずほ銀行:3.15%(6月と比較して 0.15%UP)

でも「10年固定型」の7月での実際の融資金利は?

三井住友銀行:1.04%
三菱UFJ銀行:1.04%
みずほ銀行 :1.05%

基準金利と実際に融資されるときの金利には大きな差があります。私たちが目にする機会が多いのは融資金利の方だと思います。なぜ、このような差がでてくるのか?

✅住宅ローンの金利には「基準金利(あるいは店頭金利)」と「適用金利(あるいは借入金利)」がある

⭐基準金利とは

各金融機関が市場金利などをもとにそれぞれの基準で設定している金利

分かりやすく言えば「定価」

⭐適用金利とは

基準金利から割引や優遇をしてもらった後の、実際に住宅ローンを借りる際の金利

分かりやすく言えば「特価」

基準金利から、何%割引(優遇)してもらうのか?その割引幅「引き下げ金利」あるいは「優遇金利」と呼んだりします。下図をご参照ください。

 

⭐⭐適用金利=基準金利-引き下げ金利⭐⭐

💡ポイント

優遇を受けるためには各金融機関が定めた条件を満たす必要がある
引き下げ幅・引き下げ期間は各金融機関がそれぞれに設定する

✅引き下げ幅は何%か?

引き下げ幅は、申込内容や審査結果によって決まります。つまり、この例のように適用金利が年0.44%となっていたとしても、それはあくまで最大限に引き下げられた場合の金利であって、申込をした人全員に必ず該当するということではありませんので注意が必要です。

金利の引き下げ幅に影響する要素・条件は、金融機関によって異なりますが、次のような項目があげられます。
勤務先
返済負担率
頭金の割合
住宅の担保評価
利用する金融機関の別サービスの契約状況
など

✅引き下げ金利の適用期間は、いつまでなのか?

以下の2つのタイプがあります。

⭐全期間一律(通期)引き下げ

住宅ローンの借入期間中、つまり借り始めから完済までの全期間において一定の幅で金利を引下げるタイプ

⭐当初期間引き下げ

当初の固定金利期間では大きな引下げ幅が適用されますが、その期間が終わった後の引下げ幅は当初より小さくなるタイプ。

借り入れ当初の一定期間はぐぐっと金利が引き下げられていて低い金利になっているケースが多いです。ですが、その後の引き下げ幅は、縮小されることが多いため、当初の固定期間が終われば金利が上がる可能性が高くなります。当初の金利だけで決めないでトータルで考える必要があります。

✓当初期間引き下げタイプでも安心な人

借入期間が短い人
当初の固定金利期間が終わる頃に繰上返済をして完済する予定の人

※金融機関の中には、当初の一定期間ぐぐっと引き下げた金利を適用して、その後、金利の見直しはあるけれど、その見直しの際にも、当初約束した引き下げ幅を継続する「固定期間終了後も通期で一定の引き下げ幅を約束」プランを採用しているケースもあります。わかりにくいですよね😅

(例)
当初10年間の適用金利:0.87%
その時点での基準金利(店頭金利):3.25%
※当初期間終了後も、通期(完済までずっと)で基準金利より最大年▲1.6%は引き下げるというケース

このケースで考えてみます。

基準金利3.25%-優遇金利1.6%=適用金利1.65%のはずですが、実際の適用金利は0.87%です。

つまり、このケースでの当初10年間の適用金利の決め方は、
基準金利3.25%-(優遇金利1.6%+さらなる優遇金利α)=適用金利0.87%になっているということです。
条件さえ満たしていれば、当初の一定期間は通年で約束された優遇金利に加えて、さらなる+αの優遇がなされた金利設定にしている住宅ローン商品もあります。このような場合、当初期間が終われば、適用金利=基準金利-優遇金利1.6%になるので、実質的には金利が上昇するということです。

今、金融機関は、この引き下げ幅(優遇幅)に差をつけたり、団体信用生命保険などのサービスに差をつけたり、あるいは特別なプレゼントがもらえたりするキャンペーンなどの「お得感」を強調して顧客獲得を図っています。結果、値引き合戦状態になっているということです。

例えば、変動金利の金利はどんどん下がってきている印象ですよね。でも、実際は・・・

 

金利推移

 

上記の表の赤い線グラフは変動金利の基準金利です。過去10年間の基準金利はほぼ変わっていません。ですが、変動金利の適用金利はどんどん下がってきていて最低水準の低金利状態となっています。これらは、金融機関が引き下げ幅を拡大して金利の引き下げ合戦をしている結果と言えるのではないでしょうか?

このような金利競争が激しくなっている背景には「ネット専業銀行の躍進」や「オンラインで金利水準や条件が簡単に比較できるようになったこと」などがあると言われています。

このように優遇金利を活かしたプランは、契約当初はメリットが多くお得感満載でついつい目がいってしまいますが、お得感だけで住宅ローンの選択をするのではNG!メリット・デメリット、リスクなどをしっかり理解して選択していただきたいと思います。

大切なのは将来の収入・支出の変動を考慮した「無理のない返済計画」です!

⚠優遇金利の留意点

✅万が一住宅ローンの引き落としができず返済が遅延した場合は、金利の引き下げ(優遇)が終了する可能性があります。そうなった場合、基準金利がそのまま適用金利となります。結果、返済額が増加することとなり、生活に大きな影響をもたらすことになります。

✅引き下げ期間終了後は返済額が増加することがありますので、それに合わせた備えは必須です。借入当初の毎月の返済額だけではなく、引下げ期間終了後の条件も確認して利用するようにしてくださいね😃

将来のキャッシュフローの変化を視野に入れたライフシミュレーションを作成して、自分たちに合った住宅ローンの借り方・返し方を見つけていきましょう!

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